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現場のベテラン・盆ちゃん、異世界へ。〜過保護な神様が魔改造した孤島で、のんびりJIS規格外なスローライフを始めます〜  作者: 盆ちゃん


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閑話:深淵の嘆きと、現場監督への宣戦布告

閑話:深淵の嘆きと、現場監督への宣戦布告

1. 闇の集会:消えた「深淵」

大陸の最果て、かつては「永久の闇」と呼ばれた漆黒の洞窟。

そこに、世界を裏から操ってきた秘密結社『混沌のカオス・ウェッジ』の幹部たちが集まっていた。

しかし、彼らの顔は青ざめ、絶望に染まっている。

「報告しろ。我らが崇める『大いなる深淵の門』はどうなった」

「……はい。それが……先日、例の『作業着の男』が現れまして……」

「まさか、封印を解いたのか!?」

「いえ……『建付けが悪い』と言って、門を丸ごと取り外されました。その後、**『断熱性の高いアルミサッシの引き戸』**に交換され……今は指一本通らぬ気密性を誇っております」

静まり返る一同。

彼らが何世代もかけて守ってきた「異界への入り口」は、盆ちゃんの手によって「冬でも隙間風が入らない快適な玄関」へとリフォームされてしまったのだ。

2. 奪われたアイデンティティ

別の幹部が、震える手で一枚の羊皮紙を取り出した。

「私の方も深刻だ。我らが誇る『呪いの霧』が……あの一帯に撒かれた消臭ミストのせいで、ラベンダーの香りがする爽やかな避暑地に変わってしまった。これでは、恐怖で民を支配することができん……!」

「私の担当していた『魔導爆弾』もだ! 盆山とかいう男に『タコ足配線は火事の元だ』と説教され、導火線をすべて結束バンドでまとめられ、挙句の果てにアースまで取られて……今やただの『安全な置物』だ!」

彼らにとって、盆ちゃんが行っている「改善」は、神秘に対する最大の侮辱であり、生存戦略の否定であった。

3. 謎の刺客:現場を乱す「不安全行動」の主

「……もはや、手段を選んではいられん」

最奥の玉座に座る首領が、低く唸るような声を出した。

「あの男は、この星の『闇』という名の汚れをすべて洗い流すつもりだ。このままでは、我ら悪の組織は『不法投棄』として処理されてしまう」

首領は、影から一人の男を呼び寄せた。

その男は、他の魔導師とは明らかに違う異質なオーラを纏っている。

「お前に行ってもらいたい。盆山工務店の現場へな」

「……ククク。承知しました。私はあのような『秩序ある現場』が一番嫌いだ」

その刺客の手には、盆ちゃんが最も忌み嫌うものが握られていた。

「意図的な手抜き工事の道具」と「不安全行動のマニュアル」。

彼らは、盆ちゃんの「安全第一」という絶対領域に、あえて「不注意」と「手抜き」という名の毒を打ち込もうとしていたのだ。

4. その頃、盆山庵では

「……ふあぁ。なんか、変な寒気がしたな。風邪か?」

盆ちゃんは、レルちゃんが淹れてくれた「神域の麦茶」を飲みながら、首を傾げた。

「盆ちゃん、大丈夫ですか? もしかして、どこか現場の養生が甘かったでしょうか」

「いや、俺の施工に漏れはねえ。……ま、明日は**大陸の杭打ち(地殻安定化工事)**だ。しっかり寝て、体調管理(KY)しねえとな」

盆ちゃんは、明日からの大規模工事に備え、枕元に「安全靴」を揃えて眠りについた。

その背後で、レル(最高神)の瞳が、一瞬だけ鋭く黄金に輝く。

(……盆ちゃんの現場を汚そうとする不純物ゴミは、私がゴミ箱へシュレッダーしてあげなきゃ……)

世界の裏側で、盆ちゃんの「職人魂」と、それを守る「過保護な神様」、そして居場所を失った「悪」が、次なる現場で激突しようとしていた。

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