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現場のベテラン・盆ちゃん、異世界へ。〜過保護な神様が魔改造した孤島で、のんびりJIS規格外なスローライフを始めます〜  作者: 盆ちゃん


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第46章:教皇庁の建築確認申請と、消火器の設置義務

第45章で「安全第一」に目覚めた聖騎士団。彼らが教会の屋根でキビキビと補修作業に励む姿は、王都の住民たちに「これぞ真の奉仕」と感動を与えていました。しかし、それが面白くないのが教会のトップ、教皇です。(AI談

第46章:教皇庁の建築確認申請と、消火器の設置義務

「……何事だ、これは。我が教国の誇りである『銀翼聖騎士団』が、なぜ蛍光色の布(安全ベスト)を纏い、屋根の上で金槌を振るっているのだ!」

聖ルミナス教国の総本山、大聖堂のバルコニーから、教皇グレゴリオ三世は震える声で叫んだ。

その視線の先では、団長ガレンが「指差喚呼よし! 昇降階段の固定よし!」と、これまでにないほど爽やかな笑顔で部下に指示を飛ばしている。

教皇猊下げいか! あの方は本物です! 盆山殿は、我々が忘れていた『地上の守り(メンテナンス)』の重要性を教えてくださったのです!」

「黙れガレン! あの男は聖域を俗世の湯気で汚した不届き者だ。これ以上の冒涜は許さん。……衛兵! あの『作業服の男』をここへ連れてこい! 聖なる裁きを下してやる!」

数分後。

教皇の執務室に呼び出された盆ちゃんは、重厚な扉を開けるなり、手元のレーザー距離計をカチカチと操作し始めた。

「……おい、使者さん。この部屋、天井高に対して有効な開口部が少なすぎるぞ。あと、この絨毯。防炎性能のタグが付いてないじゃないか」

「盆山茂、と言ったな。挨拶もなしに何をブツブツと……」

「挨拶より先に確認することがあるだろ! この建物、**『建築確認申請』**はどこに出した? この規模の石造建築で、この入り組んだ構造……避難経路の確保が絶望的だぞ!」

「け、けんちく……? これは神の啓示に基づき、千年前から建っておる聖なる塔だ! 法など超越している!」

教皇が激昂し、手に持った聖杖を床に叩きつける。

すると、部屋全体が眩い光に包まれ、あらゆる物理攻撃を跳ね返す伝説の「絶対聖域結界」が展開された。

「ひ、ひえぇぇ! 茂さん、これ『神格級の完全密閉結界』ですよぉ! 許可なく出入りできない、神様のプライベートルーム状態ですぅ!」

レルちゃんがピンクのヘルメットを押さえながら、その圧倒的な魔力密度に目を回す。

だが、盆ちゃんは動じなかった。

それどころか、結界の壁をコンコンと指の関節で叩き、音を確認して深く溜息をついた。

「……最悪だ。おい、教皇。今すぐこの結界を解除しろ」

「ふははは! 恐れをなしたか! この結界は、何者も通さぬ絶対の拒絶――」

「違う! **『排煙設備』も『非常口』**もない空間に、これだけ大量の『火の点いたロウソク』を放置して、完全に密閉しやがって! 酸欠と一酸化炭素中毒を誘発する気か! 現場なら一発で作業停止命令だぞ!」

盆ちゃんは腰の道具袋から、真っ赤な塗装が施された「神域仕様・強化消火器」を取り出した。

「いいか、火災(火災魔術)の初期消火にはこれだ。そして、避難の邪魔になるその無駄に長いカーテンは撤去しろ。これじゃ誘導灯も見えやしない」

「なっ、聖なるカーテンを……! 待て、何をする!?」

盆ちゃんは、結界の「魔力の継ぎ目」をバールでこじ開け(物理的メンテナンス)、強引に室内に踏み込むと、壁のあちこちに**『非常口→』**と書かれた、眩しく光る緑色のプレートをネジ留めし始めた。

「茂さん、仕上げにこれです! レルちゃん特製『聖水100%配合・自動火災報知システム』ですぅ!」

レルちゃんが天井に手をかざすと、神々しい装飾が施されたスプリンクラーがニョキニョキと生えてくる。

「……これでよし。教皇、あんたの『聖域』とやらは、安全基準を満たしていない『違法建築』だ。改善報告書が受理されるまで、この大聖堂は一時使用禁止とする。あと、このロウソクは全部LED(魔導電球)に変えろ。火気厳禁だ」

「……わ、我が聖域が……違法建築……?」

膝をつく教皇。

その横で、聖騎士ガレンが誇らしげにサムズアップした。

「猊下、ご安心を! 我ら『銀翼設営隊』が、明日から大聖堂のバリアフリー化と消防点検を承ります!」

こうして、聖ルミナス教国の最高権威は、盆ちゃんの「消防法(異世界版)」の前に、呆気なく平伏すこととなった。

第47章:予告

王都のインフラと安全基準を完全に掌握した盆ちゃん。

しかし、そんな彼の前に、西の大陸に眠る「古の邪神」が復活する。

世界を闇に包もうとする邪神に対し、盆ちゃんが放った一言は……。

「なんだその黒い霧は。近隣住民から粉塵被害の苦情が出るぞ。今すぐ養生シートを張れ!」

第47章「邪神の粉塵散布と、近隣住民への工事挨拶(手土産付き)」

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