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殿下の教育係  作者: 戦乃作為
第2章 【学園生活と日常】
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第59話 『チョコレートの甘い罠』

「こ、こんにちはっ!」


その日、三つ編み眼鏡が突然来訪した。

休日ということもあり、学校は休みだ。

教育係が淹れた甘い紅茶を飲んでいた。


「三つ編み眼鏡か。どうしたんだ?」

「と、突然押しかけてすみませぇん!」


突然の来訪に驚くこともなく対応する。

最近は呼ばずとも、たまに来てくれる。

ボクとしては、それが嬉しかった。


「気にするな。それで用件はなんだ?」


微笑んで、用件を尋ねる。

すると彼女の顔が赤く染まった。

そして、小さな包みを差し出した。


「お、お菓子を作ってきましたっ!」

「お菓子?」

「はいっ! チョコレートです!」

「おおっ! チョコレートかっ!?」


どうやらお菓子を作ってくれたらしい。

しかも、チョコレート。

ボクは甘いお菓子が大好きだ。

当然、チョコレートも好きだ。

丁度、紅茶を飲んでいたところだし。

迷わずその包みを受け取ることにした。


「では、受け取ろう」

「お、お口に合えば良いのですが……」


目を輝かせて、包みを受け取る。

綺麗な包装紙を丁寧に剥がす。

そして、箱を開けると、そこには。


「教育係」

「はい、如何しましたか?」

「まるで宝石箱のようだな」

「ええ、とても美しいチョコですね」


思わず、背後の教育係に見せつけた。

それくらい、綺麗なチョコレート。

色とりどりに、キラキラ輝いている。

そして漂う、カカオの香り。

完璧だ。完璧なチョコがそこにあった。


「三つ編み眼鏡」

「は、はいっ!」

「お前は天才だ」

「も、勿体無きお言葉ですぅ!」


素直に賞賛すると彼女は平伏。

それを手で制して、立たせる。

そして、手招きして、呼び寄せた。


「ほら、近う寄れ」

「は、はいっ!」

「一緒に食べよう」

「あ、有難き幸せっ!」


左隣の椅子を引いて、座らせる。

そして、右隣の椅子も引いて奴を呼ぶ。


「教育係も、食べよ?」

「では、お言葉に甘えましょうか」


はしゃぐボクに教育係は苦笑。

三つ編み眼鏡に紅茶を差し出す。

ボクに新しい紅茶を淹れてくれる。

そして最後に自分の紅茶も淹れて着席。


これで、おやつの準備は整った。


「それでは、頂こう」

「は、はいっ! ご賞味下さい!」


キラキラの手作りチョコを一口。

パリっとした食感。

すぐに溶けて、甘みが広がる。

甘い、けれど、甘すぎない。

仄かな苦味と、カカオの香り。

素晴らしい完成度。完璧なチョコ。


そして、中に何やら液体が。

まるでシロップのような液体。

それが舌に乗ると、カッと熱くなった。

次いで、鼻に抜ける芳醇な香り。


それは……お酒の匂いだった。


「三つ編み眼鏡」

「はい、どうでしょう?」

「とても美味いが……これは、もしや」

「はいっ!ウィスキーボンボンです!」


ウィスキーボンボン。

酒好きな彼女ならではのお菓子。

けれどボクは未成年。

食べても平気なのだろうか?


「ボクが食べても大丈夫か?」

「アルコールは飛ばしてあります!」

「なら、遠慮なく貰おう」

「はいっ! どんどん食べて下さい!」


アルコールは飛んでいるらしい。

ほっとして、食べ進める。

教育係もパクパク食べる。


結論から言おう。

どんなにアルコールを飛ばしても。

酒は、酒であると。


「れんかぁ! おいちーれすねぇ?」

「うんっ! おいちーね!」


いっぱいたべた。

たべたら、きもちよくなった。

ふわふわして、ぱやぱや。


だから、めのまえのむねをもんだ。


「うひゃん!? で、殿下!?」


みつあみめがねが、なんかさわいでる。

きにせず、もみもみ。

すると、きょーいくがかりも、もんだ。


「なんてきょーあくなむねれしょう!」

「ほんとにけしからんむねらっ!!」

「うひぃいいいっ!?!!」


ぼくはみぎのむね。

きょーいくがかりはひだりのむね。

なかよく、もみもみ。


みつあみめがねが、なんかさけんでる。

きにせず、ぼたんをはずしにかかる。

すると、あわててたちあがった。


「そ、そろそろ失礼しますっ!!」

「えー? かえるのー?」

「ま、また、遊びに来ますっ!!」

「わかった!ちょこ、ありがとね〜!」


みつあみめがねが、かえった。

ぼくはさみしい。

だから、きょーいくがかりにくっつく。


「かえっちゃったね」

「そうれすね」

「さみしいよぉ」

「わらひがついているれすよっ!」


さみしいっていったらぎゅっとされた。

ぼくもうれしくて、ぎゅーとする。

なんだか、ねむくなってきた。


「きょーいくがかり」

「なんれすか?」

「ねむたいから、べっどいこ?」

「わかりまひたっ!」


ちどりあしでべっどにむかう。

きょーいくがかりは、おさけよわい。

すぐよっぱらって、かわいい。


まったく、こまったやつだ。


こまったやつだけど……すき。


そんなぼくも、こまったやつだった。


「きょーいくがかり」

「なんれすか?」

「いつも、ありがとね」


なんとなく、かんしゃした。

べっどによこになりながら。

やつのうでにだかれながら。


すると、やつはうれしそうにわらう。


「れんかはとっても、いいこれすぅ!」


そういって、あたまをなでなで。

きもちよくて、ねむたくなる。

きょーいくがかりがおしりをなでる。


かんぜんにちょーしにのってる。

だけど、ぼくはおこらない。

だって、すきだし。


すると、ぱんつのなかにはいってきた。

でも、ぼくはおこらない。

だって、すきだし。ねむたいし。


しばらくなでられて、てがとまった。


「くぅ……くぅ……」


やつのねいきがきこえてくる。

とちゅーで、ちからつきたらしい。

まったく、こまったやつだ。


だけど、ぼくはこいつがすき。


「おやすみ……きょーいくがかり」


そのままぼくらはなかよくおひるね。

ぱんつにてを……いれられたまま。


「うぅ……頭が痛い……!」


そして、目が覚めたボクは知った。

……お酒、怖い。

頭がガンガン。クラクラする。

しかも、奴がパンツに手を入れている。


「れんかもつるつるれすね〜……くぅ」


ボクの教育係と、酒を飲んではいけない。

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