バレンタインランチ
君はいつものカウンター可愛い黒猫。
視界にハマるのは揺れる猫耳。
「お待たせいたしました」
君は『にゃー』と歓声をあげる。
チョコレート尽くしのショコラランチ。
器用にフォークとスプーンを操る黒猫。
時々、カウンターを蹴る彼女の立てる音に笑いが溢れる。
「てんちょー。しーあーわーせー」
「チョコレート好き?」
ホントの表情は全然見えない。
それでも全身で幸せそうで、僕まで幸せ。
「んー。てんちょーが好きー」
着ぐるみにゃんこがデザート最後のひとさじをぽかんとした僕の口に突っ込んだ。
「あーん成功!」
着ぐるみちゃんとてんちょー