神の回(後半)
今いる大陸を入れるのを忘れていました…。
修正いたしました。
「あとな、出来ればで良いんだがやって欲しいことがあんだよ」
カマック様からのお願いに、私ができる事であればと答える。
「ロッテントークにある世界樹を浄化しに行ってくんねぇか?」
カマック様曰く、ローテントーク大陸にある、【世界樹】と言われる大木が瘴気に侵されているから出来れば浄化してきて欲しいと。
現地の人が定期的に浄化を行ってるけど、年々弱っていってるらしい。
浄化は聖魔法初級で覚えられる《クリーン》に、ありったけの魔力を込めてやってくれれば良いと。
私がやれば、カマック様の加護が働いて、他の人の浄化よりも遥かに効力が高くなるんだって。
「確かロッテントークって未踏の地って言われてませんでした?」
「そうだな、他の大陸からだいぶ離れてる上に、世界樹が世界の瘴気を集めてるからな。この大陸やフェーリアの奴らは厳しいだろうよ」
フェーリアとは精霊が治めている大陸の事。
自然を愛する多種族が共存しているって前に本で読んだ。
私の中で、行ってみたい大陸ナンバーワンだ。
ちなみに、今私がいる大陸はヒューマニア大陸。
人族が治る国が多い大陸だ。
あとは、竜人族の住むドラゴニア大陸。
魔族が住む魔大陸の、計五大陸がこの世界には存在する。
ロッテントークは未だに多くが解明されてない大陸で、過去何回も上陸を試みたが、一隻も帰ってきてないって本に書いてあった。
行く予定のない大陸ナンバーワンだ。
そんな所に私が行って大丈夫なのか?
「あの……私がそんな所に行っても大丈夫なんですか?」
「お前には俺の加護があるだろ?大丈夫だ」
えっ、イケメン。
俺が守ってるだろって?
キュンときた。
「……おい。ただな、今のままだと俺の加護があってもキツい。生命力も魔力ももっと底上げしてからじゃねぇと厳しいな」
「えぇ……やはりレベルアップしてからですか。それだと戦闘しなきゃダメですよね?」
「だな。ダンジョンにでも行きゃレベルは嫌でも上がるぜ?お前、剣とか体術には向いてないだろ?なら攻撃魔法鍛えろや。お前は風より聖のが向いてるからな。そっちで攻撃魔法覚えてみろよ」
「貴方は前衛職の者と組むと良いんだけどねぇ」
カマック様とメル様から助言をもらう。
仲間を作って戦えって事かぁ。
でもこの世界で仲間って難しいんだよね……
「確かに貴方、根無草ですものね。あっ、そうだわ。この街まで一緒だった冒険者の子がいるでしょ?あの子を助けてあげてはどう?」
サクッと真顔で毒を吐くメル様。
「メル様、ケージさんとラミーさんの事ですか?」
「そうそう、確か女性の方の家族に聖属性持ちの子がいて、どこかの貴族に魔道具で無理矢理隷属させられてるみたいよ」
私と一緒じゃない!
メル様曰く、ラミーさんも末端貴族でケージさんはその護衛だとか。
しかも質が悪くて、家族を解放して欲しいなら貴族と結婚するか、膨大な買取額を払うかを要求されたんだって。
なので、今冒険者をしながら資金を集めているとか。
だから、ラミーさんの家族を助けたら、レベル上げに協力してくれるんではないかと。
「同じ境遇だと思うと、放っては置けないですね」
「ま、そこはお前に任せるわ。世界樹の件も強制って訳じゃねぇから。無理しなくて良いぜ」
「いえ、何か目的が無いと、この世界でどうして良いかわからなかったので、やってみようと思います」
「そうか、んじゃ、頼むな」
「お願いね」
日本に帰れないってわかってから、ほとんど何も知らないこの世界で、露頭に迷う所だったからかえって良かったかもしれない。
「あっ、ロッテントークに行く前にはまた教会に顔を出してくれや。どこでも良いからよ」
「わかりました。お二方とも色々とありがとうございました。頑張ってみます」
「ええ、気をつけてね」
お二方に挨拶をすると、カマック様が指を鳴らした。
パチンッ、と言う音と共に私は現実世界に戻っていたようだ。
目の前にはまたガラス一面の海原。
あれだけ話していたのに、先ほどと全く変わっておらず誰もいない教会。
精神だけ呼んだって言ってたから、時は止まってたのかな?
二つの石膏像に挨拶をして、教会を後にした。
日本に帰れない事を知り、絶望するかと思いきや、次の目的が出来た。
加護なしの境地から救って下さった神様のお願いを断るわけにはいかないからね。
まずは、ケージさんとラミーさんに合流して話を聞こう。
ただ、何故知ってるのかと言われたらお告げがあったと素直に言おう。
信じてもらえるか分からないけど。
それからラミーさんの家族を救う。
よし、やるぞ!




