初戦闘
必死に反復練習少しの時間が経ち俺のスキルの熟練度はそれぞれの熟練度が2まで上がっていた。
そして、俺はこの時失念していた。
ここは異世界だから起こりえることを…。
ふと、マッピングのマップを見ると黄色い点がこちらに向かってきていた。
というより、二メートル範囲しか記録がないマップだからその表現は正しくない。
近づかれていたと、言うべきか。
しかし、それにしても嬉しいけど少しだけ不可解な点があった。
マッピングの生物感知は使えない筈だ。
『解、熟練度1.00の時に識別機能以外は解放されました。
因みに今現在の熟練度表です。
ポーカーフェイス 98.31
並列思考 57.23
高速思考 72.13
走る 20.25
歩く 12.13
格闘技 83.21
鑑定眼 2.13
イベントリ 2.11
マッピング 2.09
サッカー 36.25
野球 40.11
・
・
・
*熟練度が0.00以下の物は表示していません。
こんな具合です。』
知らないものが沢山あるなと思ったが最後の方のスポーツで固められている点を見るにどうやら元々取得していたものはしっかりと保持したままのようだ。
『そんなこと考えている場合じゃないと思いますよ。
敵が動き出します。』
直後後ろから斬撃が飛んでくる。
ギリギリのところでそれを避けて次の攻撃に備える。
なんか、このスキル凄く優秀じゃね。
というか、どうやって敵の攻撃を把握したの?
『あなたがマッピングを開きっぱなしだったので把握出来ました。』
なるほどね。
とりあえず、相手の確認をしようと回り込む。
すると、そこには緑色の肌の人型のものが動いていた。
手には西洋風の両刃の剣が握られていた。
いわゆるゴブリンってやつだ。
ゴブリンは俺を見て唸ると再び斬りかかってくる。
やはり、ギリギリで避けるが早すぎてずっと避け切れる自信がなかった。
とりあえず、能力を確認しない事には始まらない。
俺は隙を見て鑑定を使った。
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名前:
種族:ゴブリンLV1350
レベル1986
ステータス
HP:13509/13712
MP:5420/5500
筋力:8439
防:7290
速:6320
体力:5631
魔力:3286
魔法防:4052
体技:7653
器用さ:4320
運:12
スキル
《剣術LV8》
《ステップLV7》
《格闘LV8》
《逃走LV9》
《隠密LV10》
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化け物かよ!
こんなのにどう勝てと?
ゴブリンって最弱の一角だろ?
『解、おそらくこの辺り一帯の魔物の強さが高いのだと思われます。』
それはそれでマジかよ。
とりあえず、このまま避け続けるのもステータスの差などで限界がある。
とりあえず新しいスキルを作成して少しでも長く避け続けないと。
目、脳、神経、空間に魔力を込める。
「『予知眼』‼︎」
瞬間、ゴブリンの行動が一瞬ブレた。
そのブレが早い方が予知している場所なのだろう。
気持ち悪さも感じながら避ける。
能力の確認を俺はしながら避け続けた。
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予知眼
先の未来を見ることが出来る。
数パターンの未来が見える。
パターン数と見ることが出来る最大秒数は熟練度依存。
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詳しく調べると今現在は最大3パターンの0.01秒先の未来までしか見ることが出来ないらしい。
『左に飛んでください!』
俺の妄想が警告をした直後に俺は言われた通りに跳ぶ。
直後、俺のいた場所にゴブリンの縦切りが飛んできた。
「ありがとう相棒!
確認している暇はないみたいだな。
とりあえず思い付く限りやって見るか。」
俺が決意を固めた直後再びゴブリンが剣を振るう。
俺は上手く掻い潜り蹴りを叩き込む。
ドンッという鈍い音は鳴るものの相手を怯ませることは出来なかった。
そのまま、ゴブリンは剣を持っていない方の腕を振り上げる殴ってくる。
俺は転がるように避け体制を立て直す
「攻撃は通らない。
なら、避けるしかないか。
『危険感知』『警告』『死の予兆』‼︎」
全て上手くいったようで無事にスキルが発動するが少し考えていたのとは違った。
とりあえず、気にしている場合じゃない。
俺は全力で避けるつもりでゴブリンと相対する。
魔力を循環させて俺は次のスキルの準備に取り掛かる。
ゴブリンは様子を見ているようで今のところ攻撃する意思はないようだ。
俺は好機とみて新しいスキルを試す。
「『身体能力強化』‼︎」
単純な身体能力強化系の能力でありこの場で一番必要な能力を俺は発動させた。
直後、再びゴブリンが強襲を仕掛けてくる。
俺は魔力を利用して洞察力を上げて避け続ける。
時々、蹴りを入れるが身体能力を上げているにも関わらず効いていない。
とりあえず、俺はそれでもよかった。
少しでも熟練度が上がれば勝ち目はある。
それに逃げる隙が出来る可能性もある。
俺は避けて叩くを繰り返すがゴブリンはHPの1すら減っていない。
けれど、相手も生き物こうしているとイラついてくるのが道理である。
その時、相手もイラつき出して俺は後少しだと思い気を抜いてしまった。
直後、ゴブリンは剣を俺に放り投げ蹴りをしてきた。
俺はさっきまで無かった行動に追いつけずに避けることが出来ずに左腕に当たる。
しかし、受け身は取れていて死ななずには済んだ。
俺は何とか立ち上がりゴブリンを見る。
ゴブリンは気を緩めずにしっかりと警戒している。
俺は近くにあった先程ゴブリンが放り投げた剣を拾い再び相対する。
俺はゆっくりと足に魔力を流し新しいスキルを作る準備をする。
そして、相手が飛びかかってきた瞬間俺は走り出す。
ゴブリンに向かって走り俺は全力で魔力を足に集中させる。
「『疾風』『逃走』『疾走』最後に『スライディング』だ!」
俺は叫んだ。
しっかりとスキルとして登録されるかなんて考えずに思い付く限りのものを考えて叫ぶ。
そして、俺はゴブリンの顔が目の前にきた瞬間にスライディングをしてゴブリンをすり抜ける。
すぐに体制を立てて俺は走り出す。
ゴブリンから逃げるために必死に…。
俺はどうやら逃げ切ったようだ。
その証拠に周りには生物の反応が無い。
俺は安心すると近くの洞窟に入り剣を抱き枕にして深い眠りについた。
今日俺が感じた死ぬという恐怖を抱きながら。
2017.10.26 修正
少し、改行などを加えました。