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至上最強迷子  作者: 月下部 桜馬
1章 始動編
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22話 黒い謎解き


 ほんとの子供のように心配してくれる二人にもう嘘はつきたくなかった。


 だから手配書を前にしてメルフォスさんとライザさんに今日起こった事も含めて、あたし自身の事を全部話した。


 どういう経緯で手配書になったというところでは、実は最初にこの世界に飛んできたのは皇帝の寝室だった事も話さなければならなかったのだけど…



 …これはさすがに黙ってた事を怒られた



 皇帝の魔封じが効かないと言った時にはメルフォスさんが驚愕し、12歳に間違われた話の時には、ライザさんがお茶を噴いた。

 

 …わかってます。

 実年齢を言った後ではその反応になりますよね…


 そんな話もしつつ、自分が疑問に思っていても聞けなかった事を二人に質問する

 

 「この国も含め、他国の皇帝も親を失った子を片っ端から保護するんですか?」


 と尋ねたら、そんな国は無いと二人ともに全力で否定された。

 昔はこの世界にも国家間の戦争や魔族との闘争があったらしく、孤児はガルフェルド国を含むどの国にも居て、それを保護する団体の話などは聞いた事があっても皇帝自ら後見人や保護などの話は聞いた事が無いと言われた。


 

 つまりはやっぱりあたしの一件は特殊な訳で…


 

 全部話し終わって訪れたのは沈黙。


 

 「………」

 「………」



 メルフォスさんは何か考え込んでいる感じだし、ライザさんは黙ってメルフォスさんを見ている。

 あたしからこの沈黙を破る勇気は無く、やっぱり話し出したのはメルフォスさんだった


 「ところで日和はこれからどうしたいんだい?」

 「はっきり言って出会い方も最悪だったし…どうして皇帝にこんなに関心を持たれたのか全くわからないんで…このまま帝都に行くのは怖い感じがします」

 「あぁ。それについてはちょっと心当たりがあるんだけどね…」

 「えぇ!?」


 どうしてメルフォスさんに心当たりがあるの!?

 あたしの説明で変なところがあったとか!?

 

 ストーカーされるような変な行動した覚えないんだけど…

 もしかしてあたしにこの世界で誤解されるような態度があったとか!?


 

 「…な、なにかあたしに…悪いた、態度が…あったでしょうか」

 「まぁ…いきなり皇帝の寝室に乗り込んで殺されなかったのは奇跡だよね…」

 「あんたっ!!!」


 ライザさんがメルフォスさんを怒ってくれるけど…あたし的には


 や、やっぱりそこですか!?って感じで…

 皇帝は別に構わないって言ってましたけど、やっぱり罪人決定ですか!?


 「日和もライザも最後まで話を聞きなさい。日和は殺される筈だったのに殺されてないだろ?」


 ひたすら落ち込むあたしにメルフォスさんが言葉を続ける


 「陛下にも日和を殺せない理由があったんじゃないか…と僕は考えてる」

 「な、な、な、何ですか?理由って……も、もしかしてあたし何か変ですか!?異世界人を斬ったら呪われるとかですか!?」


 あたしは自分の身体を色々調べるように手を忙しく動かす。

 そんなあたしを見てメルフォスさんは苦笑を浮かべる


 「違う。日和じゃなくて…ガルフェルド皇帝は黒呪を受けている…と聞いた事がある」

 「こく…じゅ?」

 「そう。黒の呪い」



 あたしじゃなくて…皇帝が呪われてるんですか?


 まぁ、普通に毒で殺されるような生活してそうでしたから、皇帝が呪われてると聞いてもあんまり不思議には思わないですけど……だけど…



 「でもそれが…あたしに何の関係があるんでしょうか?」

 「詳しい事はわからないんだけどね。それに日和が関係してるんじゃないかな?と僕は思うんだよ」



 …そうしてメルフォスさんが指差したのは自分の目と髪。


 

 この世界では珍しい黒目と黒髪。



 「最初に日和と会った時には夜だったし実際は瞳の色の判別が出来なかった。光に当たると日和の瞳は茶色に変化するよね?その日の夜に部屋で日和の瞳が黒いのを見て実は驚いたんだ。日和には黒髪は非常に珍しいという話はしただろう?黒い瞳は…珍しいどころか僕は見た事が無かったんだよ」

 「…え?」


 …3年この世界で生活してたけど初耳だった。

 確かにあたしの瞳は日の光にあたると茶色に見える。だけどそれは日本人的には珍しくも何とも無かったから別に何の疑問も持ってなかった。


 「この村で生活する程度なら、気にする事はないと思って説明しなかったんだ。まさか僕らより先に皇帝と会ってるなんて思ってもみなかった」


 うぅ…黙っていた事が今になって重大事件になってしまった。

 でも、故意というより1ヶ月も経つとそんな事、忘れてしまっていたというのが実際なんですけど…


 「瞳の色というのはね、その人の力や魔力の特性を強く表す場所なんだ。黄色であれば光の力が強い、赤色であれは火、その二つの力を宿す人はオレンジ色の瞳になる。そしてその加護を受けて生活している」

 「…そうなんですか」


 遥か昔に見た美術のカラー見本を頭に思い浮かべるけど…いまいちピンとこない


 「白が全ての色に染まるのに対して、黒色は全ての色を飲み込む色。その力がどんな物なのか……はっきり言ってわからない」

 「………わ、悪い力なんでしょうか?」


 どうしても黒というイメージを悪く思ってしまうのは日本人だからだろう。


 「わからない。誰も知らない未知なる力だと思う。そして皇帝の呪いの内容もわからないけど黒呪と呼ばれるぐらいだから、日和に固執する理由は…きっと黒の加護が関係してると思う。まぁ、これはあくまで僕の想像だけどね」

 「黒の…加護」



 …平凡な日々がどんどん遠くなってる気がするのはあたしだけですか?



すみません。少し更新が遅れました

早くストックの日々に戻れるよう頑張ります

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