25 金曜日とその応答
おさらい。恋人繋ぎをした理由を聴こうとした。
「ね、綾香知ってる?」
「確かに見てないかも...詩織ちゃんは?」
「どうせまたアレだわ...」
「てかさ...たつーもいなかったよね?アレかな?」
「え?本当?」
「綾香に連れてかれたんでしょ...」
一方、教室では綾香と俺の行方を探るような話が繰り広げられていた。
「それは...」
綾香の視線が泳いだのを、俺は見逃さなかった。綾香は何かを言いかけて、飲み込んだ。
「やっぱ何でもない...!トイレ行ってくる...!」
「...え?」
綾香はそう言って手を離し、顔をしかめて慌ててトイレに駆け込んだ。俺は唖然として綾香を引き止めようと手を伸ばしたが、空を切った。
(勘違いか...やっぱ駄目だな俺...)
頭を抱えて、罪悪感に浸った。思えば綾香は、小学生の頃も遊んでいる合間に腹痛でトイレ行ってた気がする。それと同時に疑問が浮かんだ。
「やっぱまだ言えない...」
「綾香、大丈夫か...?」
トイレに籠り、帰ってこない綾香に俺は数分してからベンチを立ち、トイレに向かった。そして、外から声を掛けた。
「綾―」
言いかけたところで、トイレから綾香が姿を現した。
「ごめん...ちょっとお腹痛かった」
「お...おう...」
綾香は少し微笑み、お腹をさすってアピールをした。俺はさっきの事については、聞かないようにした。
「もしかして腹痛気味...か?」
「え...うん、そうだけど...」
「え、今日サボった理由って...」
綾香は少し唇を結んだ後、さすっていたお腹から手を離した。
「...私、腹痛が結構多いんだよね...」
「あ、そ...そうだったな...」
思い出した。少し時間が空いてしまっていたので、忘れていたのかもしれない。そうだった、綾香は腹痛で小学生の頃はよく休んでいた。おそらく、あいつらも知ってるはずだ。
「一応前よりかは痛くはないけど...」
「じゃあ家で休んだ方が...」
「そうだけど...違うの...」
俺は背を向けて、あのルームシェアをしている家に向かおうと、一歩踏み出した瞬間に、後ろから綾香に手を掴まれた。
「せっかく再会したんだしさ...何か新しい思い出作りたいじゃん...」
「...え?」
その声は少し震えていて、でも、何かが隠れているようで...俺は振り返った。その時だった。
「っ...!!」
振り返ったと同時に、綾香の両手が俺の頬を挟んだ。
「もごご!!」
「ねぇ...たっつ...」
「もごもご...」
「最近胸の奥が熱いの...」
「...むご」
主な登場人物
住田竜司:主人公。紫陽花高校1年1組。
福留結希:紫陽花高校1年2組。
水月心寧:紫陽花高校1年2組。
一ノ瀬綾香:紫陽花高校1年2組。
桃瀬詩織:紫陽花高校1年2組。
Ry77「入試後に書いても物語がどうなってたか分かりません。助けてください」




