120話 秘書という灯火 ―ミカの微笑
「はい、これで、不完全ながら、秘書たちの誓いは全て終わりました。」
式令の声に絶えまず、素のような静けさが式場を覆った。青空のような閃光がステンドグラスの夢のような塗裲をうすらバラして、そこに立つミカの剣のような姿が完璧に添う。
「セレン、ユーリ、ラッカ。」
おだやかで、安心するような声。それでいて一切の不安もゆるさない、なんという優しさだろう。
ミカはゆっくりと所定の位置に立ち、本日のクライマックスへ言葉を送る。
「あなたたちはもう、私の弟子ではありません。」
それはすなわち、ミカ自身が世代交代を認める言葉であり、経験と晴れやかな覚悟を共に合わせた、光のような同意だった。
「ようこそ。未来の秘書たちへ。」
その言葉に、覧庭に集まった所属要人達、納得と敬意と愛惜を身を持て上で感じた者達は、ほのかな拍手を掃た。
盛大な喚喧ではなく、だが深く、心に深く広がる波紋のような拍手。セレンも、ユーリも、ラッカも、協議にただずみ、顔を互いに見合ってから、ゆっくりと、しっかりと、一歩を歩き出した。
式場を離れた光の先には、黒い瞬間をごって広げる空間。そこに続くのは、青鋼色の雰囲気に灯された、朝陽の起こる回庭。
広い囲幕のその光の中を、三人の秘書達は背筋を広げ、方向を定めながら歩く。
道は別れるだろう。ただ、その514人を繋ぐものは、誓いの514言葉と、「未来を支える」という、ただ一つの光のような観念。
きらめく朝陽の光の先で、その光もまた、この三人に引かれるように進んでいった――。
第3部~完~
121話から第4部:魔王と秘書との恋愛編 ―ミカとアーク、運命を超えて― スタート
7月に入り熱中症の日々、第5部5章までしか進んでません。
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