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銀色の球体

2017年5月18日17:35


加島はビジネスクラスのチケットを購入していた。

おそらく、現在俺の後方に座ってるはずだ。


ここで襲うのもありだと思ったが、

やはりリスクが大きすぎる。

もっと確実な方法でないと。


まず、狙われている、と言っても俺のせいなんだが、

セスを飛行機が付く前に移動させないといけない。


セスに電話をする前に、

俺の会社のニューオーリンズ支社で働く貝沼というものに電話で起こし、

支社にある俺専用オフィスの金庫からあるものと、

俺の車を持ってくるように言った。

さらにヘリのチャーターを頼んだ。


ニューオーリンズ:2017年5月18日05:37 (日本:2017年5月18日20:37)


現地時間で朝の5時になるまで待ってセスに連絡を取った。

少し不機嫌なセスにはかなり美味しい業務提携の話をした。

急な投資と買収でセス・グループと共同でという話をでっち上げた。

そして、現在そっちに向かってる旨を伝え、

会社ではなくどこか、

空港から車一時間くらいの距離にセスが所有する家などがあれば

そこで二人だけで話し合いをしないと提案した。

出来るだけ人目につかないような家がいいと加えた。

さすが、ビジネスマンとでも言うか、

すぐに決断し、彼が持つ郊外の別宅で落ち合うことになった。


そして、秘書にはウェーンウッドというライバル会社の重役に会うと言うようにお願いした。

俺の名前を出さないことが今回の共同出資にとって重要な条件の一つと付け加えた。


ニューオーリンズ2017年5月18日09:55 (日本:2017年5月18日24:55)


貝沼と合流し、金庫から持ってきた小さなケースと俺の車のトランクにおいてあった荷物を受け取り

そのままチャーターしたヘリで飛んだ。


2017年5月18日10:45


セスの別宅に到着した。

セスに案内され彼の別宅のゲストルームに入った。

出来れば誰にも聞かれたくないということでボディガードの二人には

外にいてもらうことにした。


話を始める前にお手洗いを借りたいと言って、

玄関に行きコブシくらいの大きさの銀色の球体を設置し、

お手洗いに行き、持ってきたケースからリモコンを取り出した。

そして付随のカプセルを飲み込んだ。

小さな操作パネルがついたリモコンを設定し

ボタン一つで球体が起動する状態にした。


2017年5月18日10:56


ゲストルームに戻り、セスと商談の話を進めた。

まあ、万が一今何も起こらない場合に備えての商談なので、

多少の損を覚悟してセスにとって魅力的な内容の話をした。

そして、大まかな日程について話を進めてる時、

外から銃撃が二発聞こえた。


一瞬のことだったが、一瞬で二発、おそらく一人に一発ずつ。

間違いない加島だろう。

素早く地面に寝そべり、ポケットからリモコンを出し銀色の球体の起動ボタンを押した。


ドアが破られる音がする。

セスが動揺した様子で何やら、目的は何だ、お金なら払う等のことを震えた声で言ってる。

次の瞬間また銃声がした。おそらくセスが撃たれたのだろう。

さらに何発か銃声が聞こえた。その直後、何かが床に倒れる音がし物静かになった。


おそらく加島だろうが、慎重に間を置き

ゆっくり、顔をソファから出すと、

加島らしき男が倒れているのが見えた。

左腕に時計が巻かれている。


急いで立ち上がり、加島の腕から時計を奪い、一ヶ月ほど時間を巻き戻した。


2017年4月19日19:46


レストランで食事をしている。

携帯を見ると2017年4月19日だ。

無事戻ってきたことにほっとした。

すぐに慎也に携帯でメッセージを残した。

このメッセージは送り主と受け取り主が特定されない特殊なルートを介してる。

エルマが作ってくれたものだ。


2017年4月19日21:27


時計がおいてあるオフィスに行き、慎也に会って事の顛末を教えた。

まあ、慎也はほぼ何も知らないし関わってないんだが、

これからの事もあるので詳しく詳細を伝えた。


時計の新しい置き場所とセキュリティーの強化などの対策を考えようということになった。

とりあえずは俺が持つ不動産のビルに強固な金庫ありが、そこにしばらくの間時計を補完しておくことにした。


「その新兵器をあとでみせてくれよ」


「いいけど、特に面白いものでもないよ。動物が吸い込むと一瞬で気を失うだけだから。まあ、ある薬を摂取していれば気絶しないんだけどね」


銀色の球体の正体は、昔、20年くらいの未来で俺の会社が開発してた薬用型ウィルスの開発中の失敗作として出来たものだったのだが、今回のような場面で使えるかもとレシピを暗記して、

今の会社でプロトタイプを何個か作ったものだ。

ウィルス型兵器みたいなものだ。

無風状態で拡散範囲は半径10mくらいで10分くらいで空中の物質は消える。

超速攻性で吸い込んだ生き物は一瞬で気を失う。

気を失った人間は10~40分くらいそのままになる。

商品としては使えるようで使えない微妙なものだ。


加島に関しては、かなり危険な人間性なので

逆恨みを回避するためにリストラにはしなかったが、

1年後くらいに強盗で捕まった。

結局、犯罪を犯してしまう人間だったのだ。


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