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大金過ぎる


「ふぅー、美味しい」


 温かい紅茶を飲む。

 今私は久しぶりにのんびりとした朝を過ごしている。

 誰とも予定がなく、急かされることもない朝は最高だ。


 思い返せば、ここ最近休みなく働いていた。

 しかも十日連チャンだ。

 上がり時間は早いものの、かなりブラック勤務をしていたなと思う。

 人の命がかかっていたからそんな事言っている場合では無かったんだけど、ハードだったわぁ。


 そんな激務も昨日で無事に終わった。

 十日の私の激務は無意味なものだったけど、結果国王を救えたからよしとする。


 あれ?

 本当に今更だけど、これタダ働き?

 報酬の話を今まで一切して来ていないことに気付く。


 確かに移動の費用やこの部屋の宿泊代なんかも全てヤヴォン国持ちだけど、実働に関しての話をしてないじゃない!


 でも、このホテルの宿泊費は相当なんじゃないかとは思う。

 それでチャラって事かな?

 食事代も一切払ってないし。

 うーん、まあ実際私が何かしたってわけではなく、創造神様のお力だからね。

 それの対価をもらう方がマズイか。

 このホテルで贅沢させてもらってる事を報酬としよう。



コンコン


「んぁ?」


 あっ、涎が。

 いつの間にかまた寝てしまっていた。

 しかもソファで。

 なんて、だらし無い……


「ンンッ、何方ですか?」

「ナージンです」


 おや、昨夜に続きナージンさん。

 二度寝しちゃってたから今が何時かわからない。

 スマホを確認すると、十三時十八分。

 だいぶ長い時間二度寝してしまったなぁ……


「どうぞ」

「失礼致します」

「えっ!?誰!?ナージンさんのご親戚??」

 

 そう言って入ってきたのは、ナージンさんの面影のある顔をした騎士だった。

 声はナージンさんだ。

 でも商人ナージンさんは膨よかだったはず。

 お腹も出ていたし、何なら顔もふっくらしていたような。

 でも目の前の騎士は全体的にシュッとしていて、ナージンさんの従兄弟と言われたら納得する。


「ハハ、ナージンですよ、これが本来の姿なんです。本日は、公に国王様へ謁見して参りましたのでこのような格好で失礼します」

「いやぁ、親戚の人かと思いましたよ。同一人物に見えない」

「そう言っていただけると嬉しいですな」


 いや、本当にびっくりしたよ。

 流石諜報部隊の隊長なだけある。

 色々な顔を持っているんだろうなぁ。


「あっ、ごめんなさい、ソファへどうぞ。国王様の容態は大丈夫ですか?」

「ええ、食事も摂れる様になりましたので、回復に向かっております」

「良かったぁ」


 未だ国王とは対面していないが、ナージンさんに慕われる方が無事でよかった。

 親しいと思っている人が悲しい思いをするのは辛いからね。


「本日はご報告をと思いまいりました」


 ナージンさんから聞いた話では、第一王女は捕まり、現在牢屋に入れられている。

 国王の無事を聞いた時の王女はひどかったそうだ。

 何故解呪出来たのか、何故お兄様が王にならないのかなど、喚き散らしていたとか。

 カイラさんの証言もあるが、これから徹底的に調べられるそうだ。

 なので、国王からの沙汰があるまで牢屋暮らしなんだって。

 自分の子供に殺されかける時点で辛いのに、それを裁かなければならないなんて……国王にとっては残酷だなぁ。


 それにしても……


「騎士服のせいですか?話し方が固くありません?」

「我が国の一大事をお救い下さった英雄を前に畏まらずにはいられません」

 

 今度は英雄!?

 

「以前の通りに接して下さい!お願いします!」

「しかし……」

「良いんです。それに私ではなく、感謝するなら創造神様へ。私には不要ですよ」


 本当に私はただ入力しただけ。

 実行してくれたのはカマック様の力のおかげ。

 なので、感謝はカマック様へ。

 

「神使様……」

「あっ!それも無しですからね!一般人のユエでお願いします。カイラさんはどうなるんです?」

「……わかりました。カイラは、王女の裁きが下るまで謹慎とし、その後見習いからのやり直しとなるでしょう」

「そうですか、投獄とか追放でなくて良かったです」

「諜報部の情報漏洩のみでしたからな。もし、呪詛士に関わっていた場合、投獄だけでは済まなかったでしょう」


 そうか、操られていたとはいえもし呪詛をかけるのに加担してしまっていたら、罪に問われてしまうのか。

 情状酌量とかないのかね?厳しい世界だ。


 でも、神使の(くだり)はなんか納得してなさそうな顔をしてたけど、本当にやめて下さいね?


「それでユエさん、遅くなりましたが、これを」


 と、ナージンさんがアイテムボックスから出したのは、宝石が散りばめられた豪華な箱だ。

 

「これは?」

「少ないかもしれませんが、今回の謝礼です」


 そう言って、豪華な箱を私の前にズイッと差し出した。


「……開けて良いですか?」

「どうぞ」


 カチャッ


 ……

 ……ヒェェェ!


「何ですか!?この大金貨の山は……それに宝石まで……」


 箱の中身は、数えられないくらいの大金貨と、見た事のない綺麗な宝石たちがいくつも入っていた。


「少ないぐらいで申し訳ないです。大金貨では三百枚、宝石は大凡大金貨二百枚程の価値があるかと。ロッテントークに行かれると聞き、向こうの通貨がわかりませんので宝石としました」


 そこまで考えてくれたのか!

 それにしても多い!


「多過ぎます!頂けませんよ!」

「いえ、この位はもらって頂かなければなりません。国王様の命をお救い下さいましたから」

「えぇぇ……そう言われたら貰うしかないじゃないですか。でも、このホテルの宿泊代も払ってもらってますし、半額にしてもらえませんか?」

「謝礼を値切るとは……ダメです。この額は変わりませんよ。国王様へもユエさんの事は黙っておりますので、受け取ってください」

「えぇぇぇ……」


 円換算したら、大凡五億。

 貰いすぎだよね、やっぱり。

 箱ももらって下さいって言われたけど、こんなキラキラした箱使い用がないから、丁寧にお返しした。

 報酬の話を一切してないなとは思っていたけど、こんなに欲しいとは思っていなかったよ……謝礼だけでお腹いっぱいすぎる。

 どこかに定住するかもわからないのに、使い道がわからない大金だ。


 ストレージに謝礼を仕舞うと、大金貨三百枚と表示された。

 宝石類はオパールとか、エメラルドなど聞いたことのある名前がズラッと並んでいた。

 お腹いっぱいでもらい過ぎだとか言ってても、このストレージの表示を見てニヤニヤせずにはいられなかった。

 現金な女だ。

 クリフ君に良い飼葉買ってあげよう!



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