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至上最強迷子  作者: 月下部 桜馬
1章 始動編
23/85

23話 意外と図太い精神力でした


 二人と話をしている間に結構な時間が過ぎていてあたしの体調の事もあって、後は明日にしようと言って二人は帰っていった。


 

 お気遣いは嬉しいんですけどね、こんな状態で寝れる図太い神経してないんです…



 ベッドに入って目を閉じてみても、あたしの頭の中は今日体験した事と今聞いた情報が錯綜してて、全く持って混乱状態のままで眠りなんて訪れてくれない。



 だからと言って考えて何か解決があるわけもなく…



 「…どうしろっていうの?」



 黒の呪いとか言われても、全然ピンとこないし。こんなあたしが皇帝を助けて上げるなんておこがましいでしょ?

 それにそんな事を期待されているのだったら帝都に行くのとか断固拒否したくなる。



 黒の加護…っていうのも、どうみても暗黒なイメージしかないし、そんな物受けた日には魔王になるしかないんじゃないですか!?


 魔王決定ですか!?って不安にもなる



 …あたしは元の世界に帰れないのなら、せめて平凡に暮らしたいだけなんだけど

 

 何て無限ループな悩み


 「…こうやって悩んでる…この状況が果てしなく面倒くさい」


 

 …でもいくら行きたくないと言っても、もう一度城に戻って皇帝に会わなければいけないのが現実。

 

 「…なら今ジタバタ考えても仕方ない。寝よう」


 口に出してみると意外と実行できるみたいで、あたしは身体の疲れもあってそれから5分もしないうちに眠りに落ちたのだった



 ****


 

 目覚めるとすでに周りは明るくなっていて、すっきりした自分に思わず「自分が思うよりずっと神経が図太かったね」と突っ込むのを忘れない

 今何時だろう?と、とりあえずベッドから起き上がって服装が昨日のままなのを苦笑する。昨日帰る時にライザさんに今日はゆっくり休むように言われていたし、起きたら宿へ顔を出す約束だったから、身支度を整える時間はまだある


 「お風呂入りたいな…」


 服には付いてなくても、何だか嘔吐のにおいが微かに残っている気がする。


 お風呂に入ったら少なくとも身体的にはすっきりするだろうし…


 あたしは部屋の奥に設置した浴室に入ると、そこで魔法を唱えた。

 この世界の魔法はどちらかというと精神的な物が多く、化学では説明出来ないような物も多いけど、あたしの魔法は基本元の世界の化学を基本にしている物が多い。

 そんなやりかたは「はじめてのまほうのつかいかた」には載っていなかったし、思いっきり外法な気がするけど、使える物は使わないと損な気がするし、あたしには理論を説明出来るこのやり方が合ってる気がした。


 例えばお湯にしても、この世界では川の水と火の魔石を使ってお湯を作る。


 基本面倒くさがりなあたしはある程度の大気を手の中に集め、大気中に漂う水蒸気に圧力をかけて気体から液体へ変化させ、乾燥大気の酸素で小さな爆発を起こし熱を発生させお湯を作る。圧力バランスを沸点40度で設定する事によって沸騰すると流れ出るようにした

 

 外から見ると前にかざした手の間からお湯が吹き出ている形で、元の世界ではありえない事だと思う…多分この世界でもおかしいかもしれない。



 …楽チン便利です。

 …え?昨日神様に誓った事?

 ちゃんと自分で行ってるので昨日の誓いには当てはまらない事にしておきます…


 ある程度お湯が溜まった状態になったら、着ていた物を脱ぎ捨てゆっくりお湯につかる

 

 「いい気持ち~」


 思わず鼻歌が出たけど、いかんせん壁が薄いのでちっちゃく歌う

 

 この世界にはなかったのでポンプで浴槽のお湯を汲み上げるシャワーも作ってしまった。これはライザさんやミレーヌにも好評で感謝された。

 なかなか快適なバスライフはあたしのこの世界に来てからの数少ない自慢だったりする

 


 身体をすっきりさせて浴室から出たところで聞きなれた騒音が部屋に響き渡った



 ばぁ~んっ!!!



 今月16回目の玄関の破壊。

 そして飛び込んできたミレーヌを抱きとめる。



 「ひよぉぉぉぉ!!!!」


 

 キチンと服を着ていてよかったと心の底から思ったのだった

今日まではストック無しだったので…更新遅れてしまいました。


明日からはまた12時更新に戻ります

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