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至上最強迷子  作者: 月下部 桜馬
1章 始動編
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42話 黒の凸凹

 年齢のカミングアウトという暴挙に出たあたしに待っていたのは、罪に問われるなどでは無く、どうやったらこんな体型を保てるの?と医学的に疑問を持った医師の身体測定という名の超セクハラ、「生命の神秘だわ…」と聞こえた呟きには思わず右手が出そうになったけど、キラキラした瞳でこちら見つめる姿に心が萎えた。


 「残念っ!!タイムリミットだわ」


 心底残念そうに言った医師に対し、あたしはガッツポーズを捧げよう。

 あたし頑張ったよ!よく耐えた!よくやった自分!!


 「まだまだ色々知りたいけど!でも…嫌われたくないし我慢するわっ!」


 ぐぇ…これ以上って何する気?精神的疲労が半端ないんですけど…

 嫌われたくないというか…もうすでにあたしの中で要注意人物決定ですけどね。

 

 「それじゃリュージュ。あたしこれから手術だから、これ以上アサミズちゃんに傷つくらないでよ!ほんっとに怒るからね!!」

 「するかっ!!!」

 「アサミズちゃん!!『またね!!』」


 医師は皇帝の言葉を受けながらも微笑んで、あたしに手を振って去っていった。『またね』部分の強調は無かった事にして貰いたい…心からそう願います。


 …で感じる視線。その方向に目を向けるとじっとりこっちを見つめる皇帝と目が合った……何か言いたげ?


 「…何ですか?」

 「年齢の他は……信じていいのか?」

 

 …はい、選択の時が参りました。ここで全部話すべきか否か。

 困った…なんせ会うの3回目だし、ずっと一緒に居てくれたメルフォスさん一家みたいに全部信じるとは思えないんだよねぇ…現に城内でさっき襲われてるしさ。


 「…嘘はついてます。でもその内容を話せる程、私は貴方の事を知らないので…」

 「………」


 後頭部の痛みが気になりながらも、さらに気になるのは目の前にどんよりと座る皇帝…はっきり言って鬱陶しい。「私は信用されてないのだな…」とかぶつぶつ呟くの止めて頂きたいんですけど。

 

 「あたしは…信用って築くものだと思うんです。あたしと皇帝の間にそんな時間は無かったんで…」


 というかこの世界に来て一番初めに剣を突きつけてきた人をどうやって信用しろと?出会いは殺されかけて最悪、2回目も手配書の件でこっち縮こまりっぱなしだし、3回目はあたしを迎えに来たと言いながらあたし置いて帰って、追いかけて来たら殺されかけたし……



 あ、あたし殺されかけまくってんじゃん……これ信用とか以前の問題じゃね?



 あたしが回想でこれは無理でしょ!とか思ってると、皇帝がぼそぼそ喋り出す


 「…黒の紋章使いは、全身全霊をかけて黒の加護者を守る使命を持っている。私は君を守りたいんだ」

 「…待って下さい。一国の王様が一人を守るとか駄目でしょ。ザッ博愛精神ですよ?別に精神的にはメルフォスさん一家に守られてますし、実力行使的にもこちらの魔法覚えたらなんとかなりそうですし、守ってもらわ…」


 途端に捨てられた仔犬の目をする皇帝に、続く言葉が詰まってしまう

 皇帝はあたしと目が合うとその目を伏せ、紋章がある部分の服をぎゅっと掴んだ。


 「私は…産まれた時からこの紋章と共にあった。それは皇帝になる前からずっとだ…ずっと今までに現れた事の無い黒の加護者を夢に見て来て…やっと目の前に現れてくれたのに皇帝だからと…」


 …いや、それ完璧呪いだし、『黒呪』ってあながち嘘じゃないわ。


 『黒の紋章使いだから黒の加護者を守らなくちゃいけない』


 これって小さい子供に『使命』という刷り込み教育するようなもんでしょう?例え黒の紋章使いである事によって何らかのオプションを手に入れていたとしても…この考えは受入れられない。

 使命とか運命とか…自分自身以外の手で左右される人生なんてあっていい筈がないっ!


 そう!いい筈がない!あたしだって勝手にこの世界に飛ばされていい筈がないっ!!


 …こほん。話がずれたけど、つまりこの皇帝はその刷り込み教育によって黒の加護者が出現すると自動的にそれの保護者にならざるをえない立場にいるってわけよね?


 「…アサミズ」

 「…でもそれってあたしじゃなくてもいいんですよね?」

 「アサミズ?」

 

 だって黒の加護者であれば誰でもいいのであって、あたしである必要は無い。


 「……そんな呪い…あたしが解いてあげます」


 そんなものに捕われてたら、この人の一生勝手にあたしに捧げられてしまうし、そんなのごめん被りたい。自分だけでも精一杯なのに人の一生背負わされるなんて無理に決まってる。


 「呪いなんかじゃないと言ってるだろう」

 「……」

 

 いえ、正しくそれは呪いです『黒呪』です。しかも双方にとってのね。

 紋章の件は黒の支柱に言えば何とかなるような気がする、でも黒の支柱に会うにはあたしがこの世界の魔法を覚えるという課題をクリアしなくちゃいけない。


 「よしっ!とりあえず目先の目標見つかった。あたし頑張って魔法覚えます」

 「…ならば私はアサミズの信頼を得られるように努力しよう」


 こうして思惑の違う、黒の凸凹コンビ?は出来上がった

たくさんの方に読んで頂いて嬉しいです。

twitterのなろう読んだの感想も拝見しています。


心から感謝を込めて

ありがとうございます。


活動報告を使い出しました

とりあえず私のイメージ画を載せていく予定です。

自分の中のイメージが壊れる!という方は無視して下さい


というわけで今回は閑話ではなくイメージ画で…

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