俺inトラブル
ガサガサッ
ガサガサッ
ガサガサッ
なにかが動いている…この状況で考えられるのは野生動物。
一番嫌なのはイノシシや熊だ。人間が素手で勝てるのはせいぜい中型犬サイズレベルの動物だと言われている。おまけに足元は草ばかりで非常に動きにくい。
「狸や鹿とかなら良いんだけど…この場合、大きな声や物音で存在をアピールした方がいいのか…?」
既に手遅れの気がするが物音で奴に俺の存在を知ってもらうことにした。
「うーん…何か音が出るもの……あっそうだトラックのクラクションがあるじゃないか!」
俺は早速トラックに乗り込みクラクションを鳴らした
プーーープーーーーーー
どうだ…気づいてくれよ…
ガサガサッ
ガサガサッ
ガサガサッ
どうやら逆効果だったようで奴は目の前の草むらから姿を現した。
「な、なんだあの化け物は…」
第一印象は緑色の肌だった。そして…
「なんだあの顔…あれはアニメとかで登場するオークじゃないか…」
そいつはボロい腰布を巻き右手には棍棒を持っていた。もう片方の手には…
「あれは…人か…?」
オークは人間らしきものを二人ほど小脇に抱えていた。二人は気絶しているようでぐったりしていた。
あれはどう見ても有効的な感じじゃないよな。棍棒振り上げてブモブモ言って威嚇してるし。
幸いにも奴との間には20メートルほど距離があったし俺はトラックの中にいる。
でも奴は俺に気づいているしこのまま穏便に済ますわけにはいかないみたいだ…それに…
ブモオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!
奴が二人を横に捨て雄叫びをあげてこちらに走り出してきた。
このとき俺普段では考えられないくらい驚くほど冷静であった。まるで機械になったみたいに…
ブオオオオオオオオオン
俺はシートベルトを締めてアクセルを全開にし、前方から接近してくるオークに向かって全速力で突っ込んだ。
ドゴォォォォォォ!!!
鈍い音を立てやつは俺のトラックと衝突した。
「ウオォォォォォォォォ!!くたばれえぇぇぇぇ!!」
俺のトラックは木との間にやつをサンドしてやった。
ドゴシャァァァァァ
間近で見るやつの目から光はすでに失われていた……改めて見るとかなり大きいな…身長2メートルは軽くあるな。
その時だった
ピロリーン