冒険者ギルド
少し遅くなりました。
俺は冒険者ギルドの扉を開いて中に入る。
『優希様、何かウキウキしてますね』
おう、わかるかのか。
この内装の感動を…。
決して良い材質というわけではない床や壁、テーブルなどが並んでいる。
しかし、仕事場でもありながらここは酒場でもあるこの理想的な場所を…。
『いつにも増して熱いですね…』
なんか呆れられたような気がしたけど今の俺はそんなことを気にしないレベルで高揚している。
俺は受付まで歩く。
「あの、冒険者登録をしたのですが…」
「はい、登録の方ですね。
失礼ですが規定のステータスに届いているか確認をさせてもらっても?」
「はい」
確か、レベル1なら最低でも70以上のステータスが四つ無くてはいけなかったはずだ。
昔の俺なら完全にアウトになっていたな。
ていうか、俺の初期のステータスって冒険者の初期ステータスより弱かったのか!
「…珍しいですね。
レベル1で3桁を叩き出す人は…おまけに全部一律に100ですか…」
俺のステータスを見て感心している。
因みに俺のステータスはこんな感じに偽装と制限をかけている。
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斎藤 優希
職業:無し
レベル:1
HP:100/100(90/90)
MP:100/100(50/50)
筋力:100(15)
防:100(5)
速:100(20)
体力:100(10)
魔力:100(5)
魔法防:100(3)
体技:100(6)
器用さ:100(12)
運:200
スキル
《剣技》LV3
《ステップ》LV1
《風属性魔法》LV2
称号
無し
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このようになっている、
因みに括弧で表示されているのは制限されている状態の本来のステータスである。
100と表示されているのは他人に見せる際の偽装用ステータスである。
風魔法の理由は簡単に言えば衝撃波などを誤魔化すのに使えそうだからだ。
「どうやら規定値にステータスが満たしているようなので冒険者カードの発行を行います。
それに伴い冒険者のマニュアルです。
時間がある時に読んで下さい」
そう言って分厚い本を渡される。
意外と冒険者も覚えることが多そうだな…ここら辺は夢が壊れる瞬間だな。
発行されたカードには俺の名前と発行日時と思われる文字と大きくFと書かれた文字がある。
「では、冒険者カードと冒険者ギルドの労働の仕組みについて話していきます」
受付の人はコホンと咳払いを一つ入れた。
「まず、あなたのカードにはFという文字が刻まれているはずです。
それは冒険者の実力と実績を示します。
高いランクからABCDEFとなっており、これより高いランクは基本的に一握りの冒険者のSからS10ランクとなっています。
今のところ確認されている中では約百万名もの冒険者中、たったの19人だけしかS以降の冒険者はいません。
その分要求される実力は最低でも準勇者級となっています」
準勇者級が最低ということは大体ステータス的に考えるとなると百万前後、スキルは強力なスキルを複数所持することだった筈だ…。
『それで合っております。
しかし、それでも準勇者級としては物足りないです。
せめて加護を一つ保持していませんと準勇者級とはなり得ません』
そうか…。
というか、こういった知識はサムニウムはどこで仕入れたんだ?
『天界とだけ答えておきます』
まぁ、それだけで予想はつくし俺的には助かってるからいいけど…。
「まぁ、この辺りは関係ある人は限られているのでこの辺で切って…。
えっと、仕事内容について説明しますね。
まず、仕事は基本的にあそこの掲示板に提示しております。
指名依頼などで直接冒険者に渡す依頼もありますが滅多に無いのであまり気にしなくて大丈夫ですよ。
依頼を私達に持ってきてくれればその依頼を行うまたは行った際の処理を行います。
魔物の素材に関しては常時受付してます」
そう言って受付の人は一息ついた。
「それでは分からないことなどはありましたか?」
「いえ、特には」
「それでは、これからの活躍を期待しております」
そう言って頭を下げる受付の人を見て俺も頭を下げる。
そして、その場を離れて掲示板の方に行く。
「あれ?」
ふと、何かを感じた…。
視線?いいや、それはちょっと違う…。
あの竜が使っていた『真実の魔眼』と似た感覚だ。
『優希様!
気付くのに遅れました、探られました完璧に!』
どういうことだ?
『要するに完璧な隠蔽や偽装を突き抜けてステータスやスキルを全て見られた可能性が高いです!』
それは…今の俺のステータスを超えた化け物がいるのか?
俺は相手を探る。
『真実の魔眼』で一人一人探っていく。
しかし、誰もが普通…だった。
それは確実に相手の方が上であることを示している。
何一つ違和感がない…何一つ分からない…。
「弱者は気付かなくてもやめた方がいいぞ」
後ろからだった。
それは充分に警戒していた。
しかし、その声はたしかに先程までは誰もいなかった後ろから聞こえた。
男の声?
「まぁ、新人や頑張れよ」
俺の背中をポンと叩くとその人は外の方に向かって歩き出す。
その際に顔などが見えた。
年齢はおそらく俺と同じくらいだろう。
しかし、明らかに強者の雰囲気を持ち合わせていない男だった。
…おかしいだろあれ…。
最初から後ろにはいなかった…。
だって、俺が探し始めた時に遠くではあるがすぐ見える位置のテーブルに座っていたのに…。
俺の目の前には一つ鑑定結果がある。
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ユージス
職業 剣士LV15
レベル20
HP:230/230
MP:79/79
筋力:103
防:96
速:128
体力:130
魔力:116
魔法防:50
体技:240
器用:114
運:80
スキル
《剣技LV4》
《火魔法LV2》
《水魔法LV2》
《回復魔法LV3》
《軽業LV4》
《魔力操作LV1》
《MP回復速度上昇LV1》
《身体強化LV5》
称号
《狩り人》
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ハハ、化け物ってこれのことかよ…俺なんかより何倍も格の違う相手って…。
まず、俺の後ろを取れた時点でおかしいのだ。
レベルが違うとかそういうレベルではない。
俺に偽装データの方を偽装だと分からないようにすることができる実力…要するに災厄や俺なんか屁でもないような存在ということだ。
「一度、考えよう…」
俺は浮かれた感情が消えて冷静になり考える時間を作ることにした。
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「意外と良い宿に泊まれたな。
お金の方も借りたし、ライド達にそのうち返さないとな…」
俺はそう一人で呟いてベッドに倒れこむ。
そうして、俺はいつものことを始める。
「えっと、洗脳とかは色欲で隠蔽や偽装などは…嫉妬…いや傲慢か?」
自身の能力に関しての整理である。
そもそも七つの大罪のスキルはそれぞれに役割があるのではなく、個人の主観と能力と罪の名前でうまく合致させることにより、より強力に強くすることができる。
少しでも違和感があると思ってしまうと発動しない、または弱くなる。
故にこれは毎日行うことである。
「なぁ、サムニウム…」
『はい、何ですか?』
俺は少し休憩してるときにふと、話しかける。
「これから頼みたいことがある」
そうして、俺の冒険者初日は終えたのだった。
短いですが、これが一番区切りがよくなってしまって…、しばらく付け足すか考えましたがこのまま出しました。
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