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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

短編ホラー

散歩

作者: 壱原 一

朝早く目が覚めたので散歩に行く。


家や作業小屋が点在する国道沿いの田園地帯。


ふだん用が無くて行かない方へ久々に足を延ばしてみる。思い掛けず家が新築されていたり、コンビニがラーメン屋になっていたりする。


ちゅんちゅん雀が鳴き交わす中、へぇーほぉーんと気付きを得ながら徒然なるまま漫ろ歩く。


一面の砂利に草むらを蓄えた石材屋の敷地の先に、給油所と精米所を備えたホームセンターが見えてきた時、頗る時分にそぐわないパタパタ軽い足音の何重奏もの接近を後ろの方から聞き留めた。


この人数で歩いてきたら間も無く歩道で干渉する。


早々に車道へ避けて通してやろうと振り返ったところ誰も居ない。


なのに足音は続いている。


姿の見えない足音の群れがパタパタぱらぱら雨音の様に入り乱れて身辺を歩いて行く。


ぽかんと行方を見送る。群れは石材屋の砂利敷きの草むらへ雪崩れ込んだ。


雀らがわぁーっと飛び立って、草むらがあちこちで揺れ踊り、そのままじゃきじゃきさわさわと砂利や草むらを鳴らしながら、ホームセンターの裏手の向こうへ散々に歩み去っていった。


帰ろうと歩き始める。音が1人分ついてくる。


そっと指を握る手の感触は、柔らかくひんやりしている。



終.

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