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至上最強迷子  作者: 月下部 桜馬
1章 始動編
43/85

43話 天性のスターに凡人の気持ちは届かない

評価ポイントが10,000ptを越えました


読者の皆様がいて下さっての作品だと思っています

ありがとうございました


 全身全霊であたしを保護したい皇帝と、それを断固拒否するあたし。もちろん話し合いは平行線に決まってて…


 「後見人にはメルフォス一家がなってくれるって言ってるからそれでいいでしょうがっ!!」


 え?敬語はどこいったんだって?

 そんなものはこの台詞を10回ぐらい言ったところで消えて無くなりましたよ。


 「だから何故だ?メルフォスの立場は今はすでに帝国騎士団長だぞ。それならば皇帝の私と立場はそう違わない。ならば私でもいいではないかっ!!」


 皇帝の言い分に思わず頭を抱えたくなる。さっきからこの会話を繰り返してるけど、一向に相手が折れない。

 あのさ…この国の一番偉い人と2番か3番じゃ全然違うし、皇帝の後見なんていう、どこぞの葵の印籠みたいな物を持って魔術学院入学してみなさいよ…どうなるかなんて一目瞭然すぎるでしょ?

 心の底から平凡に暮らしたいあたしにとって、それは拷問に近い状況を生み出すって事を何故この人は理解してくれないんだろう…あ、あれか?産まれた時から人の視線のど真ん中に居た人にはこの話は理解し難い事なんだろうか?厄介だ…厄介すぎる。

 あたし的にメルフォスさんの後見であれば、多少のやっかみは受けるかもしれないけど全然ましって感じだと思う。それにミレーヌも一緒に入学予定だし、実子と後見だったらどうみても注目されるのは実子であって、上手くやれば後見なんておまけみたいな扱いしかされない筈。


 …全然ミレーヌを人身御供にしようなんて考えてないですよ?ただ彼女よりはちょっと長い年生きてるってだけです。何かあったら義姉としてちゃんと守りますし…もちろん影からですけどね…というわけで


 「私の都合もメルフォスさんの後見の方がいいんです」

 「だが…アサミズは手配書で私の探し人だと少なくとも帝都ではかなり知られている。先ほどのように、いつどんな危険が舞い込むかわからない。私の後見であれば少なくとも多少は牽制になる筈だ」


 誰のせいじゃ~~っ!!!と叫びたいのを飲み込んで、にっこり微笑んであたしの対策を説明する。


 「もちろん面が割れてるのは百も承知してるんで、それなりの対策は考えてます。っていうか髪と瞳と化粧すれば、大抵の人には気付かれないでしょうし」


 これでも『25歳』ある程度化粧での化け方だって覚えてるし、髪ももっと念入りにカラコンだって製作しちゃって変装モード完璧にするしさ。そんなあたしの変装を見破る人なんて皆無だと思うわけよ


 あ…眼鏡っ子とかもいけるか?三つ編みお下げで黒の法衣なんてきた日にゃ……どこぞのコスプレ大会。


 自分の考えが暴走してると、皇帝がむくれた感じの声で思考を遮断してくれた


 「私は髪の違いでも気付いたぞ…」

 「そんなのは黒の加護者ぞっこんラブなだけです」


 はい、ずばっと切り捨てます。だって刷り込み教育は危険ですからねっ!!

 ずぅ~んと落ち込む皇帝の傷なんて舐めてやりませんから、これも黒の加護者ぞっこんラブからの脱却、第一歩です。


 …ってぞっこんラブっていつの言葉だよ。完全なる死語を生き返らせてしまった…。


 「それにあたしの完璧な変装を見破るような輩は皇帝の後見なんて痛くも痒くも無い人達でしょうから、皇帝の後見におまけでついてくる余計な輩の方が断然迷惑です」

 「………」


 追い討ちをかけた第二歩目はかなり効いてるようで、潤んだ目が今にも泣きそうな感じ。イケメンは何でも絵になりますね~って傍から見てる分にはいいんですけど、当事者のあたしにとってはいい大人がそんな事をして…としか感じず、せめて捨て犬程度の目で勘弁して下さいと切に願います。あたしの「いい大人が…」視線を感じ取ったのか、少し皇帝は顔を引き締めるとあたしに問いかけてくる


 「…ならば、アサミズは私に何をして欲しい?」

 「『国の為』にも関わらないで頂けるのが一番かと…」


 残酷な事を言ってるのかもしれないけど、あたしの側にいるとこの人は刷り込み教育が発揮されてしまうのだから、離れているのがこの国の為。


 …それがあたしの為だなんて、そんなおこがましい事微塵も感じてませんよ!


 「…無理だ。それならば…アサミズを城に閉じ込めてしまう」

 「はぃ?」


 …なぜいきなり監禁発言?

 しかもどうして危ない発言をした人が顔を背けて苦しそうな顔をするのさ…


 「国の為と言うならば…アサミズを城に閉じ込め、私の目に届くところに置いておかなくては完全には国政に集中出来ない」


 待て待て待て~!!!怖いっ!!その発言盲目過ぎて怖い!!

 あたしが無言で皇帝の危険発言にどう対処していいのか頭がフル回転している間も皇帝は言葉を続ける


 「…そんな事は出来ない事もわかっている。だが、これでもかなり譲歩してるんだ…。全く関わるななど…言わないでくれ」

 

 ですよね~我慢はよくない!

 ストレスは溜め込むと大爆発起こしますからねっ!この場合どうみても大爆発の被害はあたしだけにくるようですし、そんな大爆発、対応出来る自信ないですからっ!!




 「じゃ、じゃあ!こうしましょう!!」



 とりあえず何も思いついてないけど…思いついたフリをした。



 …いや、だって皇帝の顔見てると今にも大爆発起こしそうなんですもん。

どんどん皇帝がヘタレになっていくのを止められません。


…ヘタレなのは日和の前だけなのですが、日和視点だとこうなってしまうのでしょうね…

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