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殿下の教育係  作者: 戦乃作為
第1章 【軟禁生活と日常】
24/111

第23話 『オレっ娘の秘密』

「よっ!また来てやったぜ!!」


すぐにオレっ娘が現れた。

前回の失態を挽回するかのような元気さ。

どうやらメンタルは強いらしい。


「よく来てくれた」

「殿下にまた会えて嬉しいぜ!」


快活な笑みを見せるオレっ娘。

前回は気づかなかった八重歯が眩しい。

これが彼女のチャームポイントのようだ。


「んで、今日はオレに何の用?」

「お前を呼んだのは他でもない」

「なんだよ、改まって」


キョトンと首を傾げるオレっ娘。

そんな彼女に本題を告げる。


「ちょっと尻を……」

「殿下。あくまでも、さりげなくです」


ストレートに聞くのは不味いらしい。

教育係の諫言で思い留まる。

ここは遠回しに確認しよう。


「ちょっと後ろを向いてくれないか?」

「あん?なんで?」

「お前の後ろ姿を目に焼き付けたい」

「は、恥ずいこと言うなっ!?」


何故か顔が真っ赤になったオレっ娘。

これは失敗かと落胆するボク。

だが、しばらくすると後ろを向いてくれた。


「ほ、ほらよっ!勝手に見やがれっ!」


ありがたい。オレっ娘は優しい奴だ。

ボクはさっそくお尻を観察する。


「ふむ……よくわからんな」


ボクと同じような半ズボンを履いている。

確かに、尻は上向きだし、張りも十分。

しかし、余りに色気がない。


三つ編み眼鏡のようなインパクトも。

黒髪ロングのような柔らかさも。

銀髪メイドのようなバランスの良さも。


そして何より女性らしさが欠如している。


「殿下、もっとよくご覧下さい」


失望を隠せないボクに耳打ちする教育係。

それに促され、もう一度見ると……気づいた。


オレっ娘の半ズボンに、パンツラインがない。


「なん……だと……?」

「お気づきになられましたか」

「ああ。あれは一体どういうことだ?」

「実際にご覧になられた方が早いでしょう」


驚愕して何が何だかわからないボク。

教育係は不敵な笑みを浮かべ、動く。

音もなくオレっ娘の背後に忍び寄る。


「ちょっと失礼致します」


そして、思いっきりズボンを下ろした。


「うわっ!おいっ!何やってんだ!?」


堪らず喚くオレっ娘。

思わず目を見開くボク。


晒し出されたオレっ娘の下着。

男装の彼女がどんな下着を穿いているのか。

どうしてパンツラインが浮かばないのか。

様々な疑問が重なり、期待が高まる。


そんなボクの目に飛び込む……スパッツ。


「……えっ?」

「スパッツだから恥ずかしくないもんっ!」


拍子抜けするボク。

オレっ娘の言い分はもっともだ。

色気のかけらもない、黒のスパッツ。

これが真相とは……なんとも世知辛い。


「その下に何か穿いておられるのですか?」


放心するボクの耳に教育係の問いが届く。


スパッツの下……だと?

それがなんだと言うのだ。

スパッツであることには変わりない。


「何も穿いてねーよ!それがどうした!?」

「ならば、それはパンツと一緒です」


オレっ娘の返答に教育係は断じた。

それはパンツであると。


なるほど。

確かにその通りだ。

その下に素肌があればそれは下着。


つまり、オレっ娘はパンツ丸出しである。


「お、お、お……!」

「お? で、ございますか?」

「覚えてやがれよぉーっ!?」


捨台詞を残し、オレっ娘は退散した。

今日は素が出なかっただけマシだろう。


「なかなか良い見世物だった」

「お気に召しましたか?」

「ああ。だが、ボクは不満だ」


オレっ娘のスパッツを見れて満足だ。

しかし、ボクは不服だった。


「如何なされましたか?」

「お前はボクの尻を触り、評価した」

「それが何か?」

「不公平だ。お前の尻も触らせろ」


教育係に不満をぶつける。

すると奴は尻をしっかりガードした。

そして片目を瞑り、悪戯っぽく忠告する。


「私のお尻に触るのは犯罪ですよ?」


ボクの教育係は本当に理不尽な奴だった。

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