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閉路  作者: 一稀美
12/31

ゆめ

私ストーリーの初めと結末しか考えてなかったことに気付いて今必死で考えてます。

さくらにはまだまだこれからも色んな体験してもらおうと思ってます。

私事ですが最近お昼までずっと寝てます。寝るのっていいですね。

避けられてる。避けられてる。絶対避けられてる。

誰が。あたしが。

誰に。ルカに。

なぜ。思い当たらない事がないではない。でもそれの場合加害者がルカで被害者があたしのはず。つまり避けるのはあたしでないとおかしい。じゃぁなぜ避けられているのか。どんな理由であれ避けられるのはいい気がしないから、敢えて近づいてみたりするんだけど。ルカあたしの視線に気づくとすぐそっぽを向いちゃう。あたしに授業をする時の先生は基本ルカって決まってるから一応教えてくれるんだど絶対目を合わしてくれないの。そ、そりゃあたしも不覚ながらファーストキスがルカで終わっちゃったことはすごくショックだったけどもう特に何にも思わないっていうか、過ぎてしまったことは仕方ないというか、むしろ乗っ取られずに済んだんだからよかったとまで思ってるのに。あっほら、また目逸らされた。はーーぁあーーあ、こんなに避けられてちゃ気まずいよぉ。


慌ただしかった催眠術事件も無事終わり。何日かの説明によりあたしもあの日どういう情報が得られたのかも大体わかってきた。(一人称があたしだから分かりにくかったと思うけど催眠術にかけられていたのでさくらにはその間の記憶がありません。悪しからず。)1000年の素晴らしい文明の数々は一瞬にして消えた。その理由も時期もわからない。ただ500年以上前ということは確か。らしい。ふーーん。よく分からない。なんのためにご先祖さまは長年培ってきた技術と進化を捨てたんだろう?何から逃れたかったのだろう?ずっとずっと進化を続けていたら今頃どんな生活だったんだろう?分からない。けどすごく気になる。そういえば最近身体がだるい。催眠術の後遺症かもしれないけど霊に乗っ取られた訳じゃないから後遺症なんて起こりそうにないってモカは言ってたから単に疲れてるのかしら。処理しきれない程の情報を毎日必死で覚えてるからかな。なんだかすっごく眠たいわ。最近お昼寝してなかったし。ちょっとだけ寝よっかな。1時間もしたらチヒロが畑仕事しに行くのにあたしを誘うと思うから起こしてくれるよね。ちょっとだけ。ちょっとだけ寝よっと。


身体が重い。あと少しで完全に寝落ちしそう。あぁ起きたくないこのまま寝てたい。はぁーあ眠たい。


・・・・・・げろ・・・逃げろ・・・・・・


ん?しずかに〜〜ねむたいの〜ふぁ〜ねそう……


目が覚めた。

あれ?ゆめ?ここはどこ?

そこは全く知らない場所だった。知らない場所にあたし立っていた。歩いた記憶も外に出た記憶もないのに。目を開けたら知らない所で1人で立っていた。なんなのこれは。

何も出来ずに立ち尽くしてるあたしの傍を何かが通り抜ける。

「危ねぇだろ気をつけろ!!」

おじさんが何やら大声をあげてあたしを怒鳴る。

「すみませ……きゃ!」

今度は女の子3人組とぶつかる。痛てて。コケちゃった。あーん擦りむいてる。

あっ…と、とりあえず動かないと。動けない。足に力が入らない。なんなのこれは。どこなの。怖い。やだ。

みんなあたしの事をジロジロ見てる。不信そうな眼差しで。

これは何なのか。あたしは知っていた。数ヶ月前のあたしは100%知らなかったけど今は分かる。全部習ったもの。

あたしの周りにずっとそびえ立ってるのはビル。あたしの横をすり抜けて行ったのは自転車。向こうに見えてるのは車。バス。皆が手に持ってるのはスマホ。あのビルの上に付いてて映像が流れてるのはテレビ。ゴゴゴゴゴって定期的に音を立ててるのは電車。新幹線かもしれない。これは1000年前の地球。ううん、もしかしたら本来の地球。あたしは全部見たこと無かったから、5人の話を聞いててすごく憧れてたんだけど、思ってた以上。思ってた1万倍も1億倍も圧倒される。これが本当にあたし達の住んでる地球?

大きく深呼吸をして勇気をだして立ち上がる。何とか1歩。前に一歩出したその足が地面につこうって言う時視界が、あたしの頭がぐにゃって回って。その世界は崩れた。


「……くら?さくら?さくら??おい!大丈夫ですか?」

誰かがあたしの肩を小刻みに叩く。ルカ。目を開けると心配そうな顔をしたルカがあたしの顔を覗き込んでいた。あ〜すっかり寝てた〜え、なにこの汗。自分自身の出した汗に戸惑ってたらルカがタオルを渡してくれる。

「すごくうなされていたから…多少心配になっただけで」

罰が悪そうな顔でまた目を逸らす。でも心配してくれてたのがすごく伝わって、ルカって不器用なんだなぁって少し好感度がアップした。ねちっこくて早口で小心者で失礼でガリガリだけど人は悪くないんだなぁって。それにしてもどうしてあたしこんなに汗かいてるんだろう。何か夢で見たような。何か確かみたんだけど。時計に目をやると寝てたのはほんの10分だけ。うとうとしただけだったかなぁ。


「よいしょ」

立ち上がろうとして膝に手を置く。怪我。あたし膝擦りむいてる。

どうして?

心臓が早くなっていくのが分かる。呼吸も荒くなっていく。

綺麗で透き通った水に墨汁を垂らす。混ぜれば混ぜるほど透明だった水が渦を巻いて黒くなっていって最終的に黒くなるように、何も覚えてなかったあたしの頭の中に鮮明と思い出される夢。

ビル。自転車。スマホ。テレビ。車。バス。怒ったおじさん。女の子3人組。膝にできた擦り傷。


思い出した。夢を見てたんだ。過去の。本来の姿の地球の夢。

夢のはずなのに。夢でないとおかしいのに。ねぇ。ねぇ。

涙まででてきた。あたしの考えてることが本当であるのを肯定するような涙。あたしに何が起きたのよ。ねぇ誰か教えて。

とめどなく流れる涙にルカが戸惑う。何も出来ずにただあたしを見つめる。


怖い。あたし自身に起きてる事なのに分からないから。怖いの。落ち着けあたし。何かの間違いよ。ただたまたま擦り傷が。涙止まってよ。怖くない怖くない。怖いんだってば、ねぇ。


ふわっ

瞳に涙が溜まって目が開かないけど。マサキ。マサキがあたしを抱きしめているのが分かる。強くもなく弱くもなくちょうどいい力であたしが泣き止むまで抱きしめてくれる。小さい子をあやす様に。


目を開けてみる。やっぱり彼が。なんにも言わなくていいよって顔でうっすら微笑んでる。もう涙は出てないけどもう一度だけマサキの服を掴んで顔を埋めてみた。

傍には困ったようにうっすら切なげな表情をしたルカがあたし達を見てた。

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