20 木曜日ととある診断
おさらい。ルームシェアで幼馴染達の攻撃により、何かが芽生えた俺だが...。
「ねぇこれやってみようよ」
「確かに面白そうだけど!」
「...」
「いやちょっと...ねぇ?」
「あの...集中できないんですけど」
翌日の昼休みにて、自分の机で4人が話している中、俺は勉強をしていた。結局集中出来ず、おかげでノートは真っ白。ノートから視線を外し、顔を上げると結希は他3人にスマホの画面を見せていた。
「SM診断...あなたがSかMかを診断できるサイトです...?」
「そう、これよ」
画面に書いてある文章をボソッと呟いた俺に、結希はひとつ頷いた。察したと共に、何だか嫌な予感がした。『一刻も早く逃げ出したい』その感情が両足を震え上げた。
「面白そう!!」
「...嫌だ」
「先に結希やってよ」
「トイレ行ってくる...」
「ちょっと待とっか?」
逃げるように立ち上がった俺の左手首を結希がしっかりと掴んでおり、振り返ると笑っているのに目の奥が笑っておらず、ハイライトが無くなっていた結希がこちらをじっと見つめていた。
「ひえっ...あ...あぁ...」
「やるよね?ね?」
圧がすごい。俺は一歩後ずさった。しかし、逃げたところで無意味だと悟り、再び席に座る。すると結希のハイライトは復活した。俺はホッと一息をついた。
「じゃあまず私からやるね」
「おーどうなるんだろ」
「辛いね...たっつ...」
「はぁ...まったく...」
結希はそういってスマホに目を向け、ポチポチと選択肢か何かを押していく。
「あっ結果が出た。80%Sだって」
「おーすごーい!」
「何か当ては...」
「ま、たし...」
「だとおも...」
俺と綾香、詩織は言いかけたのを止めた。最後まで言い続けたら蹴られてただろう。
「じゃあ次、心寧ね」
「やってみる!」
心寧から元気に発した声に合わせて、結希は自分のスマホを渡した。その間に気分が沈んでいる結希と心寧を含まない俺ら3人は、近寄って小声で話し始める。
「どうするこれ...?」
「まずいわ...終わりよこれ」
「...やりたくない」
「やるよね?」
突然音も無く俺らの背後に迫っていた結希はすっごい笑顔で(ただし目は笑っていない)目の前に来ていた。
「あ、私60%Mだってさ!」
「あ...そっ...なのか...」
診断が終わったらしい心寧がそう言って、俺らにスマホを見せた。振り返ってみると、確かにそう書かれていたが...。
「..次いいよ」
「えっ」
綾香が詩織に譲ったことで、詩織は目を丸くして綾香を見つめた。おそらく、安牌を取るために言ったのだろうと思うが、どうせやらないといけないし...まずい...ピンチだ。
「どうすれば...」
俺は頭を抱えて、考え始めた。どうすればここから抜け出せるのだろう...と。
ある日の昼休みに、SM診断という危険が密かに迫っていたのだった。
主な登場人物
住田竜司:主人公。紫陽花高校1年1組。
福留結希:紫陽花高校1年2組。
水月心寧:紫陽花高校1年2組。
一ノ瀬綾香:紫陽花高校1年2組。
桃瀬詩織:紫陽花高校1年2組。
多分次回から一話ごとの文字数減ります。




