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至上最強迷子  作者: 月下部 桜馬
1章 始動編
32/85

32話 ついてないのは皇帝のせいだ

文章評価・ストーリー評価が1000ptを越えました

ほんとにありがとうございます


 人混みから出ると空気が美味しかった。

 例え警備員さんに両腕を抱えられ人混みから出る姿が現行犯逮捕のようでも、それを見た人がひそひそ話していたとしても、この空気を吸えただけで良しとする。


 まぁ…サングラスも悪役に一役買ってると思うけどね…


 あたしはようやく色んな意味で自由になった身体を解す為に、思いっきり腕を伸ばして伸びた。


 「う〜ん!!」

 「アサミズ様、どうぞこちらへ」

 「あぃ!ご、ゴホン。す…すみません」


 思いっきり伸びているところに話しかけなくてもいいではないか…と思う。思わず変な声が出たのを咳で誤摩化したけどあまり効果は優れない…

 警備員さんに前後を挟まれ取りあえず進むけれど、途中の今でさえ自分で元の場所に戻れと言われても絶対に出来ない自信がある。


 こ、この城どんだけ広いの?


 皇帝の部屋からガース国の使者の人がいた部屋までもかなり遠かった様に感じたのに、今歩いてる距離はそれとは比べ物にならない。

 『関係者以外立入禁止』を何度潜れば目的地に着くのか解らず、そんなに医術部とは遠いものなんだろうか?とだんだん人の数が減っていくのを見て、どうしても頭に不安が過る。


 「あのぉ〜後どれぐらいかかるんでしょうか?」

 「申し訳ありません。もうすぐ医療部ですので…」

 「はぃ……」


 この会話が約10分前。

 いくらこの世界を3年しか知らなくても、周りに人が全く居なくなったら危険だって事ぐらいわかりますよ?えぇ、見事に居ませんよ?私たち以外。


 「…貴方達ほんとに警備員ですか?」

 「………」


 …無視ですか。

 怪しさ満開じゃないですか…


 「…あのぉ、トイレ…」


 言った瞬間に後ろの警備員から首に何かを突きつけられた感触は、トリップした日に味わったものと同じ感じで…ゆっくり突きつけられたそれに目をやる


 「……やっぱり刃物」

 「アサミズヒヨリさん。私たちと一緒に来て貰いましょうか?」


 少しハスキーボイスなその声は、こんな時で無ければカッコいいと思える声で


 「…惜しい。惜し過ぎる」

 「アサミズヒヨリさん?」

 「あ〜もしかしてもしかしなくても…これって誘拐ですか?」


 前の警備員が帽子と上着を脱ぎ捨てる。浅ましい笑みを浮かべてこちらを振り返る男はどうみても犯罪者だ。それに比べて後を振り返るといい声男も帽子と上着を同じ様に脱ぎ捨ててはいるけれど、全く印象が違う

 

 うん…君は犯罪者っていうより、怪盗とかの方が似合いそうだ。


 しかしこれって予知ですかね?対象があたしじゃないけど…マジで現行犯逮捕じゃん。


 「…なぁ〜んであたしなんですかねぇ」

 「顔絵とはちょっと違うようだけど、君に手配書で結構な金額ついてるの知ってるよね?手配書は取り下げられたけど、君自身の価値は下がってないだろう?あの場内音声を聞けば大切にされてるのがわかるよ」


 ん〜、やっぱ聞けば聞く程いい声だわ。


 しかし…色んな意味で皇帝、殺!

 あたしが皇帝に呪音を送っている間に、いい声男が話を続ける


 「それにしても、今日はそれでなくても犯罪発生率が高い日なのに大切にしてる割には一般人の中に警備も付けないで居るなんていい度胸してるよね?まぁ居るだけなら、黒い眼鏡と髪の違いで手配書の女だとは気付かないけど…」


 …場内放送であたしの名前ばんばん言っちゃってたもんね〜。しかもこっちから助けて下さいとか言っちゃってるしね…もしかして…


 「あの緑の髪の人もグル?」

 「ゲヘへ、違う違う。奴はほんとにたまたま側に居た警備員に声を掛けただけだろうよ。それが警備員に化けてた俺たちだったってのがお前の運のツキだったな。ゲヘへ」


 …前の奴には喋って欲しくないわ〜。

 別にあたし正義感とか強くないのに犯罪者しすぎてて今すぐ捕縛したくなる。

 よし、呼び方『犯罪者』に決定!

 『いい声男』と『犯罪者』…なんて凸凹コンビなんだ…犯罪者が哀れで泣けてくる。

 しかし、それはそれ。これはこれ!


 「あのさ〜誘拐って弱い者を連れ去るから成り立つって知ってる?強い者を連れ去る時にはね、ちゃんとそれを動けなくする人質というものが必要なんだよ?」

 「何言ってやがる…」

 「だからこの状況だったらね。あたし自由に動けちゃうわけですよ。それはもう自由に!貴方達は少なくとも今すぐあたしを殺せないでしょう?」

 「このクソ餓鬼が…」


 犯罪者に睨まれるけど、魔法を使えるからか初めて皇帝に剣を向けられた時と違って今はあんまり恐怖を感じない。


 「てめぇ…自分の立場がわかってねぇようだな。他にも金になるネタはたくさんあんだよ!!今すぐてめぇを殺したところで俺達は痛くも痒くもねぇんだよ!!!」


 犯罪者は単純だ。

 あたしに逆上していらない事をベラベラ喋ってくれる。


 つまりあたし以外にも誘拐された子が居るって事で……果てしなく面倒な事に巻込まれた気がするけど、だからって関わっちゃったからには、ここで無視したら絶対後味悪くなるし…


 「そうですか…なら」

 

 しっかしほんとに皇帝絡みになるととことんついてない。


 あたしはそう思いながら前後の二人組の横、1m部分に固定した直径60cmの空気の塊を時速50kmでぶつけてやった。二人とも殺さない様に吹っ飛んだところを柔軟性をもたせた水の塊で受け止める。



 原チャリに引かれたぐらいじゃ打ち所が悪くない限り死なないでしょう?



 …腕の骨折ぐらいはいっちゃってるかもしれないけど…ね。

閑話をUPしています。


突然寒くなりましたね。皆さんお体は大丈夫ですか?

私は案の定、発熱しております(笑)


皆様お気をつけ下さい。

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