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羽のない鳥たちは  作者: ねこまろ
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再会のラベンダー

ふっと、起きた時には車窓から夕日が指していた。

 電車で1時間半かかる通学はもう、4ヶ月経てば慣れてしまった。そして期待してた高校生活が思ってたより残念なことも。

 (そんなこと、うすうすわかってたよ。でも、中学よりもっと何かが変わって欲しかっただけ…。)

 車窓から見える景色はだんだんと田舎に変わって行く。まるで私、菊坂 真白の追憶をする様に…。

 

 _「菊坂さん、いつも普通で羨ましい〜。」

  中学時代、特に仲良しってほどでわないクラスメイトにテストの点数を聞かれ、答えたあとの帰ってきた言葉。

 約75点。テストではいつも平均よりちょっと上をとる。対していい点数でもないのにクラスメイトから”普通”でうらやましがられる。

 成績、4が5つ3が4つ。友達の数7人。 これのどこがいいんだ!

 私の難点。それは取り柄がないとこ。

 人間、一つは得意なことがあるらしいけど私には一つも無いのだ。

 羨ましがる人は全員何かしら持っている。それなのになんで私なんかを理想にするのだろう。

 むしろ、逆にみんなみたいに苦手なことがあるけど、ある部分だけは得意っていう人になりたい。

 

 「私、ただの抜け殻だから…。」

 そう呟いても、車内には気づかってくれる人など一人も居ないわけで。

 

 悔しい。高校に入ってからもこれなんだ。成績は今まで通りだし、すごく仲がいいっていうまでの友達じゃないけどできたし…。

 こんな世界ならいっそ

 

 ”消えてしまおうか”

 

  結局、何も始まらないまま最寄り駅に着き、いつも通り昔なつかしのレトロなバスに乗って帰った。


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