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閉路  作者: 一稀美
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酔い

お久しぶりです。switchが手に入りずっとどう森をしてたらこんなにゆっくり投稿になりました。

この回は少し恋模様を描いてしまいました。最後にチョロっと次回に繋げることを書いてるから次はシリアスな内容にしようと思います。

マサキがほんとに私のタイプすぎて。。!!

ただ今の時刻は午前一時。遅いといえば遅い時間。良い子は充分寝てる時間だし、落ち着いた大人は家の仕事なんか終わってホッと一息お茶なんか飲んでる時間。それが飲み会で言うと……酔いもグデングデンに回ってきてしらふの人には居ても立っても居られないカオスな空間になる時間にもなりうるのだ。この前のお誕生日で晴れて二十歳を迎え合法的に(といっても法律なんかないこの時代だけどさ……一応昔の名残でお酒は二十歳からっていうのは暗黙の了解になっている。)お酒が飲めるようになったマサキ達5人。皆初めて飲むお酒に当然のことながら完全に呑まれてしまってるのでした。


「でさぁ~さくらちゃんはどう思う?」

「え……なんの話だっけ??」

「だからぁ白雪姫とシンデレラどっちが幸せだと思うぅ?」

ひゃぁまたこの話かぁ。ちなみにこの質問はこれで10回目。最初は真剣に考えながら答えてたんだけど完全に酔ってしまったモカはどうもあたしの答えなんて全然聞いてないみたいで、同じ質問を何回も繰り返しては、あーだーこーだ言いながら結局一番幸せなのはオーロラ姫だっていう言う結論を自分で導き出しちゃうの。そんなこんなしてるうちにモカはまたグラスを1杯開けてしまった。

あたし達の隣でチヒロは腹筋と背筋と腕立て伏せを繰り返してるしユメは笑ってる。いつもはクールで大人っぽいユメからは考えられないくらいゲラゲラって……檸檬がすっぱいのがツボみたい。

で残りの2人。マサキとルカは何故か分からないけどめちゃくちゃ突っかかり合っていた。あ、いつの間にか討論を超えてほぼ喧嘩になってるみたい。


そろそろお開きにならないかなぁ。


「あぁ?ルカにはやらねぇ~よ。」

「貰いたいなんて言ってないし。仮に欲しくてもどうしてマサキの許可がいるんだよ。」

「そうやって興味ない素振りなのがむかつくんだよ。俺のライバルだって認めれって言ってんの。」

「ふざけるなぁ!そんな非合理的なことをこの僕が!」

「人間の感情に合理性なんて求めるな。いいよじゃぁ、これが馬鹿げた考えって言い張るならぜってぇ後から言ってくるなよ。」

「ふん。くだらない。」

「くだらなくて結構。俺はそのくだらないことに全力注ぐから。」


ひえぇぇこの2人。めちゃくちゃに酔っぱらって視点も定まってないくせにすごい言い合いしてる。酔っぱらいの喧嘩なんて手に負えないし!!!


「……よねぇ。ねぇさくらちゃん聞いてるぅ?」

「ん。聞いてる聞いてる。」

「ふふっ。ところでさぁ~白雪姫とシンデレラどっちが幸せだと思う?」


・・・。決めた。もう絶対あたしが飲めるようになるまでこのメンバーでお酒なんか飲むもんか。絶対。

はぁぁとため息をつきながら部屋をぐるっと見渡す。改めて考えてみるとあたしってすごく不思議な人達と知り合ったんだな。この輪の中にあたしが入ってるなんて本当に不思議。

それよりもなんだか凄く眠たくなってきた。今日は皆ここで雑魚寝かな。お布団ひかなきゃ朝身体バキバキに痛くなるのに。

「……オーロラ姫もさぁ……」



ドカッ!!

……いたた。だぁれかあたしの頭叩いたぁ~~。ん~~起こさないでよぉ。眠い目を無理やりこじ開けると横にはマサキが寝ていた。あたしが寝てる間にお開きになったんだ。

ふふ横にマサキが寝てるなんて。あたしだって恋する乙女だもん。雑魚寝してるんだからどさくさに紛れてマサキの方向いて寝ちゃってもいいじゃん~。

寝ぼけたあたしの頭はこんな下心を露わにしていた。マサキの顔を眺めながらちょっと心が熱くなってドキドキしてたけど結局あたしは睡魔に勝つことが出来ず再び深い眠りに誘われてしまった。


一方寝顔を熱く流れられてたマサキはというと、実は寝てなかった。正確には元々寝てたけど、寝ながら伸びをしたらさくらにあたってしまいその時に起きたというのが正しいのかな。とにかくさくらが自分のことを見ながら再び寝ようとしてるのに気づいてた。あんまり見られるもんだから恥ずかしくて桜が再び寝るまで寝たフリを続けてたってわけ。


……寝たかな。

マサキ、心の中でそう呟いてうっすら横目を開ける。スースー寝息をたてて柔らかな寝顔をこっちに向けてるさくら。そろりと体制を変え頭を優しく撫でながらマサキが小さな声で呟く。

「好きだよ。さくら」


俺はさくらが好き。あの4人はずっと一緒にいる家族で大切だけどそれとはまた違う感情をさくらには持ってるんだ。今この瞬間この寝顔を独り占めしていたい。生まれて初めての感情だけど多分恋なんだと思う。

そんなことを想いながらマサキはさくらの手を握りながらゆっくり目を閉じた。


そんな2人をルカが見てた。ルカは初めから寝てなくてずっとぼーっと考え事をしてた。酔いが回って建設的な思考にはなれなかったけど。


……なんだよ。好きって。

なんで僕の心はこの2人をみてこんなに痛くなるんだよ。

数時間前お酒を飲みながらマサキに僕がさくらを好きなんじゃないかと言われた。そんなはずないって無性に腹が立ったんだ。だって僕の人生で恋なんて非効率的なことがあるはずないから。そんなこと時間の無駄使いだと信じてきたんだ。なのに。なのになんでこんなに胸が痛いんだ。


外は寂しく2人を見つめる一人の男を慰めるように静かに雨が降り始めた。


さくらは深い深い眠りの中で夢を見た。よりによって過去の世界に行く例の夢を。よりによってマサキに手を繋がれている時に。

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