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クリフ君に!?


 “買い付け”の仕組みを理解し、追加で大金貨九枚を対価として《買付空間》に投入した。

 これで暫くは対価を投入しなくて大丈夫だろう。


 さっきまでは、新しい事にワクワクしてテンションが上がってたけど、いざ確認が終わると眠気がどっと来た。

 何とか寝落ちする前にお風呂に入り、眠りについた。



 翌日の昼、ヒースさんと合流し、まずはクリフくんの引き取りに商人ギルドへ。

 受付の男性職員にギルド証とクリフ君を預けている旨を伝えると、牧場に案内された。

 クリフ君は今厩舎にいる様で、呼んで来ますと言って男性は奥へ。


「クリフ君大丈夫でしたかね?」

「問題ないだろう。クリフは賢いからな」

「そうですよね……」


 高級飼葉も渡しておいたし、ちゃんと帰ってくるよって伝えてたから、食事をしないとか動かない何て事はない思うけど、心配。

 迎えに来た今心配しても遅いんだけどね。


 そんな心配を他所に、元気よくこちらに駆けてくるクリフ君。

 良かった、変わらず元気そうで。

 

「クリフ君お待たせしました〜」


 と言いながら、首筋を撫でる。

 気持ちよさそうな顔をして、頭を擦り寄せてきた。

 君、めっちゃ可愛いな!


「クリフがお世話になりました。何か粗相したりはありませんでしたか?」


 私達を案内し、クリフ君を連れてきてくれた男性職員へお礼を言う。


「いえ、彼は利口でしたし、粗相など無かったのですが……」


 うん?

 何かあったのかな?

 クリフ君は怪我していない様なんだけど、もしかして誰かに怪我をさせてしまったのかな?


 そう思ってると、クリフ君が大きく嘶いた。

 すると、厩舎の方から、綺麗な毛並みの馬がクリフ君の横までゆっくり駆けてくる。


「うわぁ、綺麗な毛並みの子だね。クリフ君の友達?」


 横に並んだ二頭は、頭を寄せ合いながら仲が良さそうに見える。


「それがですね……非常に申し上げ難いのですが、この二頭はどうやら惹かれあっている様でして……」


 はい?

 じゃあ、この綺麗な毛並みの子は雌で、恋人って事?

 ええ……


「クリフ君の恋人なの?」

「ヒーン」


 短く鳴いたクリフ君は嬉しそうに見える。

 えっ? 

 この場合ってどうしたら良いの?


「ヒースさん、普通こういう場合ってどうするんですか?」

「そうだな、軍馬だと問答無用で引き離すが、クリフはそうでは無い。引き離すも共に暮らすも、ユエとこの馬の持ち主次第だろう」


 この綺麗な馬の持ち主は、どうやらエンデル街の商人ギルド長らしい。

 しかもかなり溺愛しているとは、案内してくれた男性職員談。

 溺愛……私だってクリフ君大好きですよ!

 でも、もしもう一頭を引き取るとなると、私には厳しいのではないだろうか?

 まさかロッテントークにも連れて行けないし、馬が妊娠してしまったら移動もできなくなる。

 馬の子の取り上げ方だってわからない。

 うーん、困ったね。


「ギルド長にも報告させて頂いております。ユエ様がご都合の良い日をご提示頂き、一度お話し合いをされては如何でしょうか?」

「そうさせてもらいます。明日以降であればいつでも大丈夫です」

「では、一度ギルドへ戻りましょう」


 クリフ君はそのまま牧場にいてもらい、私達はギルドへ戻った。

 男性職員がギルド長へ報告に行き、明後日のお昼にまた来て欲しいと言われた。

 それを了承し、私達はギルドを後にした。


 クリフ君の幸せを考えるなら、やはり二頭一緒の方が良いんだろうなぁ。

 そうなると、ここに残ってもらった方が良いのかなぁ。

 寂しいなぁ……


「大丈夫か?」

 

 私が無言でボーッと歩いていたからか、ヒースさんが心配してくれた様だ。


「すみません。ちょっとクリフ君の事を考えていました」

「手放すか、連れて行くかか?」

「はい、でも連れて行くとなると二人を引き離すことになりますし、困りました」

「ギルド長がどのように考えているかも関わってくるからな」


 そうなんだよねぇ。

 どんな人かわからないけど、あの馬を手放す気はないだろうと思う。

 だってあんなに毛並みを良く保つには、相当に愛情を注いで洗ったりブラッシングをしていないとダメだろう。

 難しい問題だなぁ……


 そんな話をしていると、目の前に冒険者ギルドが見えてきた。

 商人ギルドからはだいぶ離れていた気がするけど、悩んで歩いていたらあっと言う間。


 冒険者ギルドへ来た理由は今日一番の目的、今回のダンジョン挑戦で溜に溜め込んだ魔石類の売却だ。

 主にヒースさんが倒したキラービー三百八十二匹分の魔石。

 プラス私もたくさん倒した各階層の魔物の魔石。

 

「こんにちは、ダンジョンで得た魔石類を買取して欲しいんですが」

「いらっしゃいませ。ギルドタグと魔石をこちらにお出し下さい」


 ギルドの受付のお姉さんに声を掛けると、小さめのトレーを出された。


「あのぉ……恐らく魔石が五百以上あると思うんですが……」

「五っ!?ッ、失礼致しました。別室へご案内でも宜しいでしょうか?」

「問題ない」


 私が恐る恐る大凡の数を伝えると、受付嬢さんは一瞬驚いたが、冷静さを取り戻し別室への案内をしてくれた。

 ただ、そこで出した魔石の量にはやはり驚いていたし、今回これを鑑定するのに二日時間が欲しいそうだ。

 あと、出来れば次からはダンジョンから戻ったら、都度売りに来て欲しいとも言われた。

 まあ、今回はイレギュラーのキラービーがいたからね。

 次からは気を付けます。


 ヒースさんは明明後日から一人でダンジョンに潜るらしく、必要なアイテムなどを購入していくそうなのでここで別れた。

 付き合いますよと言おうとも思ったが、邪魔な気がしたからやめた。

 ヒースさんのペースで買い物したいだろうしね。


 私も持っている魔道具の調整をお願いしに行った。

 


 ああ……クリフ君……寂しいなぁ、まだ別れると決まってないけど。

 一人になると考えちゃうなぁ。



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