第67話 『至高の白ニーソ』
「んっ……?」
「あら、起こしちゃったわね」
桃色髪の姫君との晩餐から一夜明け。
目を覚ますと姫君達は既に起きていた。
丁度、服を着替え終えた様子。
「そろそろ俺達は帰るよ」
慣れた手つきで髪を梳く召使い。
シュッシュっと櫛で桃髪を毛づくろい。
姫君は気持ち良さげに目を細めている。
ボクものろのろ起き上がり、あくび。
隣を見ると、教育係がすやすや寝てる。
でも、ちょっと顔色が悪い。
また二日酔いのようだ。
「うぅ……頭が割れそうです……!」
だったら飲まなきゃいいのに。
そう思って苦笑するボク。
教育係の黒髪を撫でてやる。
すると、姫君が帰宅する様子。
「それじゃ、また遊びにくるわ」
「ああ、気をつけて帰ってくれ」
ボクも玄関まで送ろうと腰を上げる。
すると、召使いに押し留められた。
「見送りはいいよ」
「いや、しかし……」
「その酔っ払いのお守りをしてろって」
酔っ払いとは教育係のことだろう。
普段はヘラヘラしてる召使い。
なかなかどうして気遣いが出来る男だ。
去り際に、姫君が何やら差し出す。
「はい。これが、約束のニーソ」
「わっ!こ、こんなにくれるのっ!?」
「いとこと再会出来た、記念よ」
ドサッと大量のニーソが手渡される。
それを両手で抱えて、ボクは感動。
流石に洗ってあるようだが、良い匂い。
桃色髪の姫君の香りが、ふわっと香る。
「それでは、ご機嫌よう」
姫君達はそうして帰っていった。
ややあって、バイクの排気音が響く。
素敵ないとこを持って、ボクは幸せだ。
さて、それでは。
二日酔いの教育係の世話をしよう。
「教育係、大丈夫か?」
「うぅ……な、なんとか……」
「水でも飲むか?」
「はい……頂きます」
いつものように水を汲んでやる。
それをくぴりと飲む教育係。
すると、顔色が幾分かマシになった。
「今日は学校は休みだから寝てろ」
「め、面目次第もございません……」
今日は休日。王立学園はお休みだ。
素直に寝息を立て始める教育係。
やっぱり弱るとこいつは可愛い。
そんな奴を見てると悪戯心が沸いた。
ふむ……せっかくだ。
この機会にニーソを履かせてやろう。
そう思いたってボクは行動を開始する。
「教育係、ズボンを脱がすぞ」
「むにゃむにゃ……はい、どうぞ」
寝ぼけた教育係のズボンを脱がす。
すると、白い美脚が露わとなった。
見慣れているとは言え、美しい。
その足に、ボクはニーソを履かせる。
ニーソの山から似合いそうな物を選ぶ。
姫君から貰ったニーソは種類豊富。
縞々模様や、スケスケ、編み編みも。
中には指の長さが違うものまである。
その中でも、ひときわ目を惹く逸品。
それは、純白の、白ニーソだった。
思わず、ごくりと生唾を飲み込む。
ふわぁぁああっ! なにこれっ!?
これ、すごい。これ、やばい。
教育係には、絶対にこれが似合う。
確信して、ボクはキミに決めたっ!
「ちょっと、足を上げてくれ」
「むにゃ? これでいいですか?」
「うん。教育係はお利口さんだな」
「くふふっ……殿下は優しいです」
夢うつつな教育係の足に履かせる。
奴の美しい足を、白ニーソが包む。
片足だけ履かせて、真上から俯瞰する。
やっぱり、すっごく、可愛いっ!!
ボクの見立てに間違いなかった!!
教育係は白ニーソがすこぶる似合う!!
奴の黒髪に、白ニーソが合っていた。
しかも事前にズボンを脱がせている。
つまり、奴は今、裸ワイシャツ状態。
その上で片足ニーソのアシンメトリー。
左右非対称の不完全性が、素晴らしい。
まさに、至高の白ニーソと呼ぶべきか。
絵画にして、部屋に飾りたい程の芸術。
間違いない。間違って、なかった。
ボクの教育係は、メインヒロインだ。
にっこり笑って、教育係を褒める。
「とっても可愛いよ」
「くふふっ……照れちゃいますね」
内股でモジモジする教育係。
すると、ニーソの魅力が高まった。
太ももの内側に視線が惹きつけられる。
奴の絶対領域が、ボクを誘っていた。
さあ、ここでシンキングタイムだ。
どうする?
さすがに寝込みを襲うのは良くない。
二日酔いならば、尚のこと。
布団でも掛けてやるのがマナーだろう。
だけど、それで、いいのか?
ボクはそれで期待に応えられるのか?
自分自身に対する、大きな期待に。
きっとまだ、やれる筈だ。
ボクならば、出来る筈だ。
まだまだ、序の口じゃないか。
ボクは未だ、何も成し遂げちゃいない。
例えば、そう。
ワイシャツに隠れている奴の股間。
そこに下着は存在するだろうか?
とても、気になる事案である。
無論、存在しなければ大変だ。
ボクは速攻でズボンを履かせるべきだ。
その為にも確認する必要が、ある。
だって、ノーパンだったら大変だもん。
教育係はノーパン常習犯だもの。
だからこそ確認の必要性が生じていた。
「よし、頑張るぞっ!」
意を決して、手を伸ばした、その時。
「んん〜……むにゃむにゃ」
教育係が寝返りを打った。
そして露わとなる、いちごパンツ。
それは、オレっ娘からのプレゼント。
けれど、それを何故教育係が?
もしかしてちょっと気に入ったのか?
だから、度々勝手に借用している?
そう考えると、辻褄が合う。
辻褄なんてどうでもいいけどね?
可愛いし、似合ってるから文句はない。
とりあえず、ノーパンではなかった。
それによって次のステージへと進める。
ボクはこの機を逃すつもりはなかった。
「教育係」
「むにゃ? どうしました?」
「絶対領域を、噛んでみたい」
あっ。言っちゃった。
つい、欲望のままに、言ってしまった。
途端に羞恥心で死にたくなる。
え、ええ、えらいこっちゃあああっ!?
ど、どど、どうしようっ!?
首を吊った方がいい!?首吊るべき!?
そんなボクに、教育係は言った。
「はい、どうぞ。……ご賞味ください」
焦点の合ってない目。上気した頬。
優しく、慈しむような、声音。
教育係が、ぱかっと、股を開いた。
い、いっただっきまぁーすっ!!
その場で飛び上がって、ダイブ。
なんてことは、もちろんしない。
だって、そんなの、格好悪い。
がっつくなんて、はしたない。
あくまでもクールに成し遂げよう。
だからボクは、冷静に咳払い。
落ち着いて、教育係の足元へ。
ベッドに静かに乗って、四つん這い。
目の前に、教育係の絶対領域が。
片足は素足だ。白くて綺麗な奴の足。
その根本は、見ないようにする。
だって、それが最低限のマナーだもの。
「それじゃあ、いくぞ?」
「はい……かぷっと、噛んでください」
一応、念を押して、同意を得る。
上体を下げて、目標に接近する。
教育係の絶対領域が、目前に迫る。
桃色髪の姫君よりも細い、奴の足。
けれど、太ももはとても柔らかそう。
ちゃんとぷにっとしていて、美味そう。
産毛が見える位置まで近づいて気づく。
教育係の足に浮き出る、血管。
すっごく、すっごく、えっちだ。
おっと。思わず、よだれが。
危ない危ない。変態になるとこだった。
気を引き締めて、油断せずにいこう。
ボクは深呼吸をして、噛み付いた。
「はむっ!」
「んんっ……あんっ……殿下ぁ」
かぷりと噛み付いたら、奴がびくびく。
そして、教育係は予想外の行動に出た。
「く、くすぐったいですっ!」
「あっ! こらっ! むぐっ!?」
相当くすぐったかったのだろう。
奴はきゅっと両足を閉じた。
結果、太ももに挟まれるボク。
教育係の柔らかな太ももに、挟まれる。
ジタバタもがいて、抜け出そうとした。
けど、やめた。抜け出す気が、失せた。
なんて心地良いのだろう。
太ももに挟まれて、幸せを感じた。
極上の枕に挟まれているような感覚。
ボクは抵抗せずに、うっとり。
教育係も、この体勢が気に入った様子。
そのままボクの頭を撫でてきた。
「苦しいですか?」
「ううん。とっても気持ち良い」
「ならば、このまま二度寝しましょう」
異論は、なかった。
太ももに挟まれたまま、二度寝をする。
すぐに教育係の寝息が聞こえてきた。
やがて、心地良い睡魔が襲ってきた。
それに飲み込まれながら、思う。
ボクの教育係は二日酔いの時が狙い目だ。




