表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/8

アメリア合州王国

 United Kingdam of Ameria、略してUKA。

 アメリア。それは第1次世界大戦で多くの利益を得て大躍進したこの世界における覇権国家と言える国家である。


 日本国は一番最初の外交相手としてアメリアを選んだ。もちろんこの世界において最大の経済大国である事もあるが、そもそもアメリアはかのアメリカ合衆国を思わせる国家である。


 だが、本来のアメリカ政府ではないものの、日本国に亡命政権と言う形で置いてあるグアムの臨時アメリカ合衆国政府があるため、そんな事はおくびにも出さず経済的理由と国際政治的観点から交渉することととした。


 アメリア政府は日本がおおよそ未来よりやってきた国家だという事を把握すると、グアムに存在するアメリカ政府に接触する。


 アメリアに帰属しないか、と。もちろんアメリカ政府は相手が何を狙って接触してきたことを把握していた。


・アメリアはあわよくばと、日本に居る自衛隊に対抗できる在日米軍を使って日本と事を構える気である。

・もしくは、アメリアは在日米軍により日本を占領し先進的技術を収奪する気である。


 そのことを把握したうえで、グアム当局はその申し出を断った。まず、グアムにおいても在日米軍においても白人だけでなくアジア人やヒスパニック系、黒人等様々な人種が存在する。そのような状況で白人が絶対的な権力を持つアメリアに帰属することは、双方特にならないと思われる。

 また、感情的にもそのようなことは不可能である。


 そもそも、そのころは日本が石油確保に動いていた時期で在日米軍はどこもかしこも石油が枯渇状態で物理的にも不可能な状態であり、米軍のあんちゃんはみんな基地近くに作った畑を耕していたことからもお察しである。


 おおよそその情報からアメリア政府のブレーンが下した判断は、とりあえず対日路線はこちら側に経済的利益がある限り表面的には友好を示すべきである。混乱しているとはいえ、日本の経済力は我が国より多く、対立した場合経済的報復がされるか軍事的対立にまで発展した場合我が国は一週間で占領される可能性がある。


 対立をあおるよりは経済的に結びつきを強め我が方に付かせれば、相手側からは対立はしないだろう.


 斯様な分析をもって、アメリア政府は情報収集を兼ねて日本の州首都兼連邦首都の東京に大使館を置き収集を行う。


 そしてその後に行われた日本との協議で通貨取引協定が結ばれ、通商が始まった。


 日本が欲したのは鉄鉱石や石油といった資源、食料などであった。


 食料はある程度日本の自給率が高くなっているが、家畜などの飼料や、日本の食卓から消えた小麦等を使用したパンを復活させる目的であった。


 アメリアは第1次世界大戦後に発生している食料供給過多に対応するた輸出を許可した。


 対価として日本はエアコンや冷蔵庫などの白物家電製品が提案された。


 東京を訪れていたアメリカの大使就任を兼ねた交渉団の中に居た、特に交易に関わる企業の人間はこの受諾を政府に要請し、貿易が始まる。


 なお、輸入された白物家電をコピーしようとしたアメリア電気企業は勝手にリバースエンジニアリングでコピーしようと考えたが、まずそもそも生産できない、この世界においてどのような機能を持っているのかが理解できなかった物(電子的部品等)が搭載されていたため、開き直って日本企業から堂々と輸入し始めた。


 なお、アメリアは日本の他に有り余る生産力を消費する場として中国を考えていた。きっかけさえあれば、中国に介入して中国を切り取ると森なのである。


 次に日本国が交渉を始めたのは大英帝国だった。


 日本の領域内における石油の生産はある程度存在するが、リスク分散という形で石油輸入を行っている。魔法の存在で石油に関する優先度は低めであるが、戦略資源である石油は重要なのだ。なお日本は魔法の工業的利用の確立によって石油消費量が以前の1/3ほどに減少している。

 

 世界大戦の終結で国力の低下していたイギリスが欲したのは現金であったが、ある程度は融通するが安易な金の取引は危険だとして国際協力の錦の御旗のもとでスエズ運河の代整備やオーストラリアの鉄道や港湾などを代表としたインフラ設備の大投資を行う事とした。


 インフラ設備の投資に関しては日本にとっても利益になるような物であった。インフラは長周期的な物であるので投資額とその輸出入に対して策定が行われた。


 日本と大英帝国の交渉において問題となったのは、海軍軍縮条約と日英同盟、国際連盟であった。


 国際連盟に関しては、大日本帝国の債権と権利を引き取り、入れ替わりとなった。日英同盟は極めて複雑な問題であるとして棚上げ。問題は海軍軍縮条約である。そも、63000トン級の空母が艤装され就役済みであるが、できている者は仕方ない。がそもワシントン軍縮条約には圧倒的に超越しているし、自衛艦隊の護衛艦も英訳はDestroyerの癖して9000トンクラスとどう考えても軽巡クラスの奴が居るわ、そもそもほとんど空母だよね?と言えるようなヘリ搭載護衛艦もいるのだ。


 どうするよと思う大英帝国政府だが、もう思考放棄。とりあえず派手な軍拡はせぬようにとの事で落ち着くはずだったのだ。


 そう、はずだったのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ