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椎香ちゃんへ、知能派イケメンを目指します!

城虎真白、現在小学六年生。身長はまだ伸びません。


「お母様~、髪を短く切りたいです」


ついでに言えば髪を腰まで伸ばしているせいで、女の子っぽさが加速しています。


お母様、僕は男です。


大きくなればゴツくなるので、早めに短く切らせて下さい。


「真白ちゃん、メッよ?将来は長髪が似合う麗人系なイケメンに育てる予定なんだから」


「麗人?」


「そうよ、真白ちゃん。パパみたいなゴリラじゃなくて漫画に登場するような王子様になってね?」


僕のお父様は着ているスーツが始めそうなくらい筋肉隆々な男の人だ。男なら誰でも憧れるパーフェクトボディー!喧嘩も強いからカッコイイよね!


「麗人かぁ~。それじゃあ、僕は知能派俺様になりますね…!」


そう笑顔で答えるとお母様は眼をキラキラと輝かせた…!そして、パンっと手を叩く。嬉しそうだなぁ、お母様。


「いい案ね!いっぱいいっぱいお勉強をして賢くなりましょう…!」


「はーい、お母様…!」


片手を上げて返事をすると、お母様がその手を握ってくれた!お母様の手は柔らかくて気持ちがいい。笑顔で答えながら僕もお母様の手を握り返す。生前の母さんも好きだけど、お母様も大好き…!

この日から僕は敬語キャラになりました。


「それじゃあ、まずは知能派イケメンに必要なものは~?」


お母様が屈んで人差し指を出す。


「メガネ~!」


僕は笑いながら片手を上げて答える。


「偉いわ真白ちゃん!!もう知能派になってるじゃない!他には?」


お母様が抱きしめてくれた!お母様の大きな胸に顔が埋まって苦しいけど、撫でてくれるから嬉しいな!


「敬語~!」


「凄いわ真白ちゃん!よくわかるわね!他には?」


また答えれば、お母様の締め付けが強くなる。喜んでくれて嬉しいけど、そろそろ息が…。


「ふ、ふくかいちょ…」


その時点で気づいてくれたお母様は僕を離してくれた。勢いよく空気を吸うと咳き込んでしまう。


「あらあら、大丈夫!?」


「だ、大丈夫です、お母様…」


また笑顔を作ってお母様の顔を見れば心配そうな顔から笑顔に戻った。

そして、頭を撫でてくれる。


「優しいし賢いし、真白ちゃんはきっといい王子様になれるわよ!」


「はい、お母様!!」


僕は力強く頷いた。

お母様は僕の肩に手を置いて「ジャニーズに入るのもいいわね!」と言ってガッツポーズをする。


他の四聖獣の皆と仲良くなったら誘ってみよう!


「後三ヶ月したら、中学生ね!やっと四聖獣が揃うんだから念入りに準備をしなくちゃ…!」


そっかぁ、もうそんな時期かぁ。

最後に会ったのが小学校に入ってすぐだった。

今頃何をしてるんだろうな~、皆。


「他の子達は初等部から入学をしているから、真白ちゃんが後れを取るけど真白ちゃんはいい子だからすぐお友達になれるわよ!」


「そうなんですか?楽しみです…!」


そうなんだ。なんだか僕だけ幼馴染じゃないって複雑な気分だなぁ。

なんでだろう?


「お母様、何故僕は初等部に入らなかったのですか?」


素朴な疑問に首を傾げるとお母様も同じように首を傾げてしまった。


「お母様にもわからないわ。四聖獣学園は全寮制だから、あの子にはまだ早いってパパが言ってたのよ」


ため息を付いたお母様。

お母様は初等部から入学をさせる予定だったけどお父様に負けちゃったんだ。

僕も初等部から入学したかったなぁ~。

だって、後から行くとコミュニティは出来上がってるし…。


「お母様、お友達になれなかったらどうしましょう?」


そう言うと、お母様はため息を付いてしまった!

まぁ、確かに難しいよねぇ~。


「孤独な一匹狼を目指しなさい…」


こ、孤独な一匹狼…。


「カッコイイですね、お母様!決め台詞は群れることは性に合いません、でしょうか?」


僕はこれだ!と思って両手を握って言うと、お母様は真剣な顔で首を横に振る。


「ダメね。語呂が悪くってよ」


僕は首を傾げながら必死に考える。


「興味ないね」


「スク○ニに怒られるわよ」


決め台詞を決めることがこんなに難しいとは思わなかったや…。

知能派イケメンへの道は程遠いみたい…。



☆☆☆


「旦那様、あの真白様が知能派になるなんて無理です…。お止め下さい!」

「ん?可愛いからいいじゃないか。はっはっはっはっ!」

「旦那様、真白様の将来を考えて下さい~!!」


今日も城虎家は平和です

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