乙女ゲームじゃなくてラノベかもしれない
___プツン
私が押した瞬間にゲームが落ちた…。
「はー!?ありえないぃ…。ここまで期待させといて…。」
私、今宮紅は今日もあのむかつく兄のためにゲームを攻略していた。私に恋愛ゲームの何を語れっていうんだ。そもそも私は恋愛経験が一切ない。昔から恋愛ゲームをやらされていたため、選択肢のないリアルの恋愛がよくわからないのだ。あと…これをいうのは何だけど、友達も…いない。今までいなかった。
というのも、私は話すのがあまり得意ではない。つまり陰キャ、根暗女子というやつだ。
別に今まで話しかけられたことはあった。小学生のときだった。だが、私はそのとき聞いてしまったのだ。
「ねえ、紅さんって嫌われてるから話さない方がいいよ。」
って話している声が…!
いや、もう悟ったよ。これが小学生の闇か…と。おかしいよね、小学生でこんなこと言ってるんだよ。これが時代ってもんなんだよ。これもう家で大人しく乙女ゲーム攻略したほうがいいじゃないかとそれから不登校になったが。
まあまあ、そんな過去話は置いといて。
私はもうすぐJKになる。高校生デビューする…つもりはない。今の生活が何不自由なく平和だからだ。わざわざ波風を起こすようなことをするつもりはない。
「兄さんも帰ってこないし…」
兄は忙しいらしく帰ってこない。両親は外国にいるため、この家は私しかいない。
「とりあえずポテチでも食べよ。」
私はポテチを取るために部屋の下へと降りて行く。そのとき、違和感があった。
____あれ、なんか体軽いな。今までゲームした後は体だるかったのに。
そんなことを思いつつ私は…
ずっこけた。
「あ、ちょっ、やばい!」
そして
___宙に浮いた。
「は?」
ありえないありえないありえない。
いや、なんで?は?夢か??
____そして落ちた。
「〜〜っ!いったーーーーい!!!」
_____痛かった、夢じゃなかった。
え?ええ??
本気で戸惑った私はジャンプしてみる
____また浮いた。
あ、これガチ??
とりあえず階段の手すりを使って地面に足をつける。
どうやら私は、どこのラノベかわからんが、宙に浮く能力を持ったらしい。
…いや、なんで??
_____
スキル《ウインド》を取得しました。
◼️◼️◼️の好感度が上昇シマス。