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文系少女
「ありえない」
そう言うしかないだろう。
私だってそう思う。
「もう1回聞く。代数100点?」
「イエス」
「ちなみに代数の平均点は?」
「クラスで51点、学年は50.4点」
「・・・OK。じゃあ図形は?」
「41点」
「・・・平均点は?」
「クラスで62点。学年で61点」
「・・・おかしいだろ」
そう、兄は呟いた。
高校2年の兄は、私のよき(悪しき?)相談相手である。
「お前、どういう脳をしてるんだ?ハルカ」
「多分、文系」
「確かに国語と英語は得意だな・・・でも代数ほどじゃないだろ」
「まあね」
「かといって数学が得意とは言えない____図形がひどすぎるから」
「知ってる」
「ハルカ、将来の夢は?」
「裁判官」
「・・・」
「まあ数学にちょっと問題があっても大したことないのは確かだから」
「それはそうだけどさ・・・」
「はいはい、じゃあ私寝るから。お休み、兄貴」
「お兄ちゃんって呼びなさい!あとまだ昼の4時ですけど!?」
「昼寝。晩ご飯できたら呼んで」