表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雨降る心の滞り  作者: Ry77


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/23

14 火曜日と帰り道

おさらい。精神病院に通院した俺は、薬などをもらってから、学校に登校した。そして、帰る前に4人と合流した。そして、人生最大のピンチが訪れたのだった。

「あれー?こんなとこに逃げた野郎がー女子と話しながらーww」

「きっもww」

「かっわいそーww」

「っ...」


建物の横から突然現れたいじめっ子に、俺は両手や口が震え始める。それと同時に、自分の胃から何かが上がってきてくるのを感じる。逃げたい。逃げたい。でも...この問題を解決できるのは...俺だけだ。やるしか...ない。


「なんだよ!!」

「おっ...喋ったー」

「逃げただけじゃなくて女の子を連れてるなんてさーw」

「...」


逃げ出したい。足が震える。俺は鞄に手を入れて手の感覚でスマホを探し始める。


「たっくんこの人たちって...」

「たっつ...」


俺は、脳裏に起こされるフラッシュバックに襲われ始める。


「主人公気取りがww」

「独りぼっちーww」

「頭冷やせよww」

「水かけられてやんのーww」

「なんで...だよ...」


俺は頭を押さえ始める。そして今度は食道付近に何かが上がってくる。異変に気付いた4人は俺に駆け寄ってくるが、いじめっ子はお構いなしに言い続ける。


「あんた大丈夫!?」

「たつー無理しないで!」

「だ、大丈夫だ...先に帰ってくれ...」

「そんなことしたらダメ!!」

「演技か!演技だなww」


俺は歯を食いしばりながら、必死に目を開ける。その瞬間に、時間がいつもより、ゆっくりと進んでいる感覚に陥った。俺はいじめっ子のうちの1人が、バケツを持っていることに気づいた。


「深呼吸して!」

「わ、わかって...る」


俺の目はバケツに釘付けになっている。おそらく、あれは水入りバケツ、俺に向かって水をかける気だ。でも...このままだと他の4人にも水がかかってしまうことが確実だ。そしてその4人は、バケツを持っていることに気づいていない。俺が取る行動は...


「おらっ!喰らえっ!!」

「っ...!!」


時間がゆっくりと進み、いじめっ子のバケツから水が放たれる。俺は鞄を地面に捨て、4人の間をかき分けて通る。そして両手を広げて、俺は全身に水を浴びる。


「...たっつ?」

「ちょっと...!」


本当は分かっていた。俺はこの学校に転校してから、フラッシュバックが起こることが減った。精神も安定してきて、体のダルさもなくなっていっていた。でも、こんな日常が許されることではない。俺は逃げていたんだ。問題を先送りにして、自分の生きたいように生活しておいて...こんなのが許されるわけじゃないって。

立場が決まった者は、その立場が変わることはない。たとえ、それがいじめっ子、いじめられっ子だとしても。時間が経って、大人になったとしても。


「ぷはは!!自分からかかってきてるww」

「うわー水まみれーww」

「ちょっと謝りなさいよ!!」

「あんたたち最低だわ!」

「ひどい...!」

「人の心あるの!?」


結希や、詩織がいじめっ子に言い始める。そして、心寧や綾香も加勢して、その場はヒートアップしていく。そして、俺の髪から水が、地面に向かって滴り始める。俺はこの状況を見ることしかできなかった。何も言い返せず、俯いてるだけだった。俺は...何もできないんだ。俺は心の中で自覚した。

いや...本当にそうなんだろうか。何もできずに終わるなんて、そんなことはまっぴらごめんだ。


「うるせぇな女ども!!」

「俺たちはこれで満足なんだよ!」

「本当にひどいわね!」

「ヘラヘラ笑いやがって!!」


女ども...?その言葉にカチンときた。俺の友達も貶しやがって...そんなのはおかしいだろ。俺は、俯いていた顔を上げて、いじめっ子を睨んで一言放つ。


「テメェら...ふざけんなよ...」

主な登場人物

住田竜司(すみだたつじ):主人公。紫陽花高校1年1組。

福留結希(ふくどめゆき):紫陽花高校1年2組。

水月心寧(みずきここね):紫陽花高校1年2組。

一ノ瀬綾香(いちのせあやか):紫陽花高校1年2組。

桃瀬詩織(ももせしおり):紫陽花高校1年2組。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ