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13 邪神ちゃんと白髪少女

「ん?誰ですか!」

その少女は私に気づくと同時に急いで飛び上がり、手に持った本でガードするようにしながら後ずさっていく。


「私は怪しい人じゃないよ」

「どこがですか!」

その様子からは完全に警戒心がむき出しになっている。


「ほらまだ小さい子供だし、危なくないよ」

「逆に子供なのが余計怪しさを出してるんですが……。っていうか、あなたは誰なんですか!」

不審者じゃないアピールをしたのだが、どうやら無理があったようだ。

まぁ、黒いローブをきた少女が夜に現れたら誰だろうが警戒する。


「あー、私は伯爵様に呼ばれた客人だよ」

「本当ですか?」

「本当だよ。奴隷関係のことで呼ばれたからきたんだよ」

「ど、奴隷関係ですか」


この少女に色々聞きたいことがあった私は警戒心を解くために咄嗟にそうウソをついた。

その少女はかなり驚いてまだ不信感は抱いているようだが、完全にガードしていた本を少し下ろしているところから、警戒心を少し解くことができただろう。


「そうそう!それできみは伯爵の娘さんだよね?どうしてこんなところにいるの?」

「なんでそんなことを言わないといけないんですか」

「私が気になるからだよ」

「はぁ、デリカシーがない人ですね」

「いい意味で受け取っておくよ」


回りくどいことが苦手な私はある程度の警戒心は解けたかなと思い、さっそく気になることを口にした。

少女は呆れたようにため息をついたが、

「まぁ、いいですよ」

と言い、言葉を続けた。


「それは私の髪と瞳の色が両親と違うからです。会っているならわかると思いますが、両親は髪と瞳も両方茶色っぽいのですが、なぜか私は白い髪に赤い瞳なんです。それでお父様が不倫したのではないかという話が出て、家族仲がすごく悪くなってしまったんです。それが原因ね私は悪魔だとここに入れられてしまったんです」

「へぇ〜」


それって隔世遺伝かアルビノじゃないか?と思ったが確証がないのに変なことを言っては変に期待をさせるかもしれないし、この世界は日本と違うからこっちではこっち独自の病気があるかもしれない。

そんなことを考えていると、少女は

「それだけですか!?」

と言った。


「ん?どうかしたの?」

「もっとなんか反応があると思ってたんですが……」

「んーじゃあ生まれた時から、ここに入れられてたの?」

考え込んでしまい反応をするのを忘れてしまっていたが、今からしてもおかしいだけだと思い私はもう一つ質問をすることにした。


「いえ、最初は普通に部屋を与えられてたのですが、お父様とお母様の関係が悪くなっていくにつれてだんだん私にだけ当たりが強くなってここまで追い詰められたわけです」

「その割には全然辛くなさそうだけど?」

「それは私は後継ぎなんて興味はないし、花嫁修行なんかもめんどくさいと思ってたんですよ。だから、こうやって別の部屋に監禁されても生活はしにくいけど、本を読める時間は増えたからいいかなって思ったんです。それに私、将来私だけ髪の色が違う理由を探しながら旅をしたいなと思ってるのでここに閉じ込められていた方が勘当やもしくは脱走しやすいかなって思いまして」


その言葉に私はビビッときた。

私が探していたのはこういう子だなと思ったのだ。

辛いことを辛いと思わず、ポジティブで向上心のある。

もう少し探したらもっといい人と出会えるかもしれないけど、私は今この子と冒険したいという気持ちに包まれた。


そう思った私はその少女にゆっくりと近づいていった。

「じゃあ、きみはここから出たいと思っているの?」

「え?はい、いつかは出て行きたいと思っていますけど?」

「それなら、私と一緒にここから逃げ出さない?」

「え?え?」


私は少女の目の前に立ってそう言うと、その少女はかなり戸惑っているように私の顔とあたりをキョロキョロと見たりしていた。


「ちょうど明日から冒険者登録してから、この世界を冒険しようと思ってるんだ。私も1人より2人がいいし、私は無知だから色々教えてくれる仲間が欲しいと思ってたところなんだよ。だから一緒に冒険しない?」

「でも、私ちゃんと運動したことがないから体力ないし、知識と言っても本にある知識しかないから…」


少女は若干下を向いて、手足をモジモジさせていた。

その様子を見た私はもう一押しでいけそうだなと思い、

「それでも私はきみと冒険したいと思ったから、でも無理強いはしないよ。どうする?」

というと、少女は

「わ、私は一緒に冒険がしたいです!で、でもお父様たちが許すかわからないから」

慌ててそう言っていたが、だんだん語尾が弱くなっていった。

多分行きたいのは本当なんだろうけど、両親に言う勇気と了承がもらえる可能性が低いから躊躇っているんだろうな。


「それなら安心して!私が両親には言ってあげるから。あなたの娘と一緒に冒険したいからもらいますって」

「も、もらいます……」

「そう!私、こう見えてもすごいから伯爵様たちも許すしかないはずだから!それでもダメだった時は逃避行するしかないけどね。どうする?」

少女は顔を赤くしているのを見てそんなに嬉しかったのかなと思い、私は右手をさし出しすと、

「あ、あの私と一緒に冒険してください!」

その少女はその手を両手でしっかりと握り返した。


「うん!これからよろしくね」

「はい!」

そういって、わたしとその少女は少女以外の暗殺が完了した屋敷から出ていくのだった。

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