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加島修という男

2017年5月17日


今、俺がクビになった要因を作った男のオフィスにいる。

平野信也という男だ。俺が働く会社がこいつの会社に買収され、

人為削減で俺はリストラされた。

30代で巨万富を手にし、貧しい俺たちみたいな人間の人生で遊ぶクズみたいな男だ。

何の落ち度もないこの俺がクビになったのだからな。


怒りが収まらず、彼のオフィスに強盗しに入った。

ネットで平野信也という男を調べ、手に入れた住所だ。

自宅は見つからず、本社らしきビルも常に人がいて侵入は出来ない。

このビルなら侵入が可能だった。非常用ドアからなら誰にも見られない。

マスクとフードで顔もバレないようにした。

金目の物や大事な仕事の書類などなんでもいい。

俺を怒らせたことを後悔させてやる。

我慢出来ない怒りがこみ上げてくる。


オフィスの書類や引き出しなどを漁ってみたが、

目ぼしいものは何もない。

さらにオフィスの中を調べてると、

壁に継ぎ目があり、出っ張りに手を掛け引っ張ると、

如何にもな金庫が姿を現した。


警備会社で金庫専門だった俺なら時間をかければぎりぎり開けられる。

リュックから道具類を取り出し、さっそく作業とりかかる。


2017年5月17日04:13


5時間ほど経ち、ついに金庫のドアが開いた。

開いた瞬間アラームがなり始めた。

慌てて金庫にあるものをリュックに押入れる、

そして道具をしまおうとしているとオフィスの外から足音がした。

くそっ、間に合わない。オフィスのドアを開けた警備員を突き飛ばし、顔面を3,4回殴り、

急いで非常口階段から逃走した。


帰宅した俺は金庫から奪ったものを確認する。

何やら価値のありそう書類が何枚か、

古びた掛け時計、小さな手帳、そしてお金が500万円ほど入ってる。

へっ、これならしばらく遊べるな。


しかし、オフィスに残してきてしまった道具類から

俺までたどり着く可能性はゼロじゃない。

くそっ、どこかに逃亡するしかないのか。

手帳の中身を見てみると、

意味不明な文字列と平野信也の家だと思われる住所が書いてある。

こうなったら逃亡する前にこいつを殺して破滅させてやる。


掛け時計は短針や長針がむき出しになってる。

金とかで出来てるのか?

指で長針を触ってみた。


ふと気づくとリュックを背負って家の中にいる。

一瞬、よく理解できなかった、自分がした行動を順に繰り返し、

時計の針を巻き戻すことで過去に戻ることに気づいた。

これはとんでもないものを手に入れた。

興奮が止まらない。


そしてこの時計の機能を理解すべきいろいろやってみた。

過去に戻れるのは金庫を開ける少し前までしか戻れなかった。

何度か挑戦したがドアを開けた時のアラームは止められなかった。

おかげであのあほな警備員を何回か殴ることになった。


しかし、こんな代物だ。

すぐにあらゆる手を使って取返しにくるはずだ。

まず出来るだけ盗んだ時の証拠を隠滅し、

これを俺のものにしなければ。


まず、平野信也の自宅に向かった。

もうすでに物々しい警備になっている。

とても俺一人ではどうにもならない。


もう二日ほど様子を見たが、

警備の厳重さは変わらない。

そして、家に警察官も来た。

現場に残ってる証拠から俺までたどりついてしまったんだ。


こうなったら時計を手に入れてすぐに平野の自宅を襲うしかない。。。


2017年5月17日04:12


金庫が空く直前の過去に戻り、

金庫破りの道具から凶器なりそうなドリル先端を取り、

残りは全て残し警備員に見つかる前に逃走した。


そして、その足で平野自宅に向かった。

この後は、何かあったらすぐに巻き戻せるように時計を左腕にひもで縛り、

すぐに指が届くようにした。

そして、安全を第一に何十回と時間を戻しては襲撃し続けた。

一撃で警備員を仕留めた時だけ前に進んだ。


そしてついに警備員を全員やっつけ、

台所に隠れている彼女らしき女性を人質にし、平野をついに拘束した。

この工程も何回も繰り返し成功するまでやったのだ。

あとは、あとはあらゆる手段で金庫の暗証番号と自宅地下の駐車場ロックの仕方を聞き出した。

時計の簡単なルールなども聞き出した。俺が体験してわかったものいっしょだった。

平野の彼女は時計のことは知らないらしく俺をただ押し込み強盗だと思ってた。


2017年5月17日04:06


時間を戻し暗証番号で金庫を開けた。

その後、一階のロビーの警備室に押し入り、

警備員を脅し、非常階段の監視カメラの映像を見せてもらったが、

外から非常階段に潜入する姿や階段を駆けてる映像が残ってた。

誰とも接触せずにこれらの監視カメラの映像を消すのは難しい。

少なくても今は思いつかない。

マスクにフードだしすぐに俺だとバレることはないだろう。

この辺のことは追々状況をみて考えるしかない


時間を戻し道具などの証拠をリュックに戻し、


その足で平野宅に行き、

駐車場に潜入し待ち伏せした。

そして、朝車に乗り込もうとしている平野を刺殺した。


2017年5月18日07:01


平野の車を奪い、

人気のない適当な場所に車を捨てた。

トランクにはちょうどカジュアル一式ありそれに着替えて、

自宅に向かった。


まだ、他にもこの時計を知っている人間はいるかも知れない。

その時は必至に探してくるだろう。

俺には時計があるから基本不意打ちなどだろう。

俺も細心の注意を払わなければ。

時計は肌身離さず持っておくのがいい。


もし、この時計を知る人間がいなければ、

これからは何でも俺の思い通りだ。

どんな犯罪を犯してもバレれば戻せばいい。

お金だって思いのままだ。

笑いがこみ上げてくる。

もし、時計を奪いに来るやつがいても返り討ちにして殺してやる。

とてつもない解放感だ。

全てを手に入れてやる。


凶器と服を処分した。

服は焼却、凶器は綺麗にした後川に捨てた。

また戻ってやるのも面倒だから、丁寧に何回か過去に戻りながら遂行した。

そして、金庫から奪ったお金豪勢な食事を楽しみ、

買い物などもし、自宅に着くともうすっかり夜になってしまっていた。


2017年5月19日21:22


アパートの階段を上がりドアに前に着くと、

異変に気付いた。

ドアノブを少し回転させて止めてあったが、

元に戻ってる。まあ、誰かの体がぶつかったのかも知れない。

しかし、違うとすれば昨日から考えて俺を見つけるのが早すぎる。

とりあえずカバンの中の時計に手かけながらドアをゆっくりあけた。

真っ暗で中がよく見えない。

すると階段から二人の男が駆け上がってきてこっちに向かってきた。

明らかに俺を狙ってる。


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