第14章:磨き上げられた絶望、あるいは鏡面仕上げの難攻不落
第14章として、盆ちゃんが「ちょっと汚れを落として塗り直しただけ」の城壁が、帝国軍のプライドを粉々に打ち砕く絶望的な喜劇を描き上げます。(AI談
第14章:磨き上げられた絶望、あるいは鏡面仕上げの難攻不落
「……報告しろ。我が眼は狂ったのか?」
シュタイゼル帝国軍の前線指揮官、ヴォルフ鋼鉄将軍は、馬上で震える声を絞り出した。
彼の眼前にそびえ立つ聖グロリアス城は、偵察資料にあった「古めかしく苔むした石造りの要塞」ではなかった。それは、午後の陽光を暴力的なまでに反射し、直視することすら困難なほどに「ピカピカ」に輝く、未知の巨大構造体へと変貌していたのである。
「ほ、報告します! 城壁全体に未知の透明被膜を確認! 我が軍の放った斥候の矢は、城壁に触れた瞬間に……その、あまりの滑らかさに『摩擦を失い』、そのまま真上に滑り落ちていきました!」
盆ちゃんが「防汚シリコン塗料」を三度塗りし、仕上げに「神域ワックス」で磨き上げた城壁は、物理法則すらも「汚れ」として弾き飛ばす鏡面へと進化していた。
「馬鹿な! ならば魔導砲だ! 物理が効かぬなら概念ごと焼き払え!」
ヴォルフの号令とともに、帝国が誇る「極大火炎魔法」が城壁に直撃する。本来ならば岩石をも蒸発させる熱量。しかし、着弾の瞬間、信じられない光景が広がった。
盆ちゃんが「ついでに塗っておいた」超撥水・対魔法コートが、魔法エネルギーを「水滴」のように弾き、シュルリと地面へ受け流してしまったのだ。
「……弾いただと? 魔法を、水滴のように……?」
「閣下! 敵の城壁は汚れ一つ付いておりません! むしろ、魔法の熱でワックスに艶が出たように見えます!」
さらに悲劇は続く。城門を突破しようとした重装騎兵連隊が、盆ちゃんが「5-5-○(神域版)」を差しした城門の前に到達したときだ。
「突撃! 門をこじ開け――」
馬の蹄が、盆ちゃんがうっかりこぼした「潤滑剤の飛沫」に触れた瞬間、数トンの突進エネルギーが完全に空転。騎兵たちは文字通り「氷上のボウリングのピン」のように四方八方へ滑り去り、地平線の彼方へと消えていった。
「あ、ありえん……。あんなふざけた『波板』の屋根に、我が帝国の至宝である魔導矢が一本も刺さらぬとは……!」
ヴォルフが絶望の眼差しで見上げる先には、盆ちゃんが「雨除け」としてテキトーに打ち付けたポリカーボネート製の波板が、帝国の波状攻撃を「パチン、パチン」と軽快な音を立てて弾き返していた。
その頃、城内では盆ちゃんが呑気に茶をすすいでいた。
「おや、外が随分賑やかだね。お祭りかな? せっかく綺麗にしたんだから、泥とか投げないでほしいなぁ」
盆ちゃんの「綺麗好き」という名の善意が、大陸最強の軍勢を「一歩も近づけない」という物理的な絶望へと叩き落とした瞬間であった。




