19 水曜日とその誘惑
おさらい。詩織に「なんでツンデレになったのか」と聞くがはぐらかされ、今度聞くことにした。いじめの夢を見た俺は途中で起床。水を飲んでいた最中だった。
「「「えっ?」」」
「ア...ドウモ...」
俺は別の方向を向きながら、一粒の汗を流した。そして心の中で唱える。
(落ち着こう...一旦...まだ風呂入ってないし...臭いで何か言われるかもしれない...そうだ、床を見て話そう)
俺は立ち上がって意を決して振り返る。もちろん、床を見ながら。その時だった。
「たっくーん!!大丈夫だった!!?」
「はっ...えっ...!?」
突然、心寧が抱きついてきた。俺は腕の中で抱きしめられ、そのまま硬直した。その間3人にはジト目で見られ、視線が痛い。一刻も早く抜け出そうと心寧に言う。
「「「...」」」
「あの...さ...服...濡れて...るんだよな」
「あと5分ー」
「本当にお願い...離してくれ...」
「私たちは部屋にいこっか」
「そうだね」
「うん...」
「おいいいい!!」
「じゃあ先に風呂入るねー!」
「濡れたんだが...」
「罰が当たったね」
「確かに」
「私は擁護出来ないわ」
「結希っ?綾香?詩織?なんで?」
俺はきょとんとする。何もしてないはずなのに、罰が当たったことにされてるんだが。後は...やっぱり目のやり場に困る。
「見たい?」
「はぁっ!?」
目のやり場に困っていた俺に気づいた結希は、自分のメロンを両手で持って揺らす。俺はさらに目のやり場に困り、挙句の果てにある選択を取る。
「ほら...ねー触りたいんでしょ?」
「幼馴染だからってなんでも出来るとは思うなよ!?さよなら!!」
「あ、逃げた!?」
俺は逃げるように自分が寝ていた部屋に逃げ込み、鍵を掛けた。昔の癖かもしれないが、あの状況じゃ仕方がないだろ...。
「クソっ...はぁ...」
俺はベッドに腰を掛け、顔を赤らめて溜め息をひとつ吐いたのだった。
「帰るわ」
あの後、3人とも風呂に入って体を温めたらしいが、俺はベッドで横になって考え事をしていた。実に1時間も。今は詩織が風呂に入っているらしく、目の前にはパジャマ姿の3人が写っている。
「今日はホントごめん」
「大丈夫だよ」
俺は結希の応えに安心してホッと息を吐いた。
「また...来てもいいか?」
「もちろんでしょ?」
「そうだよー」
「...まぁうるさいかもしれないけどね」
俺は片手に鞄を持ち、もう片方の手で玄関を開ける。帰っても親は居ないけど...とりあえず風呂に入らないと...。
「じゃ」
「ばいばい」
「じゃあねー!」
「また明日...」
少量の雨は降っているが、俺は家に向かって歩き始めた。というか幼馴染のパジャマ姿って...。
「あ、上がった?」
「上がったわよ。あいつは?」
「帰ったよー」
「せっかくパジャマ見てもらおうと思ってたのに...3人ともずるいわ」
「ツンデレだ」
「うっさい結希!!」
「たっつ...私たちを見て何も言わなかったけどね...」
「綾香の言ってた通り、何も言わなかったよね」
「うんうん、そうだよー!でも目逸らしてたよね!」
「はぁ...マジで...なんだったんだ今日...結希と心寧は何が目的だったんだ...?」
歯車は動き出す。配信者の俺と、自分自身が分からない俺と...新しく恋愛感情か何かが芽生えた俺、動き続けていた2つの歯車に、新しい1つの歯車が連結したような気がした。
主な登場人物
住田竜司:主人公。紫陽花高校1年1組。
福留結希:紫陽花高校1年2組。
水月心寧:紫陽花高校1年2組。
一ノ瀬綾香:紫陽花高校1年2組。
桃瀬詩織:紫陽花高校1年2組。
今回は竜司羨ましい回です
Ry77「竜司羨ましすぎんだろ」
竜司「...無理」




