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秩序の魔王の順応性  作者: ARS
プロローグ
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プロローグ

初の異世界もの

「ようこそ!神の世界へ」


「は?」


 突如俺の目の前で変な事言っている奴がいた。


「変な奴言うな!」


 あれ?顔に出ていた。

 ポーカーフェイスには自信あるのに。


「確かにポーカーフェイスはうまいよね。」


 またか、てことは此処から引き出される答えは…。


「分かった!心を読んでいるのか。」


「うん、満点!ありきたり過ぎたかな?」


「いや、別に。

 ところでなんで俺はこんなところにいるんだ?」


 なんで俺は此処に居るかだけ抜け落ちていた。


「あー、コホン。

 君達は召喚されたんだよ!

 勇者として。」


 まぁ、ありきたり…思い出した。

 召喚される瞬間までを!!


「そういえば君、召喚される直前に頭を打っていたよね…」


 俺はそっと召喚される瞬間を思い出していた。


 ************


 俺こと斎藤優希はザ、平凡な日常を送っていた。


「おはよう、今日も眠そうだね優希君」


 俺に対して嫌味たらしく話しかけてきたクソイケメンは近衛洸夜、この学校一番の人気者だ。

 成績、運動神経、顔、カリスマ性どれをとっても完璧な正直ウザい奴だ。

 だが、俺はこいつとは親友みたいなものであり、良い奴だと言うことはわかっている。


「おはよう洸夜、いつものことだと知っているなら言わなくて良い」


「ハハ、それもそうだね。」


「その通りだ。」


 俺達二人はその後大きく笑い出す。


「二人共周りに迷惑だからやめなさい。」


 ふと、俺達二人の笑いを遮る声が聞こえた。

 声のした方を見ると一人の女子がいた。

 キリッとした目、ポニーテールの美少女は稲葉香恋。

 文武両道でところどころの変な俺達の世話係みたいな奴だ。

 いや、正確には四人だが…。


「優希君、今失礼なこと考えなかったかな?」


「優希君、大丈夫正直に話してごらん?」


 突如として後ろから声をかけられた。

 そこには、二人の美少女が立っていた。

 二人は双子の姉妹でつい先月に転校してきた留学生である。

 更に言ってしまえばハーフでちょうど日本人の理想とされる顔立ちなどをしている。

 一番最初に話したのは銀髪で何処か活発そうな印象がある双子の妹エイナ・リヴィーナ。

 そしてもう一人の方はおとなしそうな印象がある金髪の姉イリア・リヴィーナ。

 この二人は基本的に人気なんてものではない。

 ファンクラブまである程だ。

 悲しきことかな、俺も二人のファンクラブに一応所属している。


「ん〜、いや何も思っちゃいなかったぞ?」


 とりあえず周りの視線が怖いので話を続かないようにしたい。

 かといって本当のこといっても後もすぐにも痛い目見るだけだ。


「もういいよ。追求しない。」


「え?」


 突然のエイナの言葉で俺は少し驚く。

 普段だったらもっと追求してくる筈なのに。


「優希君の顔が今にも泣きそうだったのでエイナは追求するのをやめたのですよ。」


「ちょっ、お姉ちゃん!」


 イリアの言葉に少し焦るエイナを見て不覚にも可愛いと思ってしまう自分がいた。


「あなた達そろそろ時間だから座りなさい。」


 香恋が俺達に座ることを促した直後俺達は謎の光に包まれて意識を失った。

 その際俺は驚いた拍子に倒れて机の角に頭をぶつけたのだった。


 ************


「それを経て今ここにという訳か…」

「そういうこと!」


 ならおかしいな、なぜ俺だけここに?

 いや、本当に呼び出されたのは俺だけなのか?


「ふふ、少しだけ冴えてるね。

 普通の人だったらまともな判断ですら難しいのにね」


 クスリと笑いながら神と呼ぶ者は俺をしっかりと見る。


「正解だ。

 勿論呼び出したのは君だけじゃない。」


 瞬間俺はここからが勝負だと思えた。


「なら何で俺一人なのかな?

 一人ずつ面接する程めんどくさいことするようには見えないけど?」


『相手』は目を細めた。

 これは効いている証拠だと思い俺は嗤う。


「君、面白いね。

 君にして良かったよ。

 君が一番イレギュラーみたいだね。

 神ですら心を読めない人は君が初めてだよ。」


「それはどうも。

 んで、こっから先は交渉でいいんだよな?」


『相手』はしっかりと頷く。

 表面で考えている交渉と裏で考えている交渉で『相手』は悩んでいるのだろう。

 だが、第三の思考で本命を考えているとは相手も思うまい。

 俺が交渉を始めようとした瞬間『相手』の口が開かれた。

「あー無理無理もう僕の負けでいいから、この怖い思考分離はもうやめて。

 表では二通り考えておいてもっと深いところでは約一万通りにも及ぶ思考更にはその一つも読めないときた。

 化け物かよ。」


 概ね合っているが正確には一万と六千通りだな。

 俺は少しそう思うと普段通りの思考に戻った。


「うんうん、そっちにして怖いから。」


「んで、本題は?」


 俺は話を進めるように促し始める。


「そうだね。

 僕はあの中から君を選んだ。

 イレギュラーって知っているかい?」


「予測から外れたものだろ?」


「まぁそんな感じ。

 僕達が今から使うイレギュラーは人に対して使うイレギュラーでね。

 特殊な思考や特殊な力を持つ人間に対して使う言葉なんだ。」


 ならさっきの俺のもイレギュラー故の力なのか?


「いや、それは違うよ。

 君のさっき使ったのはイレギュラーの才能が手伝ったのもあるけど本質は違うよ。」


「なら何だ?

 それにさっき選んだとか言っていただろ?

 他の奴でもよかったみたいな言い方は何だ?」


「ハハハ、後者から答えるね。

 そっちの方が話す順序的に面白いし。」


 どういう面白さなんだろうか?


「とりあえずさっさと話を進めよう。」


「それもそうだね。

 君の周りには驚くことにイレギュラーが大量にいたんだよ。

 しかも、約十人程ね。

 その中で面白そうなのを選んだ結果君だった訳だ。」


「多いのか少ないのか分からない。」


 後何人中だ?


「一クラスで十人だよ。

 おまけにクラス召喚じゃなくて学校召喚だから人数はイレギュラーだね。」


 それ程いいこと言っていないから。

 瞬間神は手を合わせて場の空気を変える。


「ここからが本番だよ。

 君は勇者として召喚しない。

 君にはお願いがある。

 君には秩序の魔王になってもらいたい。」


「何だ、それ?」


「ここは普通それは何だという所だと思うけど。

 まぁ、いいけどね。

 それで秩序の魔王というのは世界のバランスを取るための存在なの。

 例えば、今は大量に魔王と名乗る存在や国同士のイザコザが大量にその世界では発生しています。

 この現状だと世界はこのまま衰退していき滅びを迎えます。

 それを防ぐ為の予防線が秩序の魔王なのです。

 その仕事は人によって様々でありますが全て一つのことに集約されます。

 世界共通の何かを作り出し世界を再び安定させる。

 それが秩序の魔王の仕事です。」


 あれ、でもそれって秩序の魔王がいなくなったら意味なく無いか?


「それなら大丈夫だよ。

 最低でも100年は安泰になればそれでいいのだから。

 大体200年に一回の周期で秩序の魔王を作っているのだけどね。

 しかしね、今回の勇者召喚をとある人間が合わせてきたせいでね、とある問題が起きたんだよ。」


「問題?」


「魔王といったら君は反対に何を想像する?」

「勇者?」


「正解、そう、奴は秩序の勇者を使わないで今回の秩序の魔王に対抗させる気なんだ。」


「何なら俺達はそんな理由で呼ばれたのかよ!」


「まぁ、そうなるね。

 けど、建前はかなり違うと思う。」


「胸糞悪い奴だ。

 自分の都合で人様を勝手にいろいろするとか。」


「ごめんね。

 それに君にはもう一つお願いがあるんだ。

 今回秩序の勇者をあいつは扱わないようにしているから意味なくなる筈なんだけど役割を新たに作ったんだ。

 君には秩序の勇者を仲間に引き込んで欲しい。

 安心してみんな可愛い女の子にしてあるから。」


「は?

 何故、可愛い女の子?」


「えーと、今回の秩序の魔王は男にする予定だったから配慮としてみんな異性にしようかと思って…………モテない人だったら可哀想だし。」


「明らか最後のが本音だろ!」


「んじゃ、話を続けるよ。」


「はぁー、分かった。」


「何、その溜息…。

 まぁ、いい。

 君のイレギュラーとしての能力の説明と渡す恩恵の話といこう。

 実際この話を一番楽しみにしてたでしょ?」


「否定はしない。」


「んじゃ、早速君のイレギュラーとしての能力の説明からね。

 君の能力は『順応』といって、人の出来る範囲のことなら何でも出来るようになる能力だね。」


「普通にチートじゃ無いか。」


「けれど、それなりの練習などが必要がある微妙な能力だけどね。」


「確かに微妙だな。

 てことは、さっき言ってた能力のおかげではあるけど能力じゃないってのはむしろ、能力の恩恵を使って手に入れた技術って意味だったのか。」


「そういうこと。

 次に恩恵授与ね。」


「早っ!

 そしてめんどくさそう!」


「ごめんね。疲れちゃった。

 とりあえず、君に与える力は………」


次は更新が長くなりそうです


2017.10.26 修正

少し、改行などを加えました。

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