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現場のベテラン・盆ちゃん、異世界へ。〜過保護な神様が魔改造した孤島で、のんびりJIS規格外なスローライフを始めます〜  作者: 盆ちゃん


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第48章:大聖堂の「天漏(あまも)り」と、神域シーリング工事

これまでの「聖ルミナス教国」でのインフラ整備——氷龍を用いたエアコン設置、泥だらけの街道の舗装(盆山ハイウェイ)、そしてスラム街の下水浄化とスーパー銭湯建設を経て、物語はいよいよ教国の心臓部へと移ります。

第48章を執筆します。(AI談

第48章:大聖堂の「天漏あまもり」と、神域シーリング工事

「……おい、使者さん。さっきから黙って聞いてりゃ、『神の啓示』だの『天からの祝福の光』だの……。現場監督の目から見れば、これは単なる**『施工不良』**だぞ」

聖ルミナス教国、その象徴たる「白銀の大聖堂」。

数千年の歴史を誇り、世界で最も神に近いとされるその中心部「至聖所」のドーム天井を見上げ、盆山茂(盆ちゃん)はヘルメットを指で押し上げながら忌々しげに吐き捨てた。

盆ちゃんの視線の先、高さ50メートルを超える壮麗な天井画の中央には、一筋の「黄金の亀裂」が走っていた。そこから溢れ出す圧倒的な神聖魔力に、居並ぶ枢機卿たちは涙を流して跪いている。

「盆山殿! これこそが我が国の守護神が、百年に一度下される救済の予兆なのです! この光を浴びた者は病が癒え、魔力が活性化する……!」

特使カイルが熱っぽく説明するが、盆ちゃんは手元のレーザー距離計をカチカチと操作しながら首を振った。

「カイルさん、あんたも『現場』を少しは学んだはずだろ。いいか、あそこから漏れてるのは『光』じゃない。**『次元の気密漏れ』だ。あんな高濃度のエネルギーを無養生で垂れ流してみろ。周辺の空間強度がガタガタになって、そのうちこの建物ごと『向こう側』に吸い込まれるぞ。いわゆる、次元性の雨漏り……『天漏り』**だ」

「て、天漏り……っ!?」

盆ちゃんは腰袋から一冊の「点検報告書」を取り出した。

「そもそも、この大聖堂は石造りのくせに、接合部のメンテナンスが数千年も放置されてる。経年劣化でシーリング(防水材)が完全に死んでるんだ。レルちゃん、例の『神域特注・高耐候性シリコン』の準備はいいか?」

「はいです、親方! コーキングガンに装填完了しましたっ!」

隣でピンクのヘルメットを被ったレルちゃんが、巨大な重火器のような道具を担いで親指を立てる。中には、彼女が「茂さんが困らないように」と神の権能を練り込んで作った、**『万物接着・次元遮断シーラント』**が詰め込まれていた。

「よし。全員退避! これから**『緊急高所防水工事』**を開始する! アルフレッド、足場を組め! 安全帯の使用を徹底させろよ!」

「了解です、親方! 全員、単管パイプとクランプを用意しろ! 聖域アリーナ内部に『盆山式クイック足場』を構築する!」

弟子のアルフレッドたちが一斉に動き出す。神聖なはずの礼拝堂に、金属がぶつかる「カキン、カキン」という現場特有の小気味よい音が響き渡り、枢機卿たちは「神をも恐れぬ所業だ!」と泡を吹いて倒れ始めた。

だが、盆ちゃんには関係ない。

彼は慣れた足取りで、魔法で瞬時に組み上げられた地上50メートルの足場を駆け上がった。

亀裂の目前まで迫ると、凄まじい次元の風が盆ちゃんの作業着を叩く。並の勇者なら消滅するレベルのエネルギー量だが、レルちゃん特製の「安全第一・防護作業服」には傷一つ付かない。

「……酷いもんだな。プライマー(下塗り剤)すら塗ってねえ。これじゃあ神様だって『隙間風が寒い』ってクレーム入れるレベルだぞ」

盆ちゃんはバールで亀裂周辺の浮いた魔力結晶を削り取り、手際よくマスキングテープを貼っていく。

「レルちゃん、行け!」

「了解です! どりゃああああっ!」

レルちゃんが放った神域のシーラントが、黄金の亀裂をピタリと塞ぐ。

その瞬間、大聖堂を包んでいた過剰な光が収まり、代わりに建物全体の構造が「カチッ」と噛み合ったような安定感が生まれた。

「仕上げだ。ヘラでならすぞ」

盆ちゃんが魔法を込めた左手(概念模倣)でスーッとシーラントの表面を撫でる。

すると、あんなに荒れ狂っていた次元の歪みが、見る間に滑らかな鏡面へと変わっていった。

「よし、施工完了だ。これで向こう1000年は、啓示(雨漏り)の心配はないな」

盆ちゃんが足場から飛び降り、タオルで額の汗を拭った時、聖堂の外から大きな歓声が上がった。

「……茂さん、大変です!」

カイルが真っ青な顔で駆け寄ってきた。

「どうした。まだどこか不具合があったか?」

「いえ! 大聖堂の『天漏り』が止まった瞬間、教国内の全魔法通信がクリアになり、さらに長年止まっていた『守護神の自動防衛システム』が、インフラの安定によって再起動しました! ……現在、教皇様が『奇跡を成し遂げた神の御使い』を拝謁しようと、近衛騎士団を引き連れてこちらに向かっています!」

盆ちゃんは深いため息をつき、腰の工具差しを整えた。

「拝謁だか何だか知らんが、まずは『完了報告書』にサインを貰うのが先だ。あと、高所作業の特別手当も上乗せしておけよ。……おい、レルちゃん。次はどこだ?」

「親方! 教皇庁の地下にある『聖なるボイラー室』から、黒煙(瘴気)が逆流してるとの苦情が来てますっ!」

「……チッ、排気ダクトの詰まりか。安全確認を急ぐぞ。現場を空けるな!」

盆山工務店の「聖域リフォーム」は、まだ基礎工事が終わったばかりだった。


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