第8章:海岸線の不法投棄物(クラーケン)回収作業
盆ちゃんこと盆山茂の「週末の余暇」が、絶望の淵にいた冒険者たちにとっては「神の救済」に見えてしまう。その圧倒的な温度差を描きます。(AI談
1. 絶景のフィッシングポイント
「よし、今日はここに現場事務所を構えるか」
盆ちゃんは、沖縄本島ほどの面積を持つ孤島の南端、海面から垂直に切り立った1kmの崖の縁に愛車『盆山号』を停めた。
眼下に広がるのは、吸い込まれるようなコバルトブルーの海。盆ちゃんは『次元等価交易』でポチった**「超高強度カーボン製・深海用トローリングロッド(プロ仕様)」**を取り出した。
「晩飯はイカ刺しがいいな。タマ、醤油はあるか?」
屋根の上で丸まっていたタマが「キュイ」と鳴き、冷蔵庫を指差す。盆ちゃんは慣れた手つきで、特大のルアー(実はオリハルコン製の疑似餌)を1km下の海面へと投げ入れた。
2. 海上の絶望と「謎の釣り糸」
その頃、1km下の海面では、人間界のCランク冒険者パーティー**『銀の風』**が、人生最大の危機に直面していた。
「くっ、ここまでか……! なぜこんな近海に、伝説の**『獄炎大王イカ(カストロ・クラーケン)』**がいるんだ!」
リーダーのアルフレッドが、折れた剣を手に叫ぶ。彼らの乗る小型船は、巨大な触手に巻き付かれ、今にも粉砕されようとしていた。
「アルフレッド様、せめてあなただけでも……!」
魔導師のエレノアが最期の呪文を唱えようとしたその時、空から一本の「銀色の糸」が降ってきた。
その糸は、クラーケンの脳天に突き刺さっていた疑似餌から伸びていた。
次の瞬間、クラーケンの巨体が、まるで重力を無視するように猛烈な勢いで真上へと引き揚げられ始めた。
「な……!? クラーケンが、空へ……釣られている!?」
触手に絡まっていたアルフレッドたち4人も、そのまま巨大なイカと共に垂直の崖を急上昇していくことになった。
3. 「重いと思ったら、ゴミが絡んでるじゃないか」
「おっと、こりゃあ手応えがあるな。根掛かりか? いや、動いてるな」
崖の上で、盆ちゃんは盆山号の側面に備え付けた**『電動パワフルウィンチ(魔導版)』**のスイッチを入れた。
「手巻きじゃ腰をやるからな。文明の利器様様だ」
ギュリギュリと唸りを上げるウィンチ。1km下の巨大魔物(と冒険者)を、盆ちゃんは「ちょっと重い粗大ゴミ」を回収するような感覚で巻き上げていく。
やがて、崖の縁からヌッと姿を現したのは、全長50メートルを超えるクラーケン。そして、その触手の間に挟まって白目を剥いている4人の若者たちだった。
「おわっ!? なんだ、デカいイカだと思ったら、人間がくっついてるじゃないか。おいおい、こんなところで何してるんだ? 海への不法投棄は感心せんな」
盆ちゃんは、巨大なクラーケンを『概念模倣』で作った特大の出刃包丁(もはや大剣)で一瞬にして解体し、絡まっていた冒険者たちを「救助」というよりは「拾得物の整理」のように地面に並べた。
4. 冒険者たちの困惑
「……あ、あの。命を助けていただき、感謝の言葉もございません……」
リーダーのアルフレッドが、ガタガタと震えながら立ち上がる。
彼の目の前には、作業着(耐火・耐魔・防汚加工済み)を着て、首にタオルを巻いたおじさんが一人。そしてその横には、伝説の神獣フェンリルと、火を吹くドラゴン。背後には、見たこともない鉄の箱が鎮座している。
「いいってことよ。怪我はないか? ちょうどイカが大量に獲れたんだ、一杯食っていくか?」
盆ちゃんは、解体したてのクラーケン(SSランク食材)を、タマの火でサッと炙り始めた。
5. 神様の視点
> 【天界のモニタリングルームにて】
> 「し、茂ぉぉぉ! 釣り糸を垂らしただけで、海の覇者を釣り上げ、ついでに滅亡寸前の王国の希望(王子)を救ってしまうなんて……!
> 運命の糸を操作する神々でさえ、これほど鮮やかな『一本釣り』はできないよ!」
> レル・アストラは、画面の中で「醤油、ちょっと足りないかな」と呟く盆ちゃんを見て、感激のあまり床を転げ回った。
> 「よし、あのクラーケンの肉に『全ステータス永続上昇』の加護を付与しておこう! 茂と一緒に食事をした若者たちが、一晩で英雄になれるようにね! それと、茂が『麦茶』だと思って出そうとしているあの魔法瓶の液体を、**『神々の万能薬』**に変換しておいてやろう。茂、君のホスピタリティは世界を救うんだ!」
> ――盆ちゃんのログ:『料理:クラーケンの炙りが【神の晩餐】に昇華しました。飲み物:麦茶が【至高の聖水】にアップデートされました』
> 盆ちゃん:「ん? この麦茶、えらい喉越しがいいな。サントリーの回し者か?」
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