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1 プロローグ

「ふぁ〜」


 私は大きな欠伸をして目を覚ました。


 目を開けるとそのには広い青空が広がっていた。


 ワクワクした気持ちのままに勢いよく体を起こすと周りは森の中のひらけた場所のようなところで芝生の上に寝っ転がっている状態になっていたようだ。


「無事にうまくいったかな?」


 起き上がって、手足を動かしてみる。


 芝生の上を少し走ってみたり、ジャンプしたりしたり


「うん!この感じならすぐに慣れることができそうだね」


 手足が前より短くて、違和感を少し感じるがこれくらいならすぐに慣れることができるだろう。


「あ、そうだ。体も確かめなくちゃ!」


 アイテムボックスから大きな鏡を取り出して、自分の前に置いた。


 そこに写っていたのは、見た目は12、3歳くらいの真っ黒なローブを着た女の子だ。


 身長はそこまで高いわけではなく、胸もあまりないがこっちの方が動きやすい。


「うんうん、なんも問題なさそうだね」


 鏡の前で一周くるりと回ってみる。


 ローブはスカートのようにふわっと浮いてその様子は周りから見れば、小さい子がスカートを着てはしゃいでいるように見えるだろう。


「うん、体は大丈夫だし、動きも大丈夫だし、周りに魔物もいない。これ以上ないスタートをきれそう!」


 私の目標は冒険者になって、パーティーと一緒にこの世界を冒険することだ。


 この世界にはいろいろなところに魔物が潜んでいて、ダンジョンや勇者が存在する。

 そしてもちろんその中には伝説級の魔物がいたり、スライムやゴブリンなどの魔物もいるし、ダンジョンもレベルごとに色々あるみたいだ。


 私はたくさんのダンジョンを踏破したり、勇者と勝負したりしたいのだ。


 そうなると、まず装備や仲間を見つけるためにここの近くにある町を目指さないといけない。


 もちろん、ここの近くにある街の場所ははっきりと覚えている。


 まずはここの場所を確認するために【サーチ】を使った。


「あれ?サーチが使えない」


 何回も心の中でサーチと言ってみるけど、全く反応しない。


「あ!そういえば封印してきたんだった」


 私のスキルと魔法のほとんどは世界中のダンジョンの一番奥にあるダンジョンコアの中に封印していた。


 サーチはあたりの地形とモンスターの場所を調べる魔法だ。

 そのスキルがつかないとなると、今の場所もこれから向かう場所もわからないということだ。


「どうしようかな?あ!こういう時のために地図も持ってきてたんだった」


 アイテムボックスから地図を取り出す。


 地図を広げてみると、地図には最初に向かう場所と今いる場所にぐるぐるとペンで丸がつけていた。


「あれ?どっちが上かな?」


 良かったと安心したのも束の間今度はどっち向きでみればいいかわからなくなってしまった。


 地図をくるくると回しながら、周りの光景と合わせて見ようとするも、周りには森しかない。


「どうしよう…」


 魔法も地図も使えない。さらに周りには森しかないので、人に聞くこともできない。


「うぅーん。まぁ、冒険には行き当たりばったりも大事だよね!じゃあ、こっちにしよう!」


 悩んだ末、私は直感に任せることにした。


「これから、私の冒険がスタートだ!」


 アイテムボックスから大銅貨3枚分くらいの安いナイフを取り出し数回振り回して、ウキウキで飛び跳ねながら森の中へ一直線に突っ込んでいった。


 これは私にとって1万年も待ち望んでいたことだった。


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