ボクハダレダ
第1章:未来
皆さんは<タイムトラベル>というものを信じるであろうか。
僕は絶対に信じない。信じるという人は是非ドラ◯◯んを出して欲しいと思う。
もし仮にあったとしたら未来から来た人間が
「21××年の今は、◯◯なんだ」と未来の出来事を暴露しているだろう。
しかし
仮に未来から来た本人が知らなかったらどうだろう。
自分が未来人であることを、だ。
これは僕が体験した物語
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『・・了、これより・・プロジェクトを開始する。・・号。おい、起きろ』
白衣を着た男たちが僕を見ている。
ボクハダレダ
まぶたが重い。僕は目をつむった。
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ココはどこだ…?僕は寝ていたのか、あの夢は一体…?
『おい、アヤト』
木の葉が薄々と緑になっていくGW。青い空の下で気持ちよく寝ているところに
大声を出して駆け寄ってきた美少女…
ではなく大柄でいかつい顔をしている僕の親友、林桐人だった。
『アヤト!お前ニュース見たか?』
あの晩年成績最下位の桐人がニュースを見ただと?まぁいい聴いてみよう
『何のニュースだ?アイドルか女優か、お前のことだからいっそグラビアニュースか?』
思春期の男子は大体こんな感じだ。許してくれ。
『お前、俺のことをどんな風に見ているんだ?』
…別名(変態の生写し)とは親友には言えない
『親友だよ、桐人』
ニコッとした顔を見せる
『たく…まぁそんなことより、これ見てみろよ』
桐人が取り出したのはスマホだった。今時新聞紙でニュースを見せに来るやつは
そうそういないだろう。そこには
『ヒューチャー発見!場所は椎羅市浜竹町の…』
『ヒューチャーってなんだ?』
僕の知らないUMAだろうか
『お前知らないの??あの有名な専門家、梶雅夫が初めて発見したヒューチャーだよ!
ヒューチャーっていうのはhuman×futureつまり未来人のこと。』