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予定は確定ースケジュール管理は基本ー  作者: 秋海棠
第四章 レベルアップ
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ドナンの星は仲良し


 ホブゴブリンを倒して空いた扉を潜ると、そこには魔法陣の描かれた石板が置かれていた。


「この中央に手を置いて魔力を流すんだ。魔法陣が魔力を記憶して、登録した別の階層に行けるようになる。ただ、私達はまだ他の階層を攻略していないので一階層への転移だ」

「へぇ」

「では、先に私が。後で会おう」


 そう言ってヒースさんが先に魔法陣へ。

 一人ずつでしか転移できないのか。

 彼が手を置いて魔力を流すとヒースさんが消えていなくなった。

 これが世に言う瞬間移動だ!

 早速私も!


 シュィーン……

 フワッ


 視界が遮られたと思ったらもう一階層へ着いていた。

 一階層の転移陣は丁度出入り口近く。

 ダンジョンから出ると、ヒースさんが待っていてくれた。

 外は太陽が真上に登っていて、ダンジョン内では時間がわからなくなってたけど、スマホを確認すると二回目挑戦の日から三日が過ぎた午後一時頃だった。

 時間の感覚がわからず、あっという間だったなぁ。


「お待たせしました」

「では、ギルドに帰還の報告をしにいって今日は解散とするか」


 私たちは冒険者ギルドへと向かった。

 ギルド内は空いていて、並ぶことなく帰還報告を終えた。

 

「戻ってきたのね、待っていて良かったわ」

「あの時は助かったよ」

「あんた達が助けてくれた人か?」


 冒険者ギルドを出ようとした時、声をかけてきたのはダンジョンで回復魔法をかけたカルロパーティだった。

 怪我を負っていた人がカルロさんで、女性はラウラさん、ダンジョン内で銀貨二枚渡してくれたのがドニコさん。

 三人は同じ村から出て冒険者になった幼馴染。

 パーティ名は「ドナンの星」らしい。

 ドナンは三人の村の名前だとか。

 三人ともまだ十九歳なんだって。

 

 そんな自己紹介を済ませ、三人が食事を奢ってくれるということなので、ギルドを出て近くの酒場に入った。


「これ忘れないうちに払っとくな」


 そう言ってドニコさんが銀貨四枚を私に渡してきた。

 このパーティはちゃんと約束を守ってくれたので、信用できるなぁ。


「受け取りました。わざわざ待っていてくれたのでしょう?ありがとうございます」

「それはこっちのセリフだよ。あんたがあの場にいてくれて本当に助かったよ」

「今度からは想定外に備えて、上級ポーションを常備するようにしたからな」

「パーティ資金すっからかんだけどね」

「「ハハハハッ」」


 仲良いなぁ。


 ちゃんと今回の教訓を踏まえて準備するあたり、このパーティは伸びるだろうなと勝手に評価する。

 しばらくはダンジョンではなく、ギルドの依頼をこなしパーティ資金を稼いでからまたダンジョンに挑戦するって言ってた。


「私はもうヘトヘトですよぉ。ヒースさん、明日一日休んでも良いですか?」

「そうだな、そうしよう」

「あんた達はパーティじゃないのか?」

「ええ、ヒースさんには私のレベルアップに付き合ってもらってるんですよ」

「通りで。そっちの旦那はかなりの強者じゃないかって話してたんだよ」

「かなりの強者ですねぇ。私のお荷物感が半端ないですもん」

「いや、私はDランクだ」

「「「えぇぇぇ!?俺たち(私たち)と一緒!?」」」


 そりゃ驚くよね。

 見るからに強そうな貫禄のある人が、自分たちと同じDランクって言われてもね。


「歴戦の冒険者にも引けを取らないくらいのオーラがあったから、てっきりBかAかと思ってたぜ」

「登録したのは最近だからな」

「訳ありか」

「そんなところだ」


 それ以上は深く突っ込まない。

 これは冒険者の暗黙のルールとかなのかな?

 みんなあまり深くは聞いてこないよね。


 それからもお酒を飲みながら三人と話していた。


「でも、あのユエさんが回復魔法をかけたもう一組のパーティの態度は悪かったわよね!」

「あいつら評判悪いからな」


 ああ、あいつらね。

 もう忘れてたわ。

 

「きっとユエさんの事もそのうち有る事無い事言いふらすのよ!本当、恩を仇で返すんだから!」


 ラウラさんが酔ってきたのか声が大きくなってきた。

 あいつらそんなに評判悪いのか……


 なんでも、あの女性冒険者パーティはまだ全員Eランクなんだとか。

 依頼を受けても期限を守らなかったり、態度が悪いから依頼人からの評判も良くないんだとか。

 だから、ギルドでの依頼は最近受けられずダンジョンに挑戦を始めたんだと。

 皆さん、良く知ってるなぁ。


 あの時助けないって選択肢は無かったけど、後味の悪い思いをしたなぁ。

 しかも、有る事無い事言いふらすってタチが悪い。

 まあ、ずっとこの街にいるわけではないし、もう関わる事もないから良いんだけどさ!

 次は絶対助けない!かも?


 それにしても、ラウラさんの出来上がり具合が増してきたな。

 そろそろお開きにしたほうがいいかな?

 私も、お腹が膨れて眠くなってきちゃったし。


「そろそろお暇しますね。これ私たちの分です」

「ダメよ!今日は払うって言ったじゃない!」

「ラウラ……すまない、飲ませ過ぎたな」


 ラウラさん、きてますね。

 流石にパーティ資金をポーションに使っちゃったって聞いた後で奢ってもらうのもねえ?


「ありがとうございます。是非今度また飲んだ時にお願いしますねぇ」

「ユエさ〜ん」

「そんな可愛い声で言われても……また今度是非〜」


 そう言って私たちの分の代金をテーブルに置いて、三人とは別れた。

 ヒースさんはまだ飲みたいかなと思ったけど、一緒に帰る事になった。

 帰り際、ラウラさんはテーブルに突っ伏してしまったので、きっと覚えてないかもなぁ。

 でもまた今度みんなで飲みたいなと良い気分で宿に帰った。


 

 宿の自分の部屋に戻って、まずはお風呂を呼び出す。

 まだ【クリーン】をかけていない汚れた体を洗い、湯船に浸かる。

 至福だ。

 疲れが癒えていく。


 お風呂から上がり、ベッドに横になるともう意識は保てなかった。


 おやすみなさい。




ありがとうございます!

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