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雨降る心の滞り  作者: Ry77


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13/23

13 火曜日と病院

おさらい。本屋に訪れた俺は、そこでバイトをしていた綾香と遭遇した。綾香は多分、漫画オタクであり、ものすごく楽しそうに語っていた。そして、俺は本屋で漫画を買い、家に帰った。

「これ、面白いな...」


1ページめくるごとに、意外な展開などがあり、作品の中に引き込まれそうになる。ネタバレされたとはいえ、面白い。


「今度また本屋行くか...いや、主人公がかっこいいな...」


誰もいない自分の部屋で俺は、独り言をぶつぶつ言い始める。特に、主人公の『俺はお前らを幸せにする自負がある!』というセリフ。ものすごく自信家で無茶な発言だと思ってしまうが、俺は自分に自信がある人に憧れる。俺には自信という字すらも無いから。


「いまの時間は...」


俺は背伸びをしながら時計を見る。午後10時半...そろそろ寝た方がいいと思い、俺は漫画を机に置く。


「この袋は...明日鞄から出そうっと...」


俺は鞄の中身を整理した後、部屋を出る。そして俺はキッチンに向かいコップを用意する。


「竜司、明日は病院ね」

「え、いつ帰ってきてた...?」


俺は夢中で漫画を読んでいたせいか、お母さんが帰ってきたことに気づいていなかったらしい。俺は薬を口の中に含み、水で流す。


「病院...精神科?」

「そうよ」

「わかった」




「すいません、今日は病院に行くので遅刻します」


俺はスマホを耳から離して、車に乗る。俺は窓から動く風景を見るが、特に何も思わない。


「はぁ...」


溜め息が漏れてしまう。前までは、風景とか見ていると『綺麗』とか思う感情があったはずだが...あいつらといたら...。




「住田さん、次どうぞー」

「はい」


精神科に受診するのも、今回で3回目だ。最初は何もかも話すのは怖かったけれど、先生は頷いたりと最後まで俺の話を聞いてくれて、話しやすい。俺は立ち上がって診察室に向かう。その間は、お母さんは待ちだ。


「最近は何かありました?」

「最近は転校して...幼馴染4人と再会して...」

「幼馴染なら話しやすいですねー同性ですか?」

「いや、異性ですけど...僕の転校した学校が元々女子高らしくて...」


俺は転校してからこの日まで、隅から隅まで話した。


「眠りやすい薬入りますか?」

「はい。お願いします」



俺は診察室から出て、お母さんと交代。待ってる間は無心で時計を見つめていただけだったが。今の時刻は9時、早めに終わってもおそらく10時、2限目だろう。


「疲れた...」




「おはようございます」

「あら、おはよう住田君」


俺はドアを開けて挨拶をした後、教室に入る。俺は大量の視線を浴びながら、自分の机に向かう。とても恥ずかしく、俺は俯き気味になってしまう。


「どうしたんだろうね住田君」

「何かあったのかなー」

「病院とか行ってたんじゃないのかな?」

「そうなのかな?」

「はい静かにー」


コソコソ話が多くなって、教室が賑やかになってしまう。そして先生は教卓に両手を着いて、注意をする。その間に俺は鞄から教科書やノートを取り出す。というか、俺は何でこの学校生活に慣れているんだろ。男子1人なのに。しかも授業に集中できるようになってきた。


「はっ...」


レジ袋を家に置いていくのを忘れており、俺は小声で声を出してしまった。いや、別に関係ないだろう。この中にあっても怒られない...はず。




「じゃあ今日も一日お疲れ様でしたー」

「きりーつ、礼」

「「「さよならー」」」


やっと終わったと思いながら、俺は鞄を持って教室を出る。沢山の女子生徒の視線が痛い。学校生活は慣れたが...助けてほしい。この学校に雪緒呼ぼうかな...。


「あ、たつー」

「たっつだ」

「たっくんだ!」

「...」

「よし、帰るか...」


俺は疲れすぎていたせいか、声が聞こえていたにもかかわらず、素通り(実質無視)をしてしまう。そして俺は靴箱から靴を取り出そうとしていたところ...。


「聞けやコラ」

「あばば!?」


後ろから襟を掴まれてしまう。おそらく掴んだのは詩織。声からしても確定した。あと引っ張る力が強すぎる。


「ご、ごめん」

「ま、いいわよ」

「たつー、一緒に帰ろ」

「じゃあ行こー!」

「...うん」

「既視感か...」


校門から出て歩き始める俺たち。俺の横では4人が楽しく会話をしている。というか、詩織はいつからツンデレになっていたんだろう?昔は素直だったのだが...。


「最近全然授業わかんないんだけどー?」

「心寧は授業集中してないじゃん」

「消しゴムで遊んでない?」

「結希ちゃんも綾香ちゃんもうるさいなーもう!いいじゃん別に!じゃあたっくん教えて!」

「なんでだよ...」

「詩織は集中出来てるの?」

「え...まぁ、結希は集中してるし...私も...ね」

「それ、絶対出来てな...」

「うっさいわねー!」

「ごめんな」


俺も会話の輪に加わって、その場は賑やかになる。ずっとこんな時間が続けばいいと思っていた。でも現実は...上手くいかない。


「あれー?こんなとこに逃げた野郎がー女子と話しながらーww」

「きっもww」

「かっわいそーww」


会話が途切れ、同時に4人は俺を見る。俺はというと、両手と口が震え始め、額から大量の汗が地面へ落ち、何も言いだすことが出来なくなっていた。

主な登場人物

住田竜司(すみだたつじ):主人公。紫陽花高校1年1組。

福留結希(ふくどめゆき):紫陽花高校1年2組。

水月心寧(みずきここね):紫陽花高校1年2組。

一ノ瀬綾香(いちのせあやか):紫陽花高校1年2組。

桃瀬詩織(ももせしおり):紫陽花高校1年2組。

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