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異世界人生はハードモード! パラメータ?最弱ですが?  作者: 翼の生えてない猫
第一章 転生ものって、なんであんなに上手くいくんだろうね? 絶対嘘だよ……
3/6

『神様の贈り物は……役に立たない』

今回からネタ要素てんこ盛りになってます。うん、多分ウザいレベル()


 さて、ひょんな事から異世界転生を果たしてしまった、そう私です。そして、転生して最初に目が覚めた場所は盗賊のねぐら。更には手を拘束されているという仕様になります。

 初っぱなから、ハードモード過ぎないですかね。嘘だと言ってよバーニィ!

 ところがぎっちょん、嘘ではありません。とりあえず、打開策を考えなければ。手は縛られているから使えないとして、足は使えるから走ることは出来る。一応、それなりに運動神経はある私だから、隙をつけば逃げられるかも知れない。逃げ出すにしても、距離を取らなければならないし、体を捩ってじりじりと距離を取ることにした。

 しかし、向こうにいた盗賊?の一人が立ち上ががって近づいてくる。咄嗟に目を閉じて、体からも力を抜いて事なきを得たが、気配は私の前で止まった。そして、何を思ったか私の体を弄ってくる。


「きゃぁぁ!?」


 突然のことに驚いて、地べたを勢いよく転がって距離をとる。いくら盗賊にしてもデリカシーなさ過ぎるよ! 乙女の体を何も言わずに弄るなんて、何考えてるの!?


「あァ? 気が付いてたのか。そいつは都合がいい」


 向こうで他の四人が立ち上がるのを見た。全員、こっちを見ていてその目は欲望に染まっている。

 そして、私の体を弄った男がズボンのベルトをカチャカチャといじりだしたのを見て、私はこの男たちの目的を理解した。

 嘘でしょ、異世界転生してすぐレ(自主規制)されそうになってるんですけど!? とりあえず、立ち上がって両足で地面を踏みしめる。足を挫いてるとか言うことはなく、走るのは難なくできそうだ。

 ひとまず、盗賊たちに背を向けて走りだそうとして、固まる。その先が崖だったからだ。梯子がかけられているが、今は手を縛られているので使えない。随分下に足場が見えるけど、絶対飛び降りたらヤバい高さだ。


「お前は逃げらんねぇよ。わかったら大人しく、俺たちにヤられなぁ!」


「ぜっったいイヤ!」


 冗談じゃない。こんな所でヤられてたまるか。初めての相手が盗賊、しかも複数にヤられましたとか、何その薄い本まっしぐらの展開。意地でも抵抗してやる。


「チッ、せっかく上玉の女なんだ、傷は付けたくねぇんどけどな……」


「だから、言っただろ。気絶してる間にヤっちゃえばいいってよ」


 気絶してる間にされなくてよかった。そこは、運がよかったのだろう。

 けど、現状全く運がいいとは思えない。まったく状況はよくなってないですし。

 武器も何も持ってない状況で、どうやってもこの状況切り抜けるのは不可能な気がしてならない。


「おらぁ、大人しくしてろよォ!?」


 一番近くにいる男が、振りかぶりながら斬りかかってくる。どうやら、少し傷をつけるぐらいのことはするつもりらしい。いや、下手したら殺されるかも。


「ひゃぁ!?」


「動くなって、言ってんだろ!」


「言ってないよねぇ!?」


 振るわれる剣を何とか躱す。でも、進路は他の男に塞がれていて、あっと言う間に壁際に追いつめられる。


「おら、観念しろ」


「くぅ……」


(何か、何かない? 異世界転生なんだから、何か特典的な物があるんじゃないの!?)


「あーあ、最後まで抵抗するか。しゃーねぇな」


 そして、無慈悲に刃が振りかぶられ、振るわれようとした、そのとき。

 突如として、光が洞窟を明るく照らした。どうやら、光の大元は私の右手らしく、ブチブチと手を縛っていた紐が引き千切れる。自由になった両手を前に持ってくると、右手が光の粒子に覆われている。

 粒子は集まり、一つの形を作り出しす。腕が純白の装甲に覆われ、更にその外側を巨大な装甲が覆っていく。形成はそれに止まらず、腕を延長するかのように、巨大な板状のものを形成していく。

 そして、粒子が完全に『それ』を作りだし、光が消える。焚き火を反射し、鋭い光を放つそれは巨大な剣だった。装甲ごと、右手に直接繋がれている。


「な、なんだそりゃぁ!?」


 私はその剣を勢いよく地面に突き立てた。

 ───いや、正確には地面に引っ張られたので、その力に従った。わかりやすく言うと、つまり……


(重っ……!?)


 当たり前ではあるが、巨大ゆえの超重量である。地面に突き立てたはいいけど、重すぎて微塵も動かないんだけど、これ。どうしろと? これでどうしろと?

 …………作戦変更、プランBでいこう。


「ふぅ……さて、いいように扱ってくれたみたいだけど、ここまでだよ」


「な、何ィ……!?」


「貴方たちは、私を舐めすぎたんだよ。私に切り刻まれたくなければ、今すぐ消えて」


 そう、ハッタリです。巨大な剣に驚き、ビビってる今なら何とかなるはず! ……なるよね?


「今ならまだ、逃がしてあげる。貴方たちも死ぬのは本意じゃないでしょ?」


「ぐっ……」


 後ずさりする盗賊たち。よし、いける! 後一押し!


「10……9……8……」


「お、おい! 逃げようぜ!」


「そうだよ! あの剣、よっぽどの業物だ!」


 取り巻きと見られる男たちは逃げることに賛成らしい。しかし、リーダー格の男は未だに決断出来ないらしい。


「7……5……6……」


「は、はやく! 逃げないと!」


「……れるか……」


「あ、アニキ……?」


「逃げられるか! こんな上玉、そうそう居ねえんだぞ!? それがすぐ手の届く場所に居るんだ! ここまできて逃げられるかよ!!」


 うん、間違いなくすぐ死ぬモブキャラのような台詞。この後、返り討ちにあってポックリでしょ。知ってるとも。

 相手が、私みたいな弱い人じゃなければねぇ! そこは逃げようよ! 空気読め!!


「おら、囲め! どんな業物だろうと、数の暴力があればどうって事ねぇ!」


「お、おう!」


「…………」


 私は無言でだらだらと汗を流す。作戦本部、プランB失敗です。


「に、逃げなくていいの?」


「一生に一回あるかどうかだからなァ! ここで命はらなくちゃ男じゃねぇ! 殺してでもとっ捕まえるぞ!!」


 大変男らしいですね、悪い意味で。っていうか、殺しちゃったら当初の目的達成出来なくなますよー……?


「行くぞオラァ!」


「わあぁぁぁ!?」


 刃が髪を掠める。咄嗟にしゃがまなかったら、首を断たれていた。本気で殺す気になったらしい。ハッタリが逆効果!

 そんな風に振るわれる剣を、間一髪で躱していく。右手が動かない状況で、我ながらいい身のこなしだと思う。そんなことを数回繰り返し、


「……テメェ、まさかそのでっかい剣、使えねぇのか?」


「な、何のことかなっ!?」


「図星ってか……おい、野郎ども。とっ捕まえんぞ。縛り上げて、犯しちまえ」


 ついにバレました。

 おう、と返事をして男たちがにじり寄ってくる。

 ああ、もう! スタート地点がおかしいし、神がくれた特典は重すぎて役に立たない。とんだクソゲーだね!?


「いい加減に……しろぉ!!」


 一歩、足を踏み出す。体を捻り遠心力を利用し、持てる力をすべてを込めて、剣を引き抜こうとする。

 剣がキィンと音を立て、同時、刃にわずかな燐光が灯る。右肩に左手を添え、更に力を込める。


「うあぁぁぁぁ!!」


「うぉっ!?」


 そして、剣が抜ける。

 勢い全てが乗った剣身は円を描き、纏う燐光がその軌跡を照らす。

 ある者は剣が半ばからへし折られ、ある者は切っ先が肌を凪いだ。

 必死の反撃に、油断していた盗賊たちはもれなく全員尻もちをついた。

 しかし、ここにも神が授けた特典に罠があった。その重さゆえに、剣が私を振り回した。

 体が浮く。与えた力に体が抗えなかったのだ。

 突然のことに、反応する隙もなかった。浮いた体は曲線を描くように、綺麗に崖の上に躍り出る。


「あっ…………」


 その声が最後、私の体は重力に引かれて……


「きゃあぁぁぁぁぁぁぁ!!?」


 そして、意識が度切れた。


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