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秩序の魔王の順応性  作者: ARS
強くなるまでに
4/45

勇者召喚

遅れたー!

洸夜が主な視点です。

 俺こと近衛コノエ 洸夜コウヤは今現在理解し難いことが起きた。

 俺達は突然光に包まれて気が付けば大きなホールのような場所にいた。

 そして、全校生徒がいるんじゃないかと思うくらいの人数がここにはいた。


「話を聞いて下さい勇者様方」


 突如としてこのホールに女性の声が響き渡った。

 俺は声の主を見るために周りを見渡すと壇上みたいな場所に立っている少女がいた。

 何か優希がテンプレだとか呟いてそうな雰囲気だった。

 俺は優希に話しかけようと思って周りを見てみるとどこにも優希はいなかった。


 直後、俺は激しい恐怖に襲われる。

 吐き気や痛みが実際はしていないのに起きる感覚が駆け巡る。

 俺はなんとかその衝動を抑えつける。

 まだ、いないとは確定していない、決めつけるのはまだ早いと自分に言い聞かせてこの場を収める。

 前で話している人の話すら聞く余裕すら無くなっていた。


 そうだ、香恋は?

 俺は一つだけ思い出したことがあった。

 香恋もまた俺と同じように依存・・している存在ということを。

 依存?

 そうだ、俺は知らず知らずのうちに優希という存在に依存・・していたのだ。

 俺はやっとの思いで香恋を見つけた。


「香恋…」


 俺は香恋に声をかけると香恋はそっとこちらを向いた。


「洸夜…?

 優…希は….どこ…?」


 その言葉を俺は聞いた瞬間、俺は目の前が真っ暗になった。


 ************


 私は謎の光に包まれた後知らない場所に立っていた。

 私はそれに驚くより前にみんなの無事を確認する。

 洸夜はいた。

 エイナとイリアもいた。

 案外近くにいたので少し安心した。

 しかし、優希だけがいなかった。

 とりあえず、無事だと仮定をする。


「話を聞いて下さい、勇者様」


 ふと、そんな声が響き渡る。

 私はふと声の下と思われる方向を見ると、少し高い舞台みたいな場所に立っている少女がいた。

 優希はテンプレだって言ってそうだな。

 と笑う。

 笑う?

 瞬間私は一つ考えてはいけない方に傾いてしまった。


 ここは異世界という仮定が前提だと私は優希を絶対にこの場所で見つけなくてはならない。

 なぜなら、彼は確実に召喚されたはずだ。

 しかし、いないとなると事故にあってしまったか、そもそも召喚されていないの二択でしかない。

 その考えになった直後私は恐怖に襲われた。

 私自身彼に依存している自覚は前々からあった。

 けれど、ここまで依存しきっていたのに初めて気が付いた。


 私は必死になって周りを見渡し優希を探す。

 少女の言葉に耳を傾けているヒマはなかった。


「香恋…」


 私は突然呼ばれて振り向くと洸夜がいた。

 彼なら分かるのではと勝手な思いを私は巡らせてしまった。


「洸夜…?

 優…希は…どこ…?」


 そう、私は失敗したのだ。

 彼もまた私と同じように助けられそして、依存・・してしまっているのだから。

 直後彼は私の目の前で倒れてしまった。

 バタンッという音がやけに響く。

 私はその音でやっと平静を保つことを成功した。

 まだ、彼が死んだ訳ではない。

 それに私は世話係なのだから優希を除いた自分達四人を壊す訳には行かない。

 優希はどうなったのか知るその日まで…。

 洸夜が倒れた音を聞きつけて騎士らしき人がこちらに来た。

 そして、洸夜を医務室に運ぶようで私とイリア、エイナは説明は後で聞かせて下さいとお願いをしてから私達三人はついて行った。


 ************


 一体、いつの頃の話だろうか?

 確か、小学校三、四年生の頃の話だろうか?

 俺はその頃イジメに遭っていた。

 それは酷いものだった。

 表も裏も最早関係無く俺は物を盗まれる軽いものから日常的に暴力を振られた。

 それは生徒だけに限らず教師達までもが罵倒や暴力をしてくる日々。

 訴える勇気も無くいじめは過激になっていった。


 そして、小学校五年生の時の話だ。

 斎藤優希ヒーローと会ったのは。

 俺にとっては正に正義の味方だった。

 今まで俺が考えてきたことを全部否定するが如く変えてくれた。

 今の自分達という存在があるのは彼のおかげだ。

 その後、あいつとはいろいろな事をやった。

 一緒にゲームしたりスポーツをしたりと。

 楽しい日々があの日から続いていた。

 同じようにいじめられていた香恋を助けたりしていたが俺にとってあいつが作る時間は夢のような時間だった。


 ************


 ふと、目を覚ますとそこには知らない天井があった。

 優希だっら知らない天井だとかいってそうだけど。

 俺は俺は上半身を上げて周りを見る。

 アニメとかでありそうな病室が広がっており俺は両脇に並んでいる五つのベッドのうちの一つに寝かされていたようだ。

 ギィーという重い扉が開く音がする。

 俺は先程見つけた扉を見る。

 すると一人の少女と一人の男最後に二人の初老くらいの人が入ってきた。

 後に続くように香恋やエイナ、イリアと入ってくる。

 全員が俺のベッドの前に来る。


「どうも、私はこの国の第一王女のクリアレス=リキアナと申します。」


「は、はぁよろし…。

 は、王女?」


「はい、王女です。」


 俺は少女をよくよく見ると見覚えがあった。


「そうだ、あの時前に立っていた人。」


「はい、覚えていただき光栄です。」


「はぁ、それで王女様がどういうご用件で?」


 俺がそう聞くと彼女は一息吐く。


「今回は誠に勝手ながらあなた方を召喚させていただきました。

 しかし、私達としてもこれ以上は危険だと思い召喚させていただいた次第です。」


「は、はい。

 それで何が危険なのですか?」


 俺は本当にいい迷惑だと思いながら俺は返事をする。


「それは、これから説明させていただきます。

 取り敢えずこの水晶に触れて下さい。

 ステータス確認用の水晶です。

 この水晶を使った後ならいつでも確認出来るようになります。

 まぁ、時々この水晶を使わずに元から使える人もいますが…」


 俺は取り敢えずその水晶に触れる。

 すると俺の頭の中に何かが思い浮かぶ。


 ーーーーーーーーーー

 近衛 洸夜

 職業:闇と光の騎士LV1

 レベル:1

 HP:1759/1759

 MP:470/470

 筋力:428

 防:315

 速:826

 体力:420

 魔力:126

 魔法防:124

 体技:986

 器用さ:169

 運:125


 スキル

【騎士LV1】

【闇の剣LV1】

【光の剣LV1】

【剣LV1】

元素エレメントソードLV1】

【闇黒拳LV1】

【霊光拳LV1】

【天光魔法LV1】

【獄闇魔法LV1】


 称号

【召喚されし者】

【闇を背負う者】

【光を背負う者】

【相反する者】

【?????】

 ーーーーーーーーーー


 何だか可笑しなステータスが俺には見えた。

 他の三人もステータスの確認をしているよだ。

 しかし、これが召喚された奴らの普通なのだろうか。


「洸夜、どうだった。

 ちょっと見せ合ってみよう?」


 香恋は少し無理をした笑みを浮かべながら話しかけて来る。


「まぁ、いいぞ。」


 そう言ってお互いに見せ合う。


 ーーーーーーーーーー

 稲葉 香恋

 職業:聖天魔悪ジャッチLV1

 レベル:1

 HP:1243/1243

 MP:3569/3569

 筋力:321

 防:159

 速:570

 体力:326

 魔力:1059

 魔法防:986

 体技:342

 器用さ:326

 運:218


 スキル

【判決LV1】

【選定LV1】

【使徒魔法LV1】

【正傲魔法LV1】

【悪源魔法LV1】

無限アンリミテッド


 称号

【召喚されし者】

【見渡す者】

【?????】

 ーーーーーーーーーー


 俺とは反対の意味で化け物がここにいた。

 だが、何だ?

 意味不明の物が沢山あるな。

 まぁ、そんなの考えている暇ないか。


「二人共、私達のステータスみて下さい。」


「お馴染みのぶっ壊れステータスだったよ!」


 そう言って二人が見せびらかしてくる。


 ーーーーーーーーーー

 イリア・リヴィーナ

 職業:【上位者により隠蔽されています】【上位者により隠蔽されています】賢者LV1【上位者により隠蔽されています】

 レベル:1

 HP:3695/3695

 MP:4739/4739

 筋力:627

 防:326

 速:431

 体力:865

 魔力:998

 魔法防:453

 体技:756

 器用さ:359

 運:126


 スキル

【剣LV1】

【上位者により隠蔽されています】

【上位者により隠蔽されています】

【上位者により隠蔽されています】

【上位者により隠蔽されています】

【格闘術LV1】

【演算速度倍加LV1】

【詠唱破棄LV1】

魔導士ウィザードLV1】

【上位者により隠蔽されています】

【上位者により隠蔽されています】

【上位者により隠蔽されています】

【上位者により隠蔽されています】

【上位者により隠蔽されています】


 称号

【召喚されし者】

【天童】

【上位者により隠蔽されています】

【?????】

 ーーーーーーーーーー

 ーーーーーーーーーー

 エイナ・リヴィーナ

 職業:【上位者により隠蔽されています】【上位者により隠蔽されています】巫女(天然)LV1【上位者により隠蔽されています】

 レベル:1

 HP:4768/4768

 MP:7893/7893

 筋力:356

 防:256

 速:863

 体力:453

 魔力:986

 魔法防:796

 体技:345

 器用さ:618

 運:135


 スキル

【槍LV1】

【剣LV1】

【上位者により隠蔽されています】

【上位者により隠蔽されています】

【上位者により隠蔽されています】

【上位者により隠蔽されています】

【癒しの光LV1】

【活発化LV1】

【天然LV1】

【巫女LV1】

【浄火LV1】

【始元素魔法LV1】

【上位者により隠蔽されています】

【上位者により隠蔽されています】

【上位者により隠蔽されています】

【上位者により隠蔽されています】

【上位者により隠蔽されています】


 称号

【召喚されし者】

【天然(巫女)少女】

【上位者により隠蔽されています】

【?????】

 ーーーーーーーーーー


 この二人やけに隠蔽されていないか?

 他の奴らは気になっていないのか?

 と思い周りを見るが周りはそこにツッコミをいれていない。

 おそらく、普通のことなのだろう。


「お前ら、ただの化け物かよ?」


「お前(貴方)が言うなよ(言わないで下さい)(言うなよ)」


 そうか?俺がこの中で一番まともだと思うが?


「コホン」


 という、咳払いが聞こえた。

 それのした方を見ると王女様が注目するように俺たちを見ていた。


「すいません、つい浮かれてしまいました。」


「いえ、いいですよ。

 初めてステータスを見るときは誰もが感動しますし、貴方達のいた世界はステータスが無いとも聞きましたから。」


「ありがとうございます。」


「いえ、畏る必要は有りません。

 畏るのは今は私がすることですから。」


「は、はい」


「それでは話の続きをしますね。」


 そう言って王女様は窓の外を見た。


「最近になり、世界の安定が無くなりました。

 その原因として私達は魔王か災厄の存在を疑っています。

 約200年に一度の周期に災厄か強力な魔王が生まれます。

 それらは世界に大きな影響を与えます。

 それを防ぐために召喚した次第です。」


 なるほど、ということは俺達はその災厄と魔王を倒せばいいのか。

 けれど、俺が聞きたいのはそこじゃない。


「話は分かった。

 それとは別に聞きたいことがある。」


「何ですか?」


 王女様は訝しげに俺を見る。

 しかし、俺はそれを気にせずに話を続ける。


「元の…世界には…帰れるのか?」


 瞬間、王女様の顔が暗くなった。


「分かり…ません」


「そうか」


 やっと声を絞り出す王女様に俺はそう返すしかできなかった。


「ならば、召喚の最中にいたのに召喚されない人間はいるのか?」


「分かりません。」


「なら、帰る希望は?」


「ひょっとしたらどこかに手段があるかもしれません。」


「そうか、それで俺たちが命を賭けるメリットは?」


 王女様はもう泣きそうな顔になりながら我慢して言葉を紡ごうとする。

 それを見て男が剣を抜こうとするが後ろの二人の初老が止めていた。

 思い付いたようで顔を上げる。


「ここでの暮らしを保証します。」


「弱いな、それではメリットにはならない。

 命とは対価にはならないな。」


 再び王女様は俯く。

 香恋達は様子見している。


「…どうすれば…いい…エグッ…か?」


 とうとう、王女様は泣き出してしまった。

 けれど俺は敢えて突き放す言葉言う。


「ん、何だ?

 何が言いたいんだ?」


 本当に最低だ。

 けれど、これでいい。

 俺は優希とは違って交渉が得意では無い。

 だからここで取らなくては昔の自分に逆戻りだ。


「どう…すればいいのですか…」


 なんか、可哀想に見えてくる。

 やった張本人は俺だけど…。


「分かった。

 なら、必要な戦うための物資や宿代、飯などの提供、出来なければそれに変わるお金の提供。

 更に目的を達した後の保証と送還方法の模索を要望といったところだろう。」


「え?」


 そう、これは先程王女様が提示した条件にプラスアルファしたものである。

 王女様のお付きの三人も目を見開いている。


「一体…何を?」


 先程まで暴れそうだった男は思わず呟いていた。


「そうそう、もう一つあった。」


 その瞬間今度こそ全員何がくるのか身構えていた。

 俺はそれを見てニヤリと笑いかけたが心の中にとどめておいた。


「それは…剣術や魔法の指南。

 この世界の常識や文字の指南だ。」


 全員それを聞いた直後気が抜けたようで安堵の息を漏らしていた。


「それで、いいのでしょうか?」


 王女様は意外そうに聞いてくる。


「別にいいよ。

 事実うちの世界じゃ、そういう実践経験が無い。

 確かにこれじゃ、弱いが俺達としてはこれで十分だ。」


「ありがとうございます!」


「おう!

 これからよろしくな!」


 そう言って俺は微笑み掛ける。


「(タラシとは思っていたけどここまでとは私としては意外だったな。)」


「(いいえ、香恋さん、ああいう優希さんみたいな人に近くにいる人程口説き慣れているのでしょう。)」


「(あれはさすがに無いよね〜。

 ていうか、天然すぎ。)」


「「(エイナが言えたことじゃない)」」


「(え⁉︎なんで?)」


 後ろの三人は放っておこう。

 とりあえず、まずは優希を探すことかな?

 もし見つからなかったらあの世界に戻ってみせる。




さて、次は主人公の方かな。


2017.10.26 修正

少し、改行などを加えました。

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