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予定は確定ースケジュール管理は基本ー  作者: 秋海棠
第四章 レベルアップ
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治療費で駄々は捏ねない


 なんだか、一緒にロッテントークへ行く気満々のヒースさん。

 取り敢えずお互いレベルを上げるということは合意するが、同行するのにはいささか合意し兼ねるぞ?


「本当に行く気です?」

「挑戦したいとは思っている」


 確定ではないけど、行く気はあると。

 まあ、結局レベルアップするためにエンデルダンジョへ行くことは変わらない。

 

「そうですか、私じゃヒースさんのレベルアップにお付き合いすることは出来ないですけど、お待ちして一緒に行く予定と考えて良いですか?」

「ああ、ただ私のレベルは上がりにくくなっているから、時間がかかってしまうかもしれないが良いか?」


 ヒースさんの現在のレベルは一つ上がって、百十三だそうだ。

 あと十七レベルを上げるのにどれくらい時間がかかるのかはわからない。

 だって、ナージンさんだって百二十七だ。

 百三十の壁って結構高そうだよね?

 人の最高レベルが幾つなのか知らないが、それでも瘴気に耐えられる保証はない。

 ロッテントークに行く前に教会へ来いと言われているから、その時にでもヒースさんの事を聞いてみようかな。

 そこでダメだって言われたら、一緒に行く事は出来ないね。


 何だかここ最近ヒースさんと一緒にいることが当たり前になってきているな。

 まだ出会って一月ぐらいしか経ってないのに。

 それに一応敵側の人なんだけど、ここまで信頼してしまって大丈夫かね?

 ま、今更だけど。


「ロッテントークへ行く前に教会へ行くように言われているので、その時にヒースさんが瘴気に耐えられるか神様に聞いてみますね」

「……神と約束をしているのか?」


 はっ!

 これダメなやつだったか!

 そうだよ、普通に考えて神様と会話なんて出来ないから。

 自分だって日本にいる時、神からのお告げとか信じてなかったじゃん。

 普通はあり得ないんだよ。


「……しましたね、そう言えば……」

「やはり只者ではないな」

「……内緒でお願いします」


 しかもこんな話を外でするものではない。

 誰かに聞かれても与太話だと思われるだけだろうけど、不用心だった。


 クリフ君におやすみを告げ、二人で部屋に戻った。

 夕食の時はその話には触れず、昨日の魔物襲撃の話をした。


 ヒースさんの他にも調査依頼を受けている人はいて、複数の調査を元に討伐隊を組んだが、少し遅かったという悲しい結末。

 ヒースさんは討伐隊の先頭では無く後方だったらしく、戦闘に参加した時には大型キャラバンが既に襲われてしまっていた。

 一体はヒースさんがトドメを刺し、その他二体は討伐隊の冒険者により仕留められたそうだ。

 その報酬を今日受け取ったとか。

 なので、ヒースさんはいつでも出発可能になった。


 あとは私の治療費諸々の受け取りのみ。

 明日は、冒険者ギルドに顔を出す事になっているのでヒースさんも付き合ってくれる事になった。

 ついでにナージンさんから聞いたエンデルダンジョンの情報を共有し、装備を見繕ってもらう事に。

 決して買い物デートではない。

 ちょっと浮かれそうだけど。


♢♢♢


 翌日早速冒険者ギルドへ。

 朝の早い時間は避けたほうがいいとは、ヒースさんが教えてくれたのでのんびり向かった。


 ヤヴォン国の冒険者ギルドも大きい。

 だが、今の時間は比較的空いていて、窓口も空いている。

 窓口の受付嬢に声を掛けて、ギルド証を提示すると、


「ユエ様ですね、別室へご案内致します」

「えっ?ここで受け取りではないんですか?」

「はい、チーフに個室へ通すように申し伝えられております」

「マジですかぁ」


 てっきり窓口で報酬と治療費を受け取ってはいさよならだと思ってたのに。

 買い物デートが遅くなる。

 いや、デートではない。


 案内された部屋は、対面のソファとその間にテーブルが置かれただけのシンプルな応接室。


 ヒースさんと並んでソファに座って待っていると、


「待たせたわね」


そう言って、先日話した女性チーフが入ってきた。


「早速だけど、これが今回の報酬。こっちが貴女が治療した者達の治療費ね」


 二つの木のトレーに乗せられた硬貨を指してそう言って渡された。


「はあ、ありがとうございます」

「説明すると、報酬は銀貨五枚。治療費は金貨五枚ね」

「えっ?治療費が高くありませんか?私六名ぐらいの治療しかしてませんよ?」

「そんな事ないわよ?むしろ安いくらいだから申し訳ないわ」

「相場ってどのくらいですか?」

「そうね、教会の治癒師だとハイヒールで金貨一枚と銀貨五枚はくだらないわ」

「高っ!」


 一回十五万って。

 確かに重症だったらそのくらい取るものなのか?

 うーん、都市によって価格は違うって言ってたからそんなもんなのかな?

 それを考えたら今回の治療費は安く感じるけど、私には問題ない。

 


「報酬と治療費は問題ないです」

「ホッ、良かったわ。もし駄々をこねられたらどうしようかと思ってたの。教会に属していたら文句をつけられる額だし。ごめんなさいね、多く支払えなくて」

「いえ、救えない方もいましたので文句は言えません」


 駄々を捏ねるって子供じゃないんだから。

 でも教会はボッタクり過ぎな気がするが、この世界の人間でない私が口出しする事ではないか。

 それこそ聖属性は貴重だし、育成するのに時間とお金がかかるのかもしれないからね。

 裏を知らない人間が簡単に口を出してはいけないね。

 

「でも貴女、よく教会に属さずいられたわね。強引な勧誘を受けなかったかしら?聞いた話では半ば誘拐じみた事もあったとか。気を付けねて」

「えっ?誘拐って犯罪じゃないですか」

「ええ、でももちろん合法的にらしいけどね。貴族の家から適正者が出た場合なんかは、お金を積めば見逃してもらえたりするみたいだけど。一般人では属していないとは聞かないわね」

「それ教会としてどうかと思いますけど……幸い私は無事でしたね」


 神様に報告する時教会に行くよね?

 何事も無いといいんだけどなぁ。

 決してフラグでは無い。



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