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予定は確定ースケジュール管理は基本ー  作者: 秋海棠
第四章 レベルアップ
64/133

なんだこいつら!!

また言葉遣いが荒くなりました。


 ヒースさんと一緒にキラービー達の魔石を拾った結果、ここまでに拾ってきた魔石も含めてトータル三八二匹分もあった。


「ヒースさん……三八二匹分の魔石があるんですけど、これ全部倒したんですか……」

「全てかはわからないが、恐らくな。だがもっと対処が遅かった場合、千匹集まってもおかしくない。一匹一匹は弱いが数には勝てないからな」

「千!?そう考えるとこの数が少なく感じてしまう。だけど、ヒースさんのおかげですね」

「いや、誤魔化されないぞ。結界を張ってくれたのだろう?助かった」

「……はい、ご無事で良かったです」


 誤魔化されてくれなかったけど、結界なんて魔法もあるのか。

 ある意味私が設定したのも結界の括りであっているよね。

 それならズルとは言わないか。


「このまま四階層のセーフティエリアに行くぞ。そこで少し休もう。報告のいったギルドからも調査が入るだろう」

「そうですね、もうヘトヘトですよ」

「ハハ、セーフティエリアまではもうすぐだ、頑張れ」


 ヨレヨレになりながら歩くこと二十分。

 全然もうすぐじゃない!

 もうすぐっていうのは五分とか最長で十分だと思った私がバカだったのか……


「……はぁ、はぁ。ようやく着きましたね……」

「ああ、お疲れ」


 ようやく辿り着いた四階層のセーフティエリアに入った時、


「誰か!解毒薬を頂戴!」

「ポーションも分けて!」

「もう無いわ!」


 三階層のセーフティエリアより広いそこには、十人近くの人が寝かされていた。

 先程のキラービーの群れに襲われた人達だろう。

 何人かは端に寄せられて動かない。

 既にどこの冒険者パーティーもポーション類が無くなっているようだ。

 

「ヒースさん……」

「手遅れな者もいるな。ある分のポーションを出そう」

「はい……」


 私達が持っているポーション類をどんどん出した。

 私とヒースさんを合わせて初級が十二本、中級が十本、解毒薬が十本。

 だが、中級のポーションでさえ傷が深い場合、複数飲まないと回復しない。

 とてもじゃ無いけど、全員には行き渡らない。


「ヒースさん、あの二人はポーションでは厳しいと思います……今更ですけど、やってもいいですかね?」

「ユエが良いなら」

「はい!」


 そう、さっきの冒険者達を治療した時を思い出して、勝手にやらない方が良いのかと思ってしまった。

 でも、目の前の横たえられた二人は、明らかに他の人よりも重症だ。

 上級ポーションか私のハイヒールなら回復効果はあるかもしれない。

 何故か普通のハイヒールでは効かない重傷者にも、私のハイヒールは有り難くも回復が見込める。

 

「うぅぅ……カルロ……」

「頼むよ、もう少しで助けが来るから持ち堪えてくれよ」


 倒れた男性冒険者の手を握る女性と、その傍にいる男性。

 

「クラウ!ねぇ、クラウ!」

「アデラやめな!気を失ってるだけだから!」


 横たえられている女性冒険者の肩を揺する女性とそれを嗜める女性。

 それぞれの冒険者仲間なのだろう。

 その二組に、


「上級ポーションと回復魔法どちらがいいですか?すぐ決めてください」


 上級ポーションを出して、二人の仲間達にそう問う。

 しかし、二組とも疑わしげな顔をした。

 本当に回復魔法なんか使えるのかって事でしょ?

 それならと、近くにいた負傷している男性冒険者に声をかけた。


「銀貨二枚で回復魔法を受けますか?」

「!?……本当か?効かなかったら払わないぞ?」

「わかりました、良いですよ」

「!?なら頼む。痛くて堪らないんだ」

「失礼しますね。ヒール!」


 恐らく普通の聖属性の人であればハイヒールでないと治らない怪我が、私のヒールの魔法でみるみる回復していく。

 やはり効果が高いのはカマック様のおかげか?


「ッ!?」

「「嘘でしょ!?」」

「さあ、どうします?緊急時ですし、銀貨六枚で良いですよ」

「「「お願い!!」」」「頼む!」


 ガッテン承知!

 横たえられた二人に解毒薬は飲ませているようだから、速攻でハイヒールをかける。

 二人とも重体とまではいかなかったから、何とか助けられたようだ。

 重体は流石にハイヒールでは無理だ。


「カルロの顔色が……戻ってきたわ!本当にありがとう!」

「良かった……良かっ……あ、ありが……」


 男性冒険者カルロさんのパーティ。

 女性に手を握られ、感謝された。

 もう一人の男性の仲間は、感極まってホロっと涙が見えた。


「ごめんなさい、治して貰ったんだけど今持ち合わせがないの。冒険者ギルドに戻ったら必ず払うわ!」

「これ……今これしか無いんだ。残りはギルドで払う。悪い」


 そう言ってカルロさんの冒険者パーティの男性が銀貨二枚渡してくれた。

 それは受け取っておいた。


「クラウ!ねぇクラウ!」

「まだ気を失ってるだけだよ。そっとしときなって!」


 女性冒険者クラウさんのパーティ。

 未だに肩を揺すり続ける女性とそれを嗜める女性。


 あれ?

 感謝の言葉とか無いの?

 別に言葉を求めているわけじゃ無いんだけど、一言あっても良いと思うのは小さいかな?


「あのぉ?」

「あっ、ごめんね。私たち今お金ないの。今度払うわ」

「えっ?いつです?」

「今度ったら今度よ!」

「何この守銭奴、嫌な感じぃ。空気読んでよぉ」

「金金金、やっぱり聖属性持ちは皆同じことしか言わないね」

 

 なんだこいつら。

 なんだこいつら!!

 ありがとうも言えないのか!

 銀貨六枚でって言ってお願いって言ったのそっちでしょ?

 助けなきゃ良かったの?


「……」

「何その目ぇ。払わないって言ってないじゃん」


 さっきからクラウをゆすり続けているバカ女が言ってきやがった。

 なんで治療してまでこんな胸糞悪い思いしないといけないんだろう。


「何故ユエを攻めている?対価を払うのは当たり前だろう?君たちは同意して治療を受けていた。その様に言われる謂れはない」

「だからあとで払うって言ってるじゃん!」

「感謝はしたのか?ユエがいなければそこの者は助かっていなかったかもしれないだろう。そんな事もわからないのか?」

「「……」」


 ヒースさん!!いや、ヒース様!!

 後ろから助け舟を出してくれたけど、泣きそうです!

 何も言えなくなった女性冒険者二人。

 なんかもうヒースさんが助けてくれたからこんな奴らいいや。


「ヒースさん、ありがとうございます。気分悪くなるだけなんで、あっちに行きましょう」

「「何っ!?」」

「そうだな」


 何か言いたそうな二人だったけど、無視して空いてるスペースに向かった。

 彼女達はまだ目の覚めないクラウがいるから、その場から動けない。


 周りを見ると、他の人たちは提供したポーション類で問題ないようだ。


「ちょっと、いえ相当疲れました」

「お疲れ、一段落だな」


 ヒースさんも色々な人にポーションを飲ませたりと動き回っていたはずなんだけど、疲れた顔をしていない。

 超人か?


「こんな時にお金の話なんてと思ったんですけど、その方が恩着せがましくなくていいかなと思ったんで言いましたけど、言わない方が良かったですか?」

「良いのでは無いか?対価は当然の権利だ。それに本来ポーションも自身で用意するもので、イレギュラーにも備えるのが常だ」


 うわぁ、ごもっとも。

 だから私も多めにポーションを持っていた。

 以前は怪我をしないから必要ないと思ってたけど、ヒースさんに諭されて購入していて良かったと思う。

 ただ、この階層にいるということはまだ初級冒険者か、ちょっと毛が生えたくらいだろう。

 複数持つほどお金に余裕のある冒険者はごく僅かだと言える。

 突然変異のクイーンビーなんて、本来はないから想定していないだろうし。

 だからってさっきの態度はどうかと思う。

 カルロパーティはちゃんと冒険者ギルドで払うと約束してくれたのに、クラウパーティは払うとは言ったけど、めちゃくちゃ怪しい。


 感じ悪い、ああ感じ悪い!



ブックマークがちょっとずつ増えている嬉しさ。ありがとうございます!

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