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17 レッサーウルフの串刺しと半分こ

そうして、私とフランは冒険ギルドに向かっていた。


「久しぶりの外です」

「久しぶりの外はどうな気分?」

「すごく暖かくて、賑わっていて、いい匂いもします」

フランは噴水、建物、露店そこらへんに咲いているお花でさえ興味深そうに見ている。

屋敷にずっと監禁されていたフランにとってはお花でさえも見たことがないのだろう。


「楽しそうでなによりだよ」

「はい、楽しいです。でも、それより今からユメ様と冒険できると言うことの方が楽しみです!」

「そういってくれると嬉しいよ。そうだ!レッサーウルフの串刺し食べなら行く?」

「レッサーウルフは聞いたことがあります!倒せたら初心者卒業と言われている魔物です!どこで売っているんですか?」

その目はキラキラと輝いていた。

それからフランはあたりをキョロキョロし出したので、私は露天の方を指さした。


「あそこの露店で売ってるよ。このいい匂いは多分アレの匂いだと思う。行ってみる?」

「行ってみたいです!」

「これ、一つ食べれそう?」

フランはただでさえ伯爵家でご飯を食べさせてもらえなかったのに、朝は残すのは勿体無いと最後まで美味しそうに食べていた。

それなのに重い肉まで食べても大丈夫なのか気になったのだ。


「一つは多いかもしれないです」

「じゃあ、半分こしようか」

「あ、でも私お金持ってません」

フランはそのことに気づき、わかりやすく下を向いて落ち込んでいる。

私はかわいいなと思い、頭をポンポンした。


「いいよいいよ、気にしなくて。私が出すから」

「すみません。ありがとうございます」

「気にしなくていいって、仲間でしょ!じゃあ、お姉さんこれをひとつください」

その露店の前につき、私は少しお世辞を込めて串刺しを売っているおばさんにそういった。


「あら、お姉さんだなんて」

そのおばさんは嬉しそうな表情をしたがらも見定めるような目つきで私たちを見たかと思うとにこりと笑って

「特別に大銅貨3枚でいいわよ」

と言った。


おばさんの様子からお世辞と分かった上でリピーターになれると判断したのかもしれない。


「本当に?!ありがとう!」

「その代わり、またここに買いに来てね。次からは普通料金だけど」

「もちろん!またね〜」

そういった、おばさんと私はお互いに手を振りながら、露天を後にした。


露店から少し離れたところで私とフランはじゅるりと唾を飲み込んだ。


「すごく美味しそうですね」

「うん、私も食べたことないからどんな味か気になるなぁ」

「先に食べる?」

「ユメ様が先に食べてください」

「じゃあ、もらうね。うーん、ちょっと肉が硬い気がするけど美味しいね」 

私は大きく一口ガブっと肉に噛み付いた。

肉は少し硬くて脂身が少ないようだが、かなり美味しい。


そして、フランに串刺しを渡すとフランは小さくカプリと噛み付いた。

えがおでもぐもぐと一生懸命に噛んで、こくりと飲み込んだ。

そして、私の方を満面の笑みで向いた。

「ありがとうございます!うぅーん!すごく美味しいです!」

その様子を見て、お嬢様はこういう手で持って食べることに抵抗がある気がこう言うところを見ると本当に酷い扱いを受けていたんだなと実感する。

「よかった。あ、ゆっくり食べて大丈夫だがね」

「はい!」


冒険者ギルドに向かいながら、美味しそうに串刺しを食べるフランの横で私は首を傾げていた。

それは伯爵や奴隷商会長を殺したのに全く騒ぎになっていないと言うことに対してだ。

噂でフランに伯爵を殺していることがバレないか少し心配していたのだが、全くそんなことはなかった。

別に大したことがないにしてもある程度は噂になっているだろうし、殺した人的に見つかっていないと言うことはありえないはずだ。

私は冒険ギルドに着くまで頭を悩ませていたが、結局どうしてかはわからないままだった。



冒険ギルドの前に立っていた。

「ついに冒険ギルドだよ!」

「やりました!」

「じゃあ、早速入ろうか」

「はい!」


ワクワクしながら、冒険ギルドに入るとそこはそこにはたくさんの人がいた。

のだが、どうやら人が1人を取り囲んでおり、何やら暴動が起きているようだ。


「おい!どう言うことだ!」

「ちゃんと事情を説明しろ!」

「こっちは怪我人が出ているんだぞ!」


それはもう無法地帯かのように怒号が飛び交っていたのだった。

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