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なかなかレベルは上がらない

また戦闘シーンと言えない戦闘シーン。本当に難しいですね。


 で、ダンジョン挑戦初日。

 やはりヒースさんは付いてきた。


「いいって言ったのに……なんであそこまで拘るんでしょう?」

「気にしないで行きましょう」

「そうそう、浅瀬で手伝いが必要になる事なんて殆どないから」


 私達三人はヒースさんを無視し、ダンジョン入り口に立っている人にギルド証を提示し入場した。


「ダンジョンの中ってこうなってるんですね」

「ダンジョンによって違うけどな」

 

 ダンジョンの中は蝋燭のような灯りはついているが薄暗く、剥き出しの岩肌が出ている洞窟のようだ。

 道がいくつかに分かれていて、奥からは戦闘中の音や人の声もする。

 

 事前に冒険者ギルドで入手していた【ダージダンジョン】の地図を見ながら私たちは今進んでいる。

 この地図一階〜十五階までは細かく記載されているが、それ以降になると全てとはいかなくなり、大まかに記載されている。

 強力な魔物と戦闘しながら地図を埋めるのはなかなかに難しいそうだ。

 

 そんな地図にはどんな魔物が出るかも載っている。

 なのでこの地図銀貨二枚するのだ。

 チームに一つあればいいけど、でも駆け出しの冒険者にとっては痛い出費だ。

 

 今私たちがいる一階層にはスライムという魔物が出る。

 ゼリー状の超有名モンスターだ。

 弱点は体の中にある核をつくこと。

 それ以外で攻撃してもダメージは殆ど負わないとか。

 強いのか弱いのかわからないモンスターだ。

 ただ、誰もが弱点を知っているので油断しなければ倒す事は容易だ。


 道を進むと、目の前に三体のスライムが現れる。

 動きはポヨポヨしていて俊敏さにはかける。

 簡単に飛び越えられそうだが、ここは戦わなければならない。

 自分のレベルアップの為に。


「ユエさん、真ん中のスライムの核を狙ってください。他の二体はこちらで倒します」


 ラミーさんからのアドバイスがくる。

 もちろん剣など使えない私は魔法を放つ。

 今回は《ウィンドウボール》。

 ちょっと威力が強かったようで真ん中のスライムに魔法が当たった瞬間弾け、その右横のスライムも道連れに倒す事が出来た。

 左側のスライムはラミーさんの魔法で倒している。

 

 倒されたスライムは「シューッ」という音を立てて消えていった。


「スライムって倒すとああやって消えるんですか?」

「いや、ダンジョン内だからだ。ダンジョン外で魔物を倒しても消えなかっただろう?ダンジョンでは倒された魔物も人も栄養としてダンジョンに吸収されてしまう。遺体は残らないんだ」

「ユエさん本当に知らなかったんですね」

「すみません……」


 だってダンジョンに入るのもスライムに遭うのも初めてだったんですよ!

 もう覚えましたもん。


「あっ、ほら。魔物が消えると、魔石が落ちるんだ。拾ってあとで売却しよう。稀にドロップアイテムなんかも出るからな」

「魔物を解体しなくて良いんですね。それは良い」


 ダンジョンは謎空間だ。

 いくら私の小さな脳みそで考えたって構造などわからない。

 ならそういうものだと思うしかないし、この世界の人たちはそれが当たり前だと思っている。

 

 倒したスライムの魔石を回収し、先へ進む。

 今のところヒースさんの横槍は入っていない。

 と言ってもまだ一度しか戦闘していないからね。


 その後、何度かスライムと戦い倒すも、レベルは上がらない。

 低ランクのスライムではレベル一桁台でないとあまりレベルアップを感じることができないくらい、経験値が少ないらしい。

 なので、次の階層に下りた。

 二階層はホーンラビットと言う、うさぎ型の魔物が出る。

 俊敏で、額に生えた角で攻撃してくる。

 うさぎ型というだけあって、ピョンピョン飛んでこちらに迫ってくる。

 そこをケージさんが盾で防ぎホーンラビットを弾き、私がウィンドウボールを放つ。

 が、なかなか当たらない。

 動きが早い魔物にはそう簡単に当たるものではない。


「着地する瞬間を狙え!」


 後ろからヒースさんの声がかかる。

 狙いを定めるがまた外す。

 だが、二発目も同じように狙うと今度は見事にホーンラビットを倒すことが出来た。


「やった!」


 やっと一匹。

 スライムを倒した時よりも嬉しくて後ろを向くと、既に消滅しかけているホーンラビット達が何匹もいた。


 ……そうか、私一人が苦戦していたのか。

 ラミーさん、ケージさん、ヒースさんそれぞれから生暖かい目で見られている気がしてならない。

 やった!なんて叫んだ自分が恥ずかしい。


「大丈夫、皆はじめは苦戦する」


 ヒースさん、その優しさが逆に痛い。


 それでもまだレベルは上がらない。

 一旦休憩しようと、地図に記載されている、セーフティエリアという魔物が出ないスペースに向かった。


「魔力はあとどのくらいいけそうだ?」


 ケージさんが水を飲みながらそう聞いてくる。

 自分のステータスは基本見ることが出来ない。

 通常はお金を払って、協会やギルドで鑑定の魔道具を使って測ってもらうそうだ。

 レベルアップは体が軽くなるからわかるけど、魔力残量などは自分がどれだけの魔法をどれだけ打ったか覚えておき、大凡で残魔力を把握する。

 MPポーションなどは高価なので出来るだけ飲まないように、魔力量を把握しておく必要があるんだと。

 ただ、私は“鑑定”スキルがあるので、確認したところ残り魔力は半分ほどの372だった。


「おそらく今半分程です」

「そうか、じゃ後もう少しいけるな。レベルアップの感覚があったら教えてくれ」

「ユエさん、魔力は全部使い切ろうとしないで下さいね。動けなくなりますから」


 ラミーさんからの助言を頂き、少し休んだところでまた戦いに繰り出す。

 すると、


「しっ!」


 いきなりケージさんが止まれというジェスチャーをしてきて、遠くを指さす。

 ホーンラビットより一回り大きくて、少し金色っぽい毛艶のうさぎだ。


(あれはレア種だな)

(経験値も倍はあるはずなので狙いましょう)


 小声でケージさんとラミーさんが言う。

 私は頷き隠匿操作で気配を消して近づく。

 初めからこれをやってれば良かったんだけど、隠匿操作を使うと皆んなが私を認識できず、サポートも出来ないという事で使わないようにしていた。


 隠匿操作を発動した時、ヒースさんの顔色が一瞬変わったけど私はそれを気にしなかった。

 初めて見せるからビックリしたんだと思ったんだ。


 隠匿操作を使ってレア種のホーンラビットに近づき、ホーリーアローを放った。

 すると、今回は不意をつけたからかしっかり一撃で倒せた。

 

 倒したレア種が消えると、通常のホーンラビットよりも一回り大きい角と魔石が落ちていた。

 そして、


 フワッ


 レベルアップもしたようだ。

 

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