初めてのスキル
ピロリーン
突然頭の中に不思議な音が鳴り響いた。
衝突の衝撃なのか体がすごくだるいと言うか痛い…シートベルトはしていたがあれだけの衝撃だ。
しかし奇妙なことにエアバッグが作動していない…あれだけの衝撃なのに…本当にこのトラックはどうなったんだ…
目の前のオークはピクリとも動かない、そして訪れた静寂。気がかりなのは奴が本当に死んだのかだ…この奇妙な音は無視することにした…
俺は恐る恐るトラックから降りる。オークは木とトラックとの間に挟まりプレスされていた。
「うっ…こういうの初めて見るけど気持ち悪いだけで吐きはしないんだな…」
俺は落ちている棒を拾い奴をつついてみた。
「本当に死んでるんだな、そりゃそうか…こいつがいくら化け物でも8トントラックに轢かれたらひとたまりもないだろう。」
トラックの方のダメージはと言うと意外なことにフロントバンパーはひしゃげて取れかかってるけど液漏れは確認できなかったのでさほどではないらしい。その証拠にエンジン音は正常だ。
「あっ、そういえば、オークが抱えていたあの二人は……。」
必死に探した結果、二人は草むらに横たわっていた。体のあちこちに擦り傷が出来ているがどうやら大きな怪我はないようだ。呼吸もしっかりしている。
「どうなってるんだ…オークの次は、獣耳の人間…まるでファンタジーの世界だな。少なくともここは日本ではなさそうな気が……。」
そう、二人のうち背の高い方の女は獣耳をその茶髪の中から覗かせていた。
もう一人の方には獣耳はなかったが、外国人のような金髪に幼い顔立ちでまだ子供のようだ。
「とにかく二人をどこか安全なところに寝かせないと…あのトラックの中がいいかな。」
トラックはの荷台は施錠もできるし獣程度が来たところで開けられはしないだろう。
慎重に二人を運ぶ…かなり軽いな…着ている服も麻で出来ているのかかなりボロい。
ここが俺の考えるファンタジーの世界ならばこの二人は奴隷か何かか…?
「よいしょっと。とりあえず荷台でおとなしく寝ててくれ。傷の手当てをしたいんだがそんなものはないしなぁ…。」
これからどうするか…考えごとをするためにトラックの運転席に乗り込んだ………目の前のオークの死体がすごく不気味だ。エンジンは無事だからバックで下がろう。
ピッピッピー
後退音を響かせながらバックで下がるとオークの死体がドシンと崩れ落ちた。
「ふぅー、とりあえずは一安心だな。うん…?なんだこのアイコンは?いつからこの車はタッチパネルなんて導入したんだ?」
さっきはオークに注意がいって気がつかなかったがフロントガラスの上部に白いアイコンが浮かび上がってた。
「変だなぁ…でもこんな如何にもなマーク…押してみるしかねぇよなぁ!」
ポチッ
その瞬間フロントガラスいっぱいに文字が浮かび上がった。
「なんだ…これは…今度はSFみたいにデータが表示されて……」
〜ステータス〜
真
HP
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MP
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スキル
トラックドライバー
トラック
HP
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MP
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スキル
トラックトラッカー
自己回復
土魔法