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兄と私  作者: 咲野音葉
4/4

モテる兄と


ずるずるずるずる


く…首が苦しい…。


さっきからずっと首がしまっている状態なのだがりゅう兄が怖くて文句が言えない…。


えー…このままだと私死んじゃいますよー…?あのー??


抗議の意を込めてりゅう兄をみてみる…と、その視線に気づいたのかりゅう兄がこちらをみて……笑った。


「ひっ…!」


「ちーとーせ?何か言う事はないかな?」


こ、怖っっっ!!笑ってるけど目が笑ってない!!


「ご…ごめんなさい。」


答えると手がぱっ、と離れた。あぁ…おかえりなさい酸素…。


「てゆーかさ?ちとせ、俺は結構モテるんだぞ?お前と違って」


は?何言ってるんだこの人??ていうか私と違ってって…っ!


「わ、私だってモテるもん!!」


「へえぇ?」


あ、この目は疑ってる目だな


「本当だし!今年だって何人かに告白されたんだからっ」


「はっ、ウソだな、お前彼氏作った事ねーじゃん」


「こ、断ったの!っていうかりゅう兄だって一回もチョコもってきてないじゃん!!なんで!」


「好きじゃないから」


…は?なんだって?


「だってもらうもん別に俺の欲しいものじゃないし」


「分かる奴がいるか!!」


なんだこいつは!最低か!?


「ちとせは?」


「…え?」


な、なんだ突然


「なんで断ったの?」


「……。」


…あれ、そういえば何でだろう。


目の前を歩くりゅう兄がぱっとこちらを振り返る。


「…わかんない」


なんだか目が合わせられなかったのでそっぽを向きながらそう答えた。わからないものはわからない


「ふーん」


私の返事をきくと再びりゅう兄は前を向いて歩き出す


「モテる子はたーいへんですねー」


「なっっ!?」


ちょ、なんだそれ、どういう意味


「…っっうわ?!」


意気込んでりゅう兄の方へ走ろうとしたら足元が滑って勢い良く前へ突っ込む。


…痛い。というか恥ずかしい、うわぁりゅう兄爆笑してるよ、最悪だ


するとフワッと頭に何かがかかる


「ははっ、ほら、大丈夫か?」


マフラーだった


「……。」


そう言いながらりゅう兄は私を立たせた


「…マフラー、別に寒くない」


「ははっ、嘘つけ、ほっぺた超冷たかったぞ!」


「ひっ!冷え性なの!!」


子供扱いがなんか腹がたって文句を言うもりゅう兄は、はいはいっと笑いながら歩き出してしまった


「バカでも風邪引くんだから、マフラーぐらいしとけよー」


「う、うるさいな…わっっ?!」


と、突然手を掴まれた


「ほーら帰るぞ!!」


と思ったら全速力だー!とか言って走りだした。





…こうやってマフラーを貸してくれた時、少しだけ格好良かったかもしれない


なんて思ったことは秘密だ


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