口は災いのもと!
えーと、美咲ちゃんにはなんだか変な顔されたままだったけどとりあえず教えてもらえることになったので良かったと思う。
持つべきものはやっぱり有能な友達だよねっ!!うん!
「……あのさ?ちとせ。その、やっぱりその人は…本命じゃないの??」
「へ??」
軽く雪が降った帰り道。美咲ちゃんはおずおずといった様子で私にきいてきた。
ん?あの人………?
「あぁ!りゅう兄のこと??」
「……うん。その人さ、ちとせに注文するんだよね?」
…ん?
「そうだよ?」
「毎年?」
「う、うん。」
「………。」
…あれ、また変な顔された。しかも今度は考え込んじゃった。あれぇ??
「み…美咲ちゃん??」
と、とりあえずりゅう兄との事だよね、解決しとかないと!!
「あ、あのね美咲ちゃん。りゅう兄は本命じゃないんだよ!?というか本命な訳がない!!!」
「………え?」
私はとりあえず勢いに任せてわーーっと美咲ちゃんに詰め寄る
「あのね!毎回毎回ね!あれ食べたいこれ食べたいってただチョコのお菓子食べたいだけなんだよ!!きっと!!つまに自分が食べたいお菓子をただで食べてやろうっていう魂胆なの!!」
「…え、と。」
「っていうかねー、普通年下の幼馴染に頼む?!去年なんかあれよ?!チョコレートファンウンテン!!どんっだけ準備と後片付け大変だったか!!」
「…あのー…ちとせ?なんか…」
「あれだ!!あいつ絶対もててないんだよ!!うん!あいつはほんっとうに」
「ほんっとうに……なに?」
「ひっ!」
がしっ
あ、あれ??なんか。聞いたことある声が……っ。そして頭っ!頭に乗ってる!!首!!首に腕がっっ!!!
「…り……りゅうにっ…」
「やーちとせ!奇遇だなー!こんなところで偶然会えるなんて!!」
ひいぃ!!こ、こわっ!!顔が見えない分こっっわ!!!こ、これは逃げるしか……
ぎゅううう
「っっっ!!!!!」
と、思ったがりゅう兄が腕の拘束を緩めてくれるはずもなく。逆に強くなった。
ひっ、ひいいいい!?!?!?
「ちょーっと、お話しながら帰ろうか!ちとせちゃん?」
「え…いや、えーと」
「あ☆お友達!生きてたら明日もこのバカよろしくね!!じゃ!」
「……は…はい…。」
いーーーーやーーーーー!!
ずるずるずるずる
ずるずると連行される私をみて、美咲ちゃんはただ茫然としていたのでした。